【ブルース・スプリングスティーン】明日なき暴走!

【ブルース・スプリングスティーン】明日なき暴走!

全世界の音楽ファンのみならず、多くのミュージシャンにも多大な影響を与えているブルース・スプリングスティーン。その出世作にして代表作であるアルバム「明日なき暴走」をご紹介します。


賭けてみないか?俺たちに、そして人生に

1975年8月25日リリース
初の全米トップ10入り(ビルボード誌のアルバム・チャートで3位)を果たしています。

明日なき暴走

「明日なき暴走」は、ブルース・スプリングスティーンの3枚目のアルバムです。
原題を「Born to Run」。邦題の「明日なき暴走」は意訳ではありますが、これほどこのアルバムを語るにピッタリなタイトルはありません。
全曲熱い!情熱の塊です。手抜きや妥協など一切ない名盤中の名盤ですが、実は当時このアルバムがヒットしなかったらレコード会社から契約を切られるだろうという切羽つまった状況だったそうです。
結果的には大ヒットとなったものの、最後のチャンスを活かそうと持てるもの全てをつぎ込んだ結果が、このアルバムの異常なテンションの高さになったのでしょう。

収録曲

捨て曲なしの全8曲。
すべてブルース・スプリングスティーンの作詞・作曲です。

1.涙のサンダーロード - Thunder Road (4:49)
2.凍てついた十番街 - Tenth Avenue Freeze-Out (3:11)
3.夜に叫ぶ - Night (3:01)
4.裏通り - Backstreets (6:31)
5.明日なき暴走 - Born to Run (4:30)
6.彼女でなけりゃ - She's the One (4:30)
7.ミーティング・アクロス・ザ・リバー - Meeting Across the River (3:18)
8.ジャングルランド - Jungleland (9:36)

それでは、順に聞いてみましょう。

涙のサンダーロード

このアルバムは、不朽の名曲「涙のサンダーロード」からはじまります。

勝利するために、負け犬だらけのこの町を出ていくと歌われるこの曲の何とドラマティックなことでしょう。オープニングを飾るにこれほど適した曲はありません。
ここでは、アルバム全体に共通する登場人物と、人生に賭けてみないか?という主張が力強く語られています。

凍てついた十番街

歌詞に出てくるビッグマンとは、アルバムジャケットにも登場しているスプリングスティーンの相棒、サックスプレーヤーのクラレンス・クレモンズのことで、バンドの伝記的な内容となっています。

夜に叫ぶ

会社に遅刻してボスから怒られる。そして9時から5時まで働く。でも、夜になると車をぶっとばして自由になるという内容。これは社会人になりたての頃、反骨精神むき出しの頃に聞いてしまうと単純だけど、いや単純なだけに共感してしまう一曲ですね。

裏通り

壊れてしまった友情が描かれています。最後に何度も繰り返し歌われる「裏通りに身を隠して」のところはいつ聞いても胸がつまります。

明日なき暴走

そしていよいよタイトルチューンです。
メンバー一体となったドドドドというイントロで始まりますが、これが車のアイドリングのようで胸が高鳴ります。
アルバム全体にも言えることですが、特にこの曲のサウンドはウォール・オブ・サウンドと呼ばれる、とても分厚い音の壁になっていて、この場所を飛び出して陽の当たる場所を歩こうという切羽詰まった詩の内容にとてもよく合っています。

彼女でなけりゃ

「She's the One」 ではなく、よくぞ「彼女でなけりゃ 」という邦題を付けてくれました。とてもステキなタイトルですね。
詩の内容もそんな感じで、どんなに彼女がステキかということを延々。聞いてる方が照れてしまうほどですが、この詩をバラードではなく、最高のロックンロールに乗せたところが素晴らしいです。

ミーティング・アクロス・ザ・リバー

何だか危ない仕事に手を出してる男の話ですが、とてもリアルです。ニューヨークの裏の世界とでもいうのでしょうか。。。
栄光を求めてこの場所から出ていく道具として、アルバムの中では車が重要なモチーフになっていますが、ここでの主人公は危険な仕事をするために車を調達してほしいと哀願しています。
しかし、川の向こうには輝く未来があるのでしょうか?

ジャングルランド

アルバムの最後を飾るのは何とも素晴らしいサックスソロが印象的なこの曲です。実はこのサックスソロ、スプリングスティーンが一音一音指示したのだとか!
精神的な戦いを描いたこの曲で深い余韻を残してこのアルバムは幕を閉じます。

ロックの未来を見た!その名はブルース・スプリングスティーン

「ロックの未来を見た!その名はブルース・スプリングスティーン」この言葉は、音楽評論家だったジョン・ランドウが当時ヒットには恵まれていなかったとはいえ、素晴らしいライブを行っていたスプリングスティーンを評したコラムの一部です。
ランドウはスプリングスティーンを励まし、助言を与え、このアルバムではプロデューサーに名を連ねています。
このアルバムには今も色褪せることのないロックの未来が確かにあります。ランドウの言葉が正しかったことを、今では誰もが認めていることでしょう。

関連する投稿


We Are The World 世界を変えたレコーディング

We Are The World 世界を変えたレコーディング

ときは来た!今こそ世界が1つになるとき!!1枚のレコードが世界中の人々の心をつなぎ、食糧、薬品、物資となって飢えた子供たちに届けられ、1枚のレコードが人々の魂を揺り動かし、多くの命を救った。


