貴方も知っているはず!作詞家・放送作家の保富康午

貴方も知っているはず!作詞家・放送作家の保富康午

50年前からメディアで活躍していらした保富康午先生。あなたもきっと先生の作品に触れているはず!50代のお若さで亡くなってしまわれましたが作品は今でもミドルエイジャーの心にきっと残っているはず!保富先生の思い出を語ります。


誰でも知ってる「大きな古時計」の…

平井堅さんが2002年にリリースした「大きな古時計」。記憶に新しい方も多いでしょう。
もともと、平井さんがライブで歌っていたのですが、NHKの番組でそれを公表して、実際に歌ったのが評判をよび、「みんなのうた」でも平井さん版が流れるようになりました。

この「大きな古時計」の訳詩をしたのが「保富康午」さんです。

保富 康午(ほとみ こうご、1930年3月2日 - 1984年9月19日)は、日本の作詞家。和歌山県西牟婁郡すさみ町出身。
同志社大学卒業後、詩人である村野四郎に弟子入りしていたが、知人からミュージカルの台本依頼をされたことを機にテレビの仕事に携わるようになる。
構成作家として『サンデーサン』、フジテレビ『ミュージックフェア』などの歌番組を始め、演歌歌手達のショーの舞台も数多く担当。子供のための歌も多く執筆、外国の童謡の訳も手がける。『大きな古時計』などの訳は一般におなじみとなっている。
TVアニメ関係では、『ドカベン』『おれは鉄兵』『一球さん』『宇宙海賊キャプテンハーロック』『科学忍者隊ガッチャマンII』『タイガーマスク二世』などに代表されるような有名な作品の作詞を数多く手がけている。また、モータースポーツに造詣が深く、スーパーカーブームの際東映動画で『アローエンブレム・グランプリの鷹』が制作された際には、主題歌の作詞のみならず、原案と監修を担当している。アニメソングはフジテレビ系列で放送された作品が大半を占めていた。
1984年9月19日、54歳の若さで死去。

保富康午

筑波嶺夜想曲

「康午」という名前は「庚午(かのえうま)」の年にお生まれだからだと推測されます。「庚」は常用漢字にないので同音の「康」の字を当てられたのでしょう(ただし「庚」は人名漢字に入っています。画数の関係なのかもしれませんが詳細は不明です)。

保富康午の作品◆キッズソング

「大きな古時計」だけではなく、保富先生はこどものうたも数多く作られています。

ミュージックフェア・日本歌謡大賞・FNS歌謡祭テーマソング作詞

キッズソングだけではありません。
保富先生はテレビ番組の構成も手がけられていました。
テーマ曲の作詞をされたものもあります。

・ミュージックフェア
・FNS歌謡祭テーマ曲「花咲く歌声」(構成も)
・日本歌謡大賞テーマ曲「日本歌謡大賞讃歌」(構成も)

ここでは「ミュージックフェア」テーマ曲をご紹介します。

MUSIC FAIR テーマ曲 - YouTube

「ちびっこのどじまん」

保富先生は約50年前に放送されたフジテレビの「ちびっこのどじまん」の構成もされています。
オープニングのスタッフロールの中に保富先生のお名前が見えます。

日清ちびっこのどじまん

「ちびっこのどじまん」からは野口五郎さん、天童よしみさん、アニメソングの堀江美都子さん、かおりくみこさん、嶋崎由理さんも輩出しているんですよ。
当時日本で一番応募の多い視聴者参加番組でした。

保富先生が「堀江美都子うたのあゆみ1」に寄せたコメントによると
当時は子どもが大人の歌を歌うなどと非常識という風潮だったそうですが、番組最高視聴率は39.7%(1966年8月26日放送・ビデオリサーチ・関東地区調べ)なので人気番組だったということがわかりますよね。

アニメソング・ヒーローソングの作詞

1974年頃から保富先生はアニメやヒーロー番組のテーマソングや挿入歌の作詞をされています。
ミドルエッジの読者の皆さんにも懐かしい曲があると思いますよ♪

この曲を歌う堀江美都子さんは1973年の「山ねずみロッキーチャック」のあとワイドショーのアシスタントをしていて、アニソンのお仕事はブランクがあったのですが、それを感じさせないパワフルな歌唱ですよね。
堀江さんは保富先生とはちびっこのどじまんのころからのお知り合いですが彼女のよさが充分でている歌詞になっています。

この作品は半年前、春休み東映まんがまつりで上映された「宇宙円盤大戦争」がパイロット版だと言われています。「宇宙円盤大戦争」のOP曲は「グレンダイザー」ではED曲になりました。
双方とも作詞は保富先生です。ここではその曲をご紹介しました。

他にも「ラ・セーヌの星」「ドカベン」「大空魔竜ガイキング」「キャプテンハーロック」と有名どころの作品が多いですが、保富先生といえば筆者のオススメは「アローエンブレム グランプリの鷹」です。

保富先生は前年の1976年に同じ東映動画の「マシンハヤブサ」も作詞されていますが、ハヤブサは望月三起也先生の原作です。
もともと保富先生は車がお好きなのですが、この「グランプリの鷹」は原作と監修も務められています。

歌謡曲、そして「おふくろさん」問題…

保富先生は歌謡曲の作詞もされています。

代表的なものに森進一さんの「うさぎ」をお聴きください。

お母さんをテーマにした歌詞、そして作曲は猪俣公章先生、というとなんとなく森さんの名曲「おふくろさん」を彷彿としますが、「おふくろさん」騒動は記憶に新しいですよね。

この冒頭のつけたし部分が原歌詞の川内康範先生の逆鱗に触れ、以来森さんと川内先生は絶縁状態になりましたが、実はこのつけたしの歌詞は保富先生が書かれたのです。
事務所サイドのみで話がすすみ、川内先生に伝わっていなかったことが元凶です。
このとき、すでに保富先生は亡くなっていたので森さんは攻撃の矢面にたったことになります。

最近になってやっと解禁になったようですね。

人間のうた、心のうた

1979年に徳間書店から発行された「アニメソングヒット全集」には、保富先生の「やさしい作詞家入門」が掲載されています。

※筆者の私物です

「アニメ・ソング・ヒット全集」徳間書店 1979年

ここに先生は
“アニメソングは「人間のうた」であるべきた。きみたちがいくつになっても「心の支え」にゆるような、そんな詩を書くこと…それはぼく自身にとってもとてもすばらしいことなのだ!”
と冒頭に書かれています。

保富先生の作品はまさに「人間のうた」なのですね!

最後に、筆者の好きな保富先生の作品をご紹介してこの記事を締めたいと思います。
実は、「星空のガイキング」が一番すきなのですが、それは拙文「名前は知らなくても曲は絶対一度は耳にしてる「菊池俊輔」の音楽!」の文末でご紹介してしまいましたので…

名前は知らなくても曲は絶対一度は耳にしてる「菊池俊輔」の音楽! (page 3) - Middle Edge(ミドルエッジ)

1979年「バトルフィーバーJ」の挿入歌「バトルフィーバー讃歌」をお聴きください。

バトルフィーバー讃歌 ‐ ニコニコ動画:GINZA

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