山里亮太  初めてのコンビ「侍パンチ」で相方を死神にし「足軽エンペラー」で巨人師匠に怒られ、山崎静代と略奪愛で  「南海キャンディーズ」を結成。

山里亮太 初めてのコンビ「侍パンチ」で相方を死神にし「足軽エンペラー」で巨人師匠に怒られ、山崎静代と略奪愛で 「南海キャンディーズ」を結成。

赤淵メガネ、殺し屋の眼光、鋭いツッコミ、独創的な言葉選び、そして根がクズ。


例えば、病院ネタで
「すみません。
風邪ひいてしまいまして、熱っぽいんです」
(西田富男)
「冷やしたほうがいいなあ。
じゃあ、これ、オデコに貼って」
(山里亮太)
「なんですか?」
(西田富男)
「(常に寒いといわれる)デーブ・スペクターの写真です」
(山里亮太)
そんな山里亮太が書いたネタを、西田富男は、
「面白いね」
「天才だね」
とホメ、、もしウケないと
「客が悪い」
といい、山崎亮太が
「カレーが好き」
というと密かに近くのおいしいカレー屋を調べた。
山里亮太は、どんな無理難題にも笑顔で応えてくれる西田富男に
「信じられないくらいいいヤツ」
と感動。
あまりの心地よさに
「富男君が女だったら結婚するなあ」
というと西田富男はウロたえながら、
「イヤ、俺ダメだよ。
口クサいし」
といいながら、山里亮太のつくったネタを暗記した。
2人で話し合いながらネタをつくり、あえて台本のセリフを空欄にするコンビもあったが、西田富男は、アドリブは許されず、セリフを覚えられないと怒鳴られ、罵られた。
その他にもバイトを休まされたり、彼女とデートに予定を入れられたり、女性ファン獲得のため外見について細かく指示されたり、先輩芸人や吉本社員との関係づくりのために飲み会へ参加させられたりして、舞台でウケないと、
「なんでウケないんだ」
「他のヤツの漫才をみて笑ってる場合じゃないだろう」
と怒られた。

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一方、山里亮太もウケなかったときは
「あそこ、早めに入っちゃった!」
とひとり反省し、劣等感に苛まれながら、ミスしたところを帰り道に練習。
大学3年生の3月、
「笑いの勉強」
と称して合コンをしながら遊びまくり、就職活動をしている同級生に
「いいなあ、お前はやりたいことがあって」
といわれながら、NSCの卒業公演に向けて必死に練習。
600人いた同期は100人以下になっており、生き残ったピン、コンビ、トリオ、約50組で、有料チケットを買った客の前で卒業公演を行うことになっていた。
ネタ時間は講師によって、1分、3分、5分に分けられ、それぞれ1分組、3分組、5分組と呼ばれ、5分組は5組だけ。
結成1ヵ月の足軽エンペラーは、5分組に入り、西田富男は、
「山ちゃん、さすがだよ。
山ちゃんのネタがよかったから」
山里亮太も、
「俺らならいけるな」
といって喜び合った。
しかし卒業公演当日、通常は先輩が務めるMCをキングコングが担当し、目の前で完璧に仕切られた山里亮太は強烈に嫉妬した。
「血のションベン出そうだったもん、悔しくて」

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キングコングは同年8月にフジテレビの新人芸人発掘番組「新しい波8」に出演。
これが評価されて「はねるのトびら」のレギュラーに大抜擢されるなどスター街道を進んでいった。
一方、足軽エンペラーの基本的な仕事は、1日3000円の給料で行うNSCのアシスタント。
そのときNSCの制限年齢である25歳を明らかにオーバーしているのに25歳といい張り、自己紹介でハイクオリティなモノマネとしゃべりを行い、、
「将来、タモリさんとからみたい」
と大口を叩く女性と遭遇。
それが友近だった。

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足軽エンペラーは、NSCのアシスタントをしながら、なんばグランド花月の向かいのビルの地下1階にある劇場「baseよしもと」のステージに立った。
baseよしもとは、

「プレステージ組」
「ガブンチョライブ組」
「タレントプロデュース組」
「イチオシ組」

の4段階で昇格していくシステム。
「プレステージ」は、素人も参加できるオーディションで、月3回、土曜日に行われ、それぞれ50組が出演。
出演は、実力順ではなく先着順で決まるので前日から並ぶ必要があった。
山里亮太は、その列の中で酒盛りをする4人を発見し、
「関わりたくない」
と思った。
それが笑い飯と千鳥だった。

「プレステージ」のエントリーが終わると2000円を払って500円のチケット4枚もらう。
これは売ってもよいが、売れなければ紙切れになった。
エントリーした50組は、鐘を鳴らされて舞台に出て、ネタを行い、審査員によって合格、不合格を決められる。
毎週5組が合格し、計15組が4週目の土曜日に行われる「プレステージ決勝」へ進出。
決勝は、客の投票で決まるため、山里亮太は、チケットぴあで買えるだけ買って、北斗寮で配った。
西田富男は、アルバイト先でホステスにチケットを渡したので、劇場は大量のホステスと香水の香りに包まれた。
楽屋で
「今日の客なんかおかしい」
といわれ、冷や汗をかきながら
「そうですね」
と相槌を打ちつつ、ステージへ。
しかし男性客と同伴で来ていたホステスが投票をせずに途中で店に出勤。
足軽エンペラーは勝てなかった。


「プレステージ組」
「ガブンチョライブ組」
「タレントプロデュース組」
「イチオシ組」

と勝ちあがっていくのは非常に困難だった。


まず「プレステージ決勝」で上位3組に入ると上位グループである「ガブンチョライブ組」10組との入れ替え戦、「ガブンチョWAR」が行われ、「ガブンチョWAR」の上位10組は「ガブンチョ組」となり、下位3組は「プレステージ組」に降格。

「ガブンチョ組」になると、毎週、baseよしもと行われているフットボールアワー、ブラックマヨネーズ、キングコングらが出演している、チケット代2000円の「ガブンチョライブ」に出演。

ここで結果を残せば入れ替え戦のない「タレントプロデュース組」に昇格し、単独ライブが行えるようになる。

さらに上位の「イチオシ組」になれば、吉本興業が優先的にテレビ等に売り込むことを約束。
もしそうなればプロの芸人と認められるのはもちろん、明日のスターとしての道も開ける。

しかし足軽エンペラーは、「ガブンチョWAR」止まり。
何度も「ガブンチョWAR」に挑戦したが、1度も勝つことはできなかった。

そんな月1~3回舞台に上がり、450~1350円のギャラをもらっていた足軽エンペラーにチャンスが訪れる。
毎週火曜日21時から全国区で放送されていた人気バラエティー番組「ガチンコ!」への出演オファーが舞い込んだのである。
メインMCは、ジャニーズ事務所の人気グループ、TOKIO。
街の不良が元世界チャンピオンの指導の下、プロボクサーを目指したり、がけっぷちのラーメン屋の店主が有名ラーメン店に弟子入りして再起を目指すなど、愛と感動、スパルタと暴力が入り混じった人気番組。
そんな番組の中で吉本興業の大先輩、オール巨人を講師に、名もなき若手芸人が日本一の漫才師を目指す「ガチンコ!漫才道」という企画が始まったのである。
山崎亮太は、プレステージに出るために訪れたbaseよしもとの楽屋で
「TBSガチンコ漫才道出場者オーディション」
という張り紙を発見。
そのときは舞台で頭がいっぱいだったので
「あのヤンキー番組か」
と思っただけだったが、ステージを終えて改めて張り紙をみると、西田富男に
「オーディション出るから」
といった。

オーディションの日取りが吉本興業から電話で伝えられると山里亮太はテンションを上げて、録り貯めた「ガチンコ」のビデオで研究。
西田富男に
「お笑いをナメた芸人になって」
と指示し、オーディションの返答例を書いた紙を渡した。
『どうぞ、お座りください』
「・・・・・・(大股で不愛想に足を開いて座る)」
『コンビ名は?』
「足軽エンペラーっす」
『あなたにとってお笑いとは?』
「しゃっべているだけで金がもらえるもの」
『相方のことをどう思いますか?』
「真面目過ぎ。
お笑いなんて一生懸命やったら笑えない」
という台本をつくってネタ合わせするように練習し、
「全体的に巻き舌な感じで」
「もっとダルそうにしゃべって」
「もっと元暴走族感を出して」
「どうする?
ガムかみながら行く?」
と指導。
オーディション当日、テレビ局のスタッフが5人ほどいる部屋に1組ずつ呼ばれると、まず
「足軽エンペラーです。
警察になりたくないというネタです。
よろしくお願いします」
といった後、3分ほどネタ見せをし、その後、面接となった。
『お座りください』
といわれると、西田富男はダルそうに足を広げて座り、口の中に入っていないガムをエアーでクチャクチャさせ、すべての答えをぶっきらぼうに行った。
次の日、いつものようにネタ合わせに向かう途中、携帯電話が鳴り、オーディション合格を知ると足軽エンペラーはコンビニにビールを買いに行った。

第1回目の収録で集められた数十組の中には、ブラックマヨネーズ、ナイツ、レギュラー、天津、又吉直樹など後の売れっ子もいた。
まずTOKIOが登場すると山里亮太はミーハー心でテンションアップ。
続いてオール巨人が企画の内容や趣旨を説明。
数回にわたって課題を行い、その度に数組ずつ落とされ、最終的に残った1組は優勝賞品として、10日間の単独ライブと冠番組がもらえるという破格の条件。
そして謳い文句は、
「日本一の漫才師の称号は誰の手に」
それを聞いて山里亮太のテンションはMAX。
「1番になったコンビ以外は漫才の世界から足を洗うように」
というオール巨人から与えられた最初の課題は、
「運」
クジを引いて当りなら次の課題に進める。
周りが一喜一憂していく中、ビビった山里亮太は
「富男君行って」
帰り道、当りを引いた西田富男にジュースをおごり
「もし外れてたら、山ちゃんどうしてた?」
と聞かれると、
「あ?」

またこの日、山崎亮太は収録中、オール巨人に
「お前、なんやその髪。
漫才やるんやったら、その髪いらんやろ。
明日変えてこい」
と注意された。
1週間後、2回目の収録が行われた。
この日の課題は、オール巨人にネタをみてもらうというものだった。
山里亮太は、
「これを使わない手はない」
と髪型を変えずに収録に参加。
するとオール巨人に
「お前、髪型変えるいうたやろ」
と怒られ
(本気で怒ってる…)
とビビりながら
「いや、毛先を遊ばしてきました」
とボケた。
しかしオール巨人は怒ったまま。
オンエアでは自分のボケがカットされ、怒られて一言もしゃべられなかったことになっていた。

3回目の収録の課題は、
「遊園地で一般のお客さんの前でネタ披露」
で、そのデキによって1組が落とされることを聞かされ、2回目の収録は終了。
足軽エンペラーはいつものように大阪に帰ったが、翌日のネタ合わせの風景を撮るためにスタッフが同行。
足軽エンペラーは、決めていた通りにギスギスした感じでネタ合わせをし、
「俺らが面白いと思っているネタをやればいい」
という西田富男に山里亮太は、
「お客様あっての芸人だろ。
俺たちは壁に向かって漫才してるんじゃない!」
というセリフを決めて、自分に酔った。
そして遊園地で収録の日、
「巨人師匠も昔オカッパだったし」
と思いながらも髪型をジェルでオールバックにして臨み、1番自身のあるネタを行い、見事に生き残った。

次の課題は
「お題漫才」
で、与えられた2つのお題で即興で漫才を行うというものだった。
収録当日、山里亮太は、タクシーの中でギックリ腰になった。
現場に着くと他のコンビは、立つのがやっとという山里亮太をみて心配するどころか、ニヤニヤ。
残る5組のうち、1組が落とされるという状況の中、山里亮太は
「傷を負いながらオーディションに臨む姿を撮ってもらおう」
と西田富男の肩を借りて、スタッフの周りをウロウロ。
しかし
「頑張ってください」
といわれただけで、本番がスタート。
足軽エンペラーは
「大統領選」
「DVD」
というお題を何とかやり終え、勝ち残った。

次は
「師匠たちの前でネタ見せ」
という過酷な課題だった。
山里亮太は
「オーソドックスな基本に忠実なネタでいこう」
と多用していた芸能人をディスるボケを捨て、見事、決勝進出。
最終回は、なんばグランド花月で行われると聞いて、もう気分はスターとなり、
「街を歩くと人だかりになる」
「アイドルと付き合う可能性もある」
「もうエロ本立ち読み禁止だな」
「彼女と歩くときは、彼女に数歩後ろを歩かさないと」
と楽しく妄想。
夜の9時のテレビに映る自分に酔いしれながら、合コンで一般女性を邪険に扱った。
そして最後の収録で、足軽エンペラーは見事に優勝し、日本一の漫才師の称号を手に入れた。

この時点で山里亮太は、まだ大学4年生。
「これでテレビ局から引っ張り凧だ」
「友達がいないけど笑っていいとも!の友達紹介はどうしよう」
などと浮かれまくった。
毎週、テレビ出演したおかげで父親に
「安定した仕事に・・」
といわなくなり、元ヤンで長距離トラックの運転手をしている兄には、ガチンコファイトクラブの出演者に会わせろといわれた。
大学に行けば、人だかりができ、写真を求められ、最初は、
「ええ?僕なんか」
といっていたが、
「ツーショット?
それともワンショット?」
と余裕でいえるようになった。

関西大学の同学部同級生に矢井田瞳がいた。
大学入学後、19歳でギターを弾き始め、まだデビューしていなかった矢井田瞳は、山里亮太のことを
「背も高いし、赤メガネかけて、おしゃれで吉本の養成所に行っているっていうのも有名で、すごい人気者でオーラもあって目立っていた」
と少し憧れ目線。
一方、大学4年生になって北斗寮の副寮長になり、NSCでもキングコングに次ぐ存在になり
「吉井和哉さんが着てそうな服着てた」
という山里亮太は、友人から矢井田瞳を紹介されたとき
「自分、音楽やってるんだってね。
どっかで会えたらいいね。
じゃあ」
と上から目線。
そして一緒にご飯に行きたいと誘われたが、その日の寮の昼ご飯がカレーで急いで帰らないとおかわりできない時間だったので
「今日はカレーだから」
とそっけない態度で寮に帰った。
そして足軽エンペラーがガチンコ漫才道で優勝した後、矢井田瞳はセカンドシングル「My Sweet Darlin'」が大ヒット。
山里亮太は、
「あのとき紳士的に挨拶できていたら、♪ダーリン、ダーリンが♪山ちゃん、山ちゃんになったのではないか?」
と後悔すると同時に本物のスターの出現に嫉妬。
矢井田瞳がボディガードをつけていると聞くと、後輩にスーツを着させ、自分を守らせた。
彼らのギャラは牛丼の並盛1杯だったが、後に矢井田瞳はボディガードなどつけていないことがわかり、
「大損した」

合コンでは、以前は自分の隣に席が譲り合われたり、座った女の子が苦虫を潰したような顔をして
「席替えターイム!」
叫んでいたのに、「ガチンコ!漫才道」優勝後は、
「キャーッ本物だー」
とボディタッチ。
自分の隣の席の取り合いになり、何をいってもウケて、フィーバー状態。
「長瀬の番号知ってるんだよね」
と携帯電話の画面をみせ、ますますキャーキャーいわれ、山崎亮太は
「これで一気に売れるんじゃないか!!」
と思った。
しかし「ガチンコ!漫才道」の優勝賞品である「冠番組」は、当初、深夜24時スタートだったものがが、27時スタートになり、さらに全国放送から関東ローカルに変更。
もう1つの賞品、「10日間の単独ライブ」は、初日こそ撮影があったために客がいたが、すぐにいなくなり、ADがサクラになり、足軽エンペラーはスタッフの前で漫才をやり続けた。
「ADさんが疲れて寝てる中で漫才やって、吉本の偉いさんが「ハクつけたるわ」って、中川家さん呼んでくれたの。
すげぇ中川家さんが辛そうにやってたの覚えてる」
そしてbaseよしもとの支配人に
「別にテレビで優勝したからって、お前らのこと認めたわけじゃないから」
といわれ、山里亮太は、
「一生忘れない」
と思いながら、またオーディションを受ける日々を過ごした。

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あるとき山里亮太は、笑い飯と千鳥がインディーズライブ(事務所に関係なく行うライブ)で、
「またそんなしょうもないこというて!
お前は足軽エンペラーか!!」
と足軽エンペラーのことをバカにするネタを行っているという噂を聞いた。
笑い飯と千鳥のネタをみたことがなかったが、自分たちと同じオーディションを受けているレベルの芸人に悪口をいわれ、
「なんてイヤな奴らがいるんだ」
と腹を立てた。

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そして足軽エンペラーは、バッファロー吾郎主催の「爆笑新ネタフレッシュホームラン寄席」に出演。
「ネタは演じる人間が面白いと思うものをやればいい」
という硬派な芸風で芸人のリスペクトを集めるバッファロー吾郎。
そのバッファロー吾郎が面白いと思った芸人を発掘するというイベントが「爆笑新ネタフレッシュホームラン寄」だった。
山里亮太は、バッファロー吾郎のことを
「毛色は違うが尊敬している」
ホームラン寄席のことを
「このイベントに出ると関西では面白い芸人として認められたと胸を張っていえる」
と認識していたが、そこで笑い飯、千鳥と初共演。
自分をバカにしているコンビがドッカンドッカン笑いをとるのをみて
(2組ともメチャメチャ面白い)
とビックリしたが、盛り上がる会場の中で自分だけ笑うことができなかった。
イベント後、ますます距離を置くようになったが、バッファロー吾郎のイベントで再共演。
本番終わりの打ち上げで道路の排水溝に吐くほど大酒を飲み、急速に打ち解けた。
特に意気投合したのが千鳥の大悟で、それまでがウソのように、ほぼ毎日飲む仲に。
baseよしもとでレギュラーになっていた千鳥の出番が終わるのを待って飲みに行き、消費者金融にいって
「大丈夫や、臨時収入があったからな」
という大悟にオゴッてもらった。
このとき
「どうしたらああいうネタができるんですか?」
と質問。
「自分が客席にいたとして、その自分が観て笑うものをやってるだけや」
という答えに何をいったら客は笑うのかばかりを考えていた山里亮太は衝撃を受けた。

足軽エンペラーは、ある番組のオーディションに合格し、「ガチンコ!漫才道」以来、久しぶりにテレビ出演が決定した。
それは関西ローカルだが、大阪の若手芸人にとって憧れのネタ番組だった。
「絶対に失敗したくない」
山里亮太はネタ合わせに熱を入れ、連日、容赦なく西田富男を追い詰めた。
そしてネタ番組前日、いつものネタ合わせに西田富男が遅刻。
携帯電話も通じず、イライラしながら待っていると、20分遅れでやってきた西田富男は、
「ゴメン」
山里亮太は、躊躇なく怒号を響かせ、罵声を連発して畳みかけた。
情け容赦ない説教を
「ドンッ!」
という異音が止めた。
西田富男は壁を殴った拳を握ったまま、山里亮太を睨み
「殺すぞ、コラッ」
怒鳴り散らしていた山里亮太は、急激にトーンダウンし
「ネタ合わせなんだからそんなに怒るなよ」
西田富男の怒りは収まらず、近くにあった自転車を持ち上げ、投げた。
そしてついに
「もう無理や。
解散や」
と禁断の一言。
山里亮太は呆然となり
「じゃあ」
といって去っていく西田富男の背中に声にならない声で、
「待ってくれ・・・」


深い後悔に襲われ、しばらく動けなかった山里亮太は、その場で西田富男に何度も電話。
しかしつながらず、次に考えたのは明日の憧れのネタ番組のことだった。
出演を辞退するために吉本興業に電話しようとしたが、なかなかできない。
立ち尽くしていると西田富男から電話がかかってきた。
「もしもし」
「ごめん。
今まで足引っ張って、ごめん」
「・・・・・」
「山ちゃん、これからもお笑い続けるよな?
続けたほうがいい。
だから前日にテレビ出演をキャンセルするなんて悪い噂がつきまとったらダメだ。
最後の最後まで足を引っ張るのはイヤやから、明日を俺の最後のお笑いの日にするわ。
わがままいってごめん」
山里亮太は泣いていることがバレないように
「ああ」
と答えた。
最後の漫才は、大成功。
収録後の楽屋で
「もう1度やろう」
といおうとしたがいえず、足軽エンペラーは終わった。


山里亮太は、周囲に
「大丈夫、次は決まってるから」
とウソをつきながら、次の相方を模索。
人見知りで自分から声をかけられないので
「かけられればいい」
とピンで「プレステージ」に出て、ご指名を待つ作戦に出た。
最初のオーディションの日、過去最大の緊張をしながら、「イタリア人」という芸名で漫談をして合格。
そして「プレステージ決勝」は1位。
入れ替え戦、「ガブンチョWAR」で敗退。
しかしプレステージでの活躍が認められ、「ガブンチョライブ」の出演権を獲得。
用意していたネタが尽き、急遽、日本人形と漫才。
日本人形をデートに誘い、キスをするネタでスベりまくった。
次にやったタンバリンを