成瀬昌由   たぶんおそらく、いや間違いなくリアル純情火の玉ボーイ

成瀬昌由 たぶんおそらく、いや間違いなくリアル純情火の玉ボーイ

総合格闘家、プロレスラー、格闘技インストラクター、俳優、トレーナー 、教育者、マルチにこなしているけど、実は真っ直ぐ愚直なナイスガイ


2013年9月24日、
東京・東中野のGRABAKAジムでの記者会見が開かれ
成瀬昌由が10年ぶりに国内総合格闘技の試合に復帰し
菊田早苗と対戦することが発表された
「GRABAKA LIVE! 3(10月27日(日) ディファ有明)」のメインを務める菊田早苗の対戦相手が
成瀬昌由(フリー)に決まった
無差別級5分3Rで争われる
成瀬は90年代のリングス時代、
門番的役割でフリー参戦の菊田と戦う可能性があったといい、
昨年10月のGRABAKA LIVE! 2で
桜木裕司とグローブ無しで戦った菊田に刺激を受け対戦を志願したという
(桜木裕司と対戦した菊田は、顔面パンチとヒザ蹴りを浴び大流血のノックアウト負け)
成瀬は40歳
前田日明氏が主催するリングスで1992年にデビューし
2002年から2006年は新日本プロレスで活動
MMAの試合は
2004年のブラジルのジャングルファイトのトニー・ウィリアムス戦以来、
国内では2003年大晦日のDynamite!!のヤン・”ザ・ジャイアント”・ノルキヤ戦以来となる
成瀬は

「2年前からGRABAKAさんの興行とかで菊田選手に会う度に
(試合を)やりませんか?と声をかけてもらったんですが
去年、桜木選手とやった菊田選手の試合を見て震えました
金ちゃん(金原弘光)も引退して
同世代の選手がどんどん辞めて行く中、
何かまだ残るものがある自分に今回の大会出場のお話を頂いて
だったらと思い
自分の思いをぶつけられるのは菊田選手だと指名しました」

と対戦志願の理由を説明した
菊田は

「今、この業界に残ってる数少ない先輩の1人が成瀬さん
(1997年に)僕もリングスのバトルジェネシスに出させていただいて
リングスは異種格闘技戦とかの匂いが物凄くする団体だったので
戦うことにゾクゾクしています」

と発言
すると成瀬も

「当時、菊田選手がリングスに上がるときに僕も対戦候補に挙がってたので幻のカードといっていいですね
腰の手術とかをしていて戦えなかったんですが、
他流派の選手が来ると門番的に僕とか高阪(剛)が受けて立つことが多かったですね
バトルジェネシスや実験リーグは熱があった大会ですけど
当時の感覚とこのカードが蘇ったと感じています」

と時を超えて菊田と戦えることの喜びを語った
心配なのは成瀬のブランク
練習状況について成瀬は

「今度修斗世界王座の防衛戦をする弘中邦佳選手が所属している水道橋のマスタージャパンさんで
ほぼ毎日練習しています
もう40だから大変ですよ
でも昔のアーカイブを探りながらやってる感じで充実した毎日を過ごしています」

と話した
さらに

「人生の節目節目で前田さんに何でも報告するのですが、
今回の試合についても最初は
『お前な、格闘技なめんな
何年格闘技やってないんや?』
と猛反対されました
でもその4時間後ぐらいに電話がかかってきて
『やるんだったらこの5つのことやれ』
と菊田早苗対策5か条をいただきました
その中には
コマンドサンボのヴォルク・ハン、ニコライ・ズーエフ、アンドレイ・コピィロフから学んだ日本では伝わらない技もありました
涙が出るくらいうれしかったです」

と明かした
なお菊田は成瀬の対戦志願の経緯を聞き
桜木戦と同じノーグローブマッチを提案したが、
成瀬は

「特殊なルールで
10年近く試合してない俺がやるのは乱暴です
かんたんに判断できるものじゃない
それだけ尊重しないといけないルールだと思います」

と消極的だった

2013年10月17日、
菊田早苗(42)vs成瀬昌由(40)戦が素手ルールとなることが発表された

グローブなしの素手による決闘は、
昨年10月に行われた菊田vs桜木裕司戦で採用
桜木にKO負けした菊田は

「前回、分からない部分がいっぱいあった」

と再挑戦を志願
超過激ルールだけに成瀬はこれまで態度を保留していたが
この日

「伊達や酔狂で戦えるルールじゃないが
困難な道を選んだほうが自分にいい」

と受諾した
素手マッチは初となる成瀬だが
前田日明の猛烈なシゴキに耐えた元リングス戦士

「オランダではサミングされたり
セコンドに足を引っ張られたりした
何より前田さんの下に10年間いてとんでもない経験を積んだ
その経験が生きる」

と逆に鉄拳ファイトは望むところだという

「活路を見いだすのは打撃
でも僕には前田さんからご教授いただいた5か条がある
ここでは明かせないがサブミッションもある」

と笑みすら浮べる
前田イズムを引き継ぐ男に「恐怖」の2文字はない

2013年10月27日、

GRABAKA LIVE! 3
菊田早苗vs成瀬昌由
素手ルール
無差別級
5分3R

試合が始まり
最初のタックルこそ切られた菊田だが
左フックを打ち込み
再度組みついて小外刈りでテイクダウン
そこからマウントポジションへ移る
成瀬はセコンドについたTK高阪剛ばりのシザースでここから脱出
菊田はすぐにフォローして再びマウントポジションを奪い
パンチとヒジを打ち下ろして腕十字
1R2分25秒、成瀬はタップした