「We Are the World 」の志士たち。「USA for AFRICA」のUSAは「United States  America 」ではなく「United Support  Artists 」

「We Are the World 」の志士たち。「USA for AFRICA」のUSAは「United States America 」ではなく「United Support Artists 」

ときは来た!今こそ世界が1つになるとき!!1枚のレコードが世界中の人々の心をつなぎ、食糧、薬品、物資となって飢えた子供たちに届けられ、1枚のレコードが人々の魂を揺り動かし、多くの命を救った。


「We are the world」に参加したアーティストたち

「We are the world」に参加したアーティストたち

「バンド・エイド」の成功に触発されて、アフリカの飢餓と貧困層を解消する目的で作られたキャンペーンソングの「We are the world」。この曲に参加したアーティストたちを集めてみました。


ジミヘンからスプリングスティーンまでがカバーした日本ではあまり知られていないボブ・ディランの名曲「見張塔からずっと」の聴き比べ

ジミヘンからスプリングスティーンまでがカバーした日本ではあまり知られていないボブ・ディランの名曲「見張塔からずっと」の聴き比べ

サイケの時代にもグラムの時代にも、AORの時代にもパンクの時代にも、グランジの時代にさえもその第一人者からカバーされ続けるボブ・ディランの名曲「見張塔からずっと」。日本では余り知られていないこの曲は、2004年にイギリスの音楽評論家が「デイリー・テレグラフ」で行った「ベスト・カヴァー・ソングTOP50」で堂々の第1位となっているんです。


多くのアーティストに影響を与えるカリスマロック・ミュージシャン『佐野元春』

多くのアーティストに影響を与えるカリスマロック・ミュージシャン『佐野元春』

1980年のデビューから現在に至るまで活躍を続けるロック・ミュージシャン『佐野元春』。後の邦楽アーティストに多大な影響を与えた彼についてまとめました。


最新の投稿


あの熱狂をもう一度!千葉で「昭和歌謡ショー」開催。20名超の演者が贈る100分間のノンストップ公演

あの熱狂をもう一度!千葉で「昭和歌謡ショー」開催。20名超の演者が贈る100分間のノンストップ公演

NPO法人ひこうき雲が、2026年5月23日に千葉市で「昭和歌謡ショー」を開催します。従来の合唱スタイルとは一線を画し、大音響と光の演出、20名以上の演者による怒涛のダンスとパフォーマンスで昭和の大型音楽番組を完全再現。名曲40曲をノンストップで繋ぐ、中高年世代が心から熱狂できる唯一無二のエンタメ空間です。


昭和100年、未知への挑戦を辿る。国立公文書館で南極・深海・宇宙の特別展イベントが開催

昭和100年、未知への挑戦を辿る。国立公文書館で南極・深海・宇宙の特別展イベントが開催

国立公文書館で「昭和100年記念特別展」が開催中。昭和の日本人が挑んだ南極・深海・宇宙という3つのフロンティアをテーマに、JAXA名誉教授や南極観測隊長ら豪華講師陣によるスペシャルトークセッションや展示解説会が実施されます。歴史的公文書と共に、未知なる領域へ挑んだ先人たちの情熱と軌跡を深掘りする貴重な機会です。


昭和100年記念!邦画5社が垣根を越え集結、新文芸坐で「いま観たい」名作10本を厳選上映

昭和100年記念!邦画5社が垣根を越え集結、新文芸坐で「いま観たい」名作10本を厳選上映

昭和100周年を記念し、東宝・松竹・KADOKAWA・東映・日活の邦画5社がタッグを組んだ特集上映が池袋・新文芸坐で開催。山田洋次監督のトークショーや最新の4Kリマスター技術を語るイベントも実施されます。銀幕のスターが蘇る名作10選とともに、日本映画の黄金期をスクリーンで体感できる貴重な機会です。


『サザエさん』生誕80周年!名作『いじわるばあさん』と共に待望の電子書籍化、昭和の記憶を次世代へ

『サザエさん』生誕80周年!名作『いじわるばあさん』と共に待望の電子書籍化、昭和の記憶を次世代へ

1946年の連載開始から80年。昭和を代表する漫画家・長谷川町子の名作『サザエさん』全68巻と『いじわるばあさん』全6巻が、ついに初の電子書籍化。戦後日本の生活や家族の姿を鮮やかに描いた不朽の名作が、スマホやタブレットでいつでも楽しめるようになります。時代を超えて愛される原作の魅力に迫ります。


エリザベス女王生誕100周年!南青山で「英国王室が愛した名車」展が4月28日開幕、ベントレーを特別展示

エリザベス女王生誕100周年!南青山で「英国王室が愛した名車」展が4月28日開幕、ベントレーを特別展示

南青山の「ヴァルカナイズ・ロンドン」にて、エリザベス2世女王生誕100周年を記念した特別イベント「英国王室が愛した名車」展が2026年4月28日より開催されます。英国王室御用達の「ベントレー」特別車両の展示や、ロイヤルファミリーと名車の絆を紐解く貴重な写真展など、英国文化の神髄を体感できる2週間です。