【琴錦】大相撲史上唯一となる2度の平幕優勝を成し遂げたスピードスター

【琴錦】大相撲史上唯一となる2度の平幕優勝を成し遂げたスピードスター

スピード感と躍動感溢れる取り口でF1相撲の異名をとった琴錦。大相撲史上初2度の平幕優勝を成し遂げた華々しい経歴や、スキャンダルや怪我によって大関に昇進できなかった挫折。そして引退後について紹介。


一方で、集中力散漫の折は、持ち前の出足が伴わず空回り状態で、スリ足がバタ足となり、いわゆる一人相撲で自滅という敗戦パターンも少なくなく、調子の良し悪しがはっきりと判る力士でもあった。

特に場所後半にかけては軽量故に、スタミナ切れを起こし、大勝ちに繋がらず、尻すぼみに終わる傾向や、2場所は保てても3場所は連続で好成績を挙げられなかったことが致命的であった。
優勝経験2回という立派な実績を残しながら、大関昇進は叶えらなかった。

引退後に琴錦本人は「現役時代は本気で大関を目指してはいなかった」「自分は関脇のままでも良いと思っていた」等と白状したり、「大関取りのチャンスを生かせなかったことを後悔している」ともコメントしている。

関脇在位は同じ佐渡ヶ嶽部屋の長谷川と並ぶ21場所で、当時史上1位タイの記録だった。
(現在はのちに大関となった琴錦の弟弟子である琴光喜に更新され、史上2位タイ)

当該場所の優勝力士から白星を7回上げたという記録もまた琴錦の実力を物語る事実であり、これは最高位が関脇以下の力士としては最高の記録である。

これらのことから琴錦を『史上最強の関脇』と称することも多い。
事実、上位力士との通算成績を見ても横綱に善戦、大関と互角、関脇に対して大きく勝ち越していることがわかる。

対戦相手 通算成績
千代の富士(横綱) 1勝2敗
北勝海(横綱) 3勝5敗
貴乃花(横綱) 14勝34敗
若乃花(横綱) 16勝25敗
曙(横綱) 11勝30敗
武蔵丸(横綱) 18勝26敗
小錦(大関) 12勝12敗
霧島(大関) 9勝10敗
貴ノ浪(大関) 19勝21敗
栃東(大関) 5勝7敗
寺尾(関脇) 21勝9敗
貴闘力(関脇) 28勝18敗
水戸泉(関脇 13勝6敗

現役引退後の琴錦

2014年1月、中村親方となり同時に尾車部屋に移籍。
しばしば大相撲中継の解説も務めている。

論理的な技術論、心理状態の読みの鋭さに加え、テレビショッピングのような流暢な語り口。
物言いの審議の中、「どうでした?」と聞かれ「わかりません!」ときっぱり言う。
そのとても分かりやすい解説は毒舌の北の富士勝昭からも絶賛されている程である。
また、ベースボール・マガジン社発行の雑誌「相撲」では、本場所展望号でその場所の好取組に対する予想と解説を行うことが恒例となっている。

大相撲中継等にて相撲を解説する琴錦。

2016年1月6日、先代の停年退職により空き名跡となっていた年寄・朝日山を継承・襲名し、合計6株に亘る借株生活に別れを告げた。
準年寄時代の2年間も含め、引退から15年4か月、47歳で初めて年寄名跡を取得したことになる。

また、朝日山の年寄株取得に際して、2016年中には尾車部屋から独立し、2015年初場所限りで閉鎖された朝日山部屋を再興する意向を表明した。
既に独立時に必要な内弟子は入門しており、部屋の土地も千葉県内に取得済みである。
現在内弟子は4人。「土俵がダメでも、次の人生でためになる指導をしていきたい。鎌ケ谷にはプロ野球日本ハムの練習場もある。野球やサッカーなどの練習も取り入れ、刺激にしたい」と話している。

日本相撲協会の中においての役職は、上述の通り長年にわたり借株であったため平年寄の地位に据え置かれていたが、2016年3月に行われた協会の新たな職務分掌では、2階級昇格し委員となった。

2016年2月、OB相撲に登場。場内を沸かせる

琴錦は引退から5年後の既に37歳になっていた2005年7月場所前に当時現役であり自身より10歳も若い西十両8枚目の琴春日と稽古場で申し合いを行い14勝4敗と圧勝したという逸話を持つ。

さすがに引退まもなくまだまだ若い元大関・琴欧州には完敗だったが、現役時代と変わらぬ愛嬌で会場を大いに沸かせた。

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