成瀬のコメント

「菊田選手、強かったんです
どうしても勝ちたいという気持ちでこのルール選んだんですが
1発1発に菊田君の去年の(桜木戦で敗れた)悔しさがこもってるパンチでした
最後極められてしまったんですが
菊田君、このルール受けてくれてありがとう」
「前田(日明)さんのおっしゃる通り、甘くないぞと痛感する結果ですね
悔しいです
向こうは去年素手を経験してる分、腹が据わってたような感じがしましたね
最初フック1発もらった時、素手だ、と改めて思ったんで
10年間ファンに対して嘘をつき続けてきた僕の贖罪ですよね
どうせやるんなら生半可な試合で復帰したって僕を応援してくれた人は許してくれないと思ってたんで
思いっきりアクセル踏みきってやりました
負けたのは悔しいですけど
このルールやって良かったです
やんないとわかんないことがたくさんありますね」

菊田のコメント


「やっぱりパンチ効きますね
1Rで勝ったんですけど、焦っちゃうんですよね
パンチをもらうといつでも(肌が)切れる感じがするんですよ
それがあるんで早く極めないとヤバいなって感じでしたね
グローブの方がパンチ力はあるんですけど
素手のほうが1発の折るとか、切るとか、決定的なダメージがあるんですよね
去年はナメてましたね
今回、鼻とこめかみだけは気をつけて行ったんですけど
効きますね
あと、まさかマウント返されるとは思わなくて
長年(練習)やってるメンバーにもなかなか返されないんで
あそこで魂を感じて気が引き締まりました
最後の腕十字もパキパキ鳴ってるんで
完全に極めなきゃ参ったしないんじゃないか?
スタンドに戻ったらどうなるかわかんないってのがあったんで
凄い緊張感がありました
しばらくリング離れてた人がこのルールって絶対できないですから
成瀬さんの根性に敬意を表したいです」

2014年3月7日、

「PANCRASE 257(3月30日(日) 横浜文化体育館)」で、
近藤有己(パンクラスism)が元リングス・ジャパンの成瀬昌由(フリー)と無差別級2Rで戦うことが決まった
40歳の成瀬は昨年10月のGRABAKA LIVE!の菊田早苗戦で約9年ぶりに復帰して以来の試合
近藤は

「パンクラスで船木さん、鈴木さん、高橋さんに育てられた人間としての意地を見せたい」

と話した

2014年3月30日、

近藤有己vs成瀬昌由(フリー)
無差別級 5分2R

1R、
アキレスをとる近藤に
成瀬のクロスヒールホールドが極まりボキボキ鳴るも
ゴングが鳴り近藤は救われ
試合は最終的に判定(2-0 (19-19、20-19、20-19))で近藤が勝った


近藤のコメント

「本当に強かった
1R極められそうになった
音も鳴った
鈴木さんから久しぶりにダメ出しされた(笑)」

以下は
この試合を戦う前の成瀬昌由選手のコメントです

「今回の「近藤戦」は、本当に色々な偶然が重なって生まれた試合でした
・自分が去年のGRABAKA大会で、試合をしていたコト
・先月のパンクラス大会での、近藤選手のノーダメージ勝利
・今回の横浜文体で、パンクラスがリング形式で行う最後の大会
・前田さんがわざわざパンクラスの酒井代表とお会いされ話をされたコト
などなど
これらの要素が一つでも欠けていたら、決まる事はなかったと思います
しかも、そもそも去年のGRABAKAでの試合が実質的に自分の人生で最後の試合になるだろうと、心の中で決意しての出場でした
そして、長く長く応援してくれていたファンの方々を裏切り続けていたコトへの贖罪の意味と、必勝を期っしてのノーグローブマッチでしたが、
勝利を収めるコトが出来ず、自分の中でも結果を出せないまま、このまま終わっていくのかと、現実を否が応でも受け入れつつの2014年の幕開けでした
そんな中で舞い込んできたパンクラスからのオファー
しかも相手は近藤有己選手
その名前を聞いた瞬間、自分は一瞬で燃えるコトが出来ました
自分が高校生の時に、新生UWFの試合をみて前田さんに憧れ、
UWFに入門するコトを夢み、
高3でまさかの「万歳からのUWF解散」
就職先を決めないまま高校を卒業し
運送工事会社でバイトをしながらも運よくリングスの旗揚げを知り
入門テストを受けて不合格からの押し掛け補欠入門
同期の山本と、リングス一期生としてデビュー出来たのが、21年前の19歳の時でした
その後紆余曲折があり、現在に至るのだが、
その自分とほぼ同じ時代を選手として生き、パンクラス王者まで登りつめ、
今でもウェルター級のランカーとして活躍する近藤選手とまさか闘う日が来るとは思ってもいなかったが、
「試合すなわち人生ラストマッチ」と腹を括っている自分としては、
その相手が同じ”U”の系譜を受ける近藤選手なら、この運命にこれ上ない闘志が沸いてきます
当日は勿論近藤選手ホームの大会。
思いっきりアゥエイですが、リングス出身の肝っ玉をご覧に入れて、文体を大爆発させたいと狙っています!!
皆さん改めて、ご声援を宜しくお願い致します」

(成瀬昌由の自由人ブログ(http://mnaru.livedoor.biz/)より)

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