90年代のゲーム業界において、『Dの食卓』や『エネミー・ゼロ』などの革新的な作品を世に送り出し、その強烈な個性と独創的なアイデアで一世を風靡した伝説のゲームクリエイター、飯野賢治氏。2013年に42歳の若さで突如この世を去った彼の天才的な閃きとゲームへの情熱が、17年という長い歳月を経て、現代のスマートフォン向け新作タイトルとして奇跡の復活を果たしました。
株式会社フロムイエロートゥオレンジは、飯野賢治氏が2009年に企画・発表した伝説のiPhoneアプリ「one-dot enemies」のコンセプトをベースとした、完全新作の無料ゲームコレクション『ONE-DOT GAMES(ワンドット ゲームズ)』を、2026年5月17日(日)よりApp Store(iPhone向け)にて配信開始いたしました。なお、Android版についても近日中の配信を予定しています。
本作は、デジタル画面における最小単位である“1ドット”という極限まで削ぎ落とされたミニマルなテーマを軸に、多彩で奥深い遊びへと発展させたゲームの詰め合わせコレクションです。価格は完全無料で、追加課金なども一切なく、誰でも手軽にその独特な世界観に没入することができます。
背景:累計29万DLを記録した名作と、途絶えた制作のバトン
復活の原点となったのは、2009年3月に飯野賢治氏がSTUDIO-KURAの青木氏とわずか二人で制作・リリースした無料アプリ「one-dot enemies」です。同作は“1ドットの敵を潰す”という、ゲームのエッセンスだけを抽出したかのような極限のシンプルさが話題を呼び、広告や宣伝を一切行わなかったにもかかわらず累計29万ダウンロードを記録。海外の有名ゲーム誌からも「人生で必ずプレイすべき1001のビデオゲーム」に選出されるなど、世界中で高く評価されました。
しかし2013年、飯野氏の早すぎる逝去により、その思想を受け継ぐゲーム制作の系譜は一度途絶えてしまいました。今回、当時ともに「one-dot enemies」を制作したSTUDIO-KURAと再びタッグを組み、飯野氏の残した精神を次世代へつなぐため、多くの関係者の協力を得て17年ぶりの新作として『ONE-DOT GAMES』が誕生しました。
個性豊かなクリエイターや学生が競演する収録タイトル
リリース時点で収録されているのは3タイトルで、今後さらに2タイトルが追加アップデートされる予定です。これらの作品には、飯野氏の志を受け継ぐ若手クリエイターや、かつて彼と苦楽を共にしたゆかりの深いクリエイターたちが参加しています。
■1. ONE-DOT ZERO(立命館大学 学生企画)
スマートフォンを傾けながら、見えない1ドットを操作して画面の黒い面積を削っていくゲーム。削るほど画面が白くなり、自分の操作する1ドットが見えなくなるというジレンマと、進むほどに上昇する難易度がプレイヤーの挑戦欲をかきたてます。
ONE-DOT ZERO
■2. ONE-DOT Blink(元ワープ開発者企画)
プレイヤーが瞬き(まばたき)をするたびにインカメラが反応し、1ドットの敵が増殖していくという斬新なシステム。できるだけ瞬きを我慢しながら敵をタップして撃破する、初代のプレイ感に最も近いスリリングな作品です。
ONE-DOT Blink
■3. ONE-DOT Block Breaker(STUDIO-KURA企画)
迫り来るブロックを避けることに集中すると、1ドットの球を見失ってしまうという、シンプルながらも極限の集中力が試される新感覚のブロック崩しです。
ONE-DOT Block Breaker
さらに、後日アップデートとして、害虫から花を守る「ONE-DOT GARDEN」に加え、『アクアノートの休日』や『太陽のしっぽ』などで知られる親友のゲームクリエイター・飯田和敏氏が企画・監修に参加し、加齢とともに発生する目の症状をモチーフにしたユニークな一作「ONE-DOT Eyes」の追加も決定しています。
ONE-DOT GARDEN
飯野賢治を知らない世代への継承と、これからの展開
本作の制作には、立命館大学映像学部の学生有志(通称ゲームゼミ)が参加しています。これは、飯野氏が生前熱心に取り組もうとしていた「若手クリエイターの育成」という遺志を受け継いだもので、飯野賢治という不世出の天才を直接知らない若い世代の感性が、1ドットという思想を現代風に再解釈して形にしました。
本作のリリースを記念し、2026年5月22日〜24日に京都で開催される日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit PUNCH」への出展も決定。会場では限定のオリジナルグッズが販売されるほか、最終日の5月24日(日)には、飯野作品を彩った名曲たちをテーマにしたスペシャルライブイベント「KENJI ENO 55 Memorial Live」の開催も予定されています。
1ドットという最小の光から広がる、無限のエンターテインメント。かつて飯野賢治氏の作品に熱狂した世代も、まったく新しいミニマルゲームとして触れる若い世代も、時を超えて蘇ったその鋭利なクリエイティビティを、ぜひ自身のスマートフォンで体感してみてください。