マンチェスターから現れたワーキングクラスヒーロー

The Smiths
ザ・スミス (英: The Smiths) は、イギリスのロック バンドで1982年マンチェスターで結成され、1987年に解散しました。
最初に写真を見た時、それまでのロックスターともパンクロッカー達とも全く違う、普通の人といった印象を受けました。(しかし、古着を着崩したスタイルは新鮮でとてもカッコ良かった!)
とても過激なバンドとは思えない、美しい曲をシャープに演奏する普通の人たちという感じです。
もっとも、フロントマンのモリッシーが国から支給されるメガネと補聴器をしてグラジオラスをGパンの後ろポケットに差し、クネクネと踊りながら歌う姿を見た時には驚きましたが。。。
活動期間は約5年と短かったものの、イギリスの若者に熱烈に支持され、今日では1980年代のイギリスを代表するロックバンドのひとつとして認知されています。
メンバー

Morrissey

Johnny Marr

Andy Rourke

Mike Joyce
デビュー
「スミス一家」というバンド名は、多くの人に親しんでもらいたいということで、イギリスで最も多い名前からとられたもの。
そして、最初のシングル「ハンド・イン・グローブ」が1983年5月13日にリリースされました。
当時のレコードの訳詩では、ハンド・イン・グローブが手袋はめてと訳されていました。
しかし、これは共謀しようというのが正しいですね。
1stアルバム『ザ・スミス』

1984年2月20日発売
活動期間が短かったとはいえ、ザ・スミスはオリジナルアルバムを4枚しか出していません。
最初の一枚がこれですが、詩、曲、演奏はもとより、アルバムジャケット(アンディ・ウォーホルの映画の1シーン)まで含めてとてもシングルを3枚出しただけの新人バンドとは思えません。
どっしりと落ち着いており、風格さえ漂っています。
最後に収められてりる“サファー・リトル・チルドレン”は、イギリスで実際に起こった連続殺人事件のことを歌っていますが、歌詞の最後で「その子供は沼地にいる」と繰り返されるところは胸がつまります。
とても悲しく、あまりにも美しい曲。
2ndアルバム『ミート・イズ・マーダー』

1985年2月11日発売
コンピレーションアルバムを除けばザ・スミス唯一のUKチャート1位に輝いたアルバムです。
最初に聞いた際には、大ヒットのわりには地味なアルバムだなという印象を受けました。それは、不登校をテーマにした曲から始まることと無関係ではなかったと思います。全体的に何ともシニカル!
しかし、これこそがザ・スミスといえます。
3rdアルバム『クイーン・イズ・デッド』」

1986年6月16日発売
やはりこのアルバムがザ・スミスの代表作といえるのではないでしょうか。イギリスの音楽各誌で、これまで制作された最高のアルバムとして度々取り上げられます。
“心に茨を持つ少年”、“ビッグマウス・ストライクス・アゲイン”というヒット曲を収録していることもあり、歌詞は相変わらずシニカルなものの演奏はタイトでポップな出来栄えとなっています。
4thアルバム『ストレンジウェイズ・ヒア・ウィ・カム』

1987年9月28日発売
名盤「クイーン・イズ・デッド」の後なだけに非常に期待して待ち望んでいた1枚でしたが、バンド内はゴタゴタしており実質的なラストアルバムとなってしまいました。
「ストレンジウェイズ」とはマンチェスターの王立刑務所の名前でもあったそうです。最後まで何ともスミス的です。
当時、批評家からの評判は芳しいものではありませんでしたが、ザ・スミスのメンバーは4人ともこれをお気に入りのアルバムだと発言しています。
ディスコグラフィー
シングル(UK)
・ハンド・イン・グラヴ Hand In Glove
・ジス・チャーミング・マン This Charming Man
・ホワット・ディファレンス・ダズ・イット・メイク ? What Difference Does It Make ?
・ヘヴン・ノウズ Heaven Knows I'm Miserable Now
・ウィリアム William, It Was Really Nothing
・ハウ・スーン・イズ・ナウ ? How Soon Is Now ?
・シェイクスピアズ・シスター Shakespeare's Sister
・ザット・ジョーク・イズント・ファニー・エニモア That Joke Isn't Funny Anymore
・心に茨を持つ少年 The Boy With The Thorn In His Side
・ビッグマウス・ストライクス・アゲイン Bigmouth Strikes Again
・パニック Panic
・アスク Ask
・ショップリフターズ Shoplifters Of The World Unite
・シーラ・テイク・ア・バウ Sheila Take A Bow
・ガールフレンド・イン・ア・コーマ Girlfriend In A Coma
・アイ・スターテッド・サムシング I Started Something I Couldn't Finish>
・サムバディ・ラヴド・ミー Last Night I Dreamt That Somebody Loved Me

ライブ盤
・ランク Rank

編集盤
・ハットフル・オブ・ホロウ Hatful Of Hollow (1984年)
・ザ・ワールド・ウォント・リッスン The World Won't Listen (1987年)
・ラウダー・ザン・ボム Louder Than Bombs (1987年)
・ストップ・ミー (1988年)
・ベスト Vol.1 BEST...1 (1992年)
・ベスト Vol.2 BEST...2 (1992年)
・ザ・スミス・ヒストリー Singles (1995年)
・ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・スミス The Very Best Of The Smiths (2001年)
・ザ・サウンド・オブ・ザ・スミス The Sound Of The Smiths (2008年)
その後
解散には音楽的な理由もあったようですが、印税の配分などでもめて裁判にまでなってもいます。
ファンにはとても残念な出来事でした。
ソロで活動している主要メンバーだったモリッシーもジョニー・マーも近年ではザ・スミスの曲をやっていますし、再結成が叶うといいですね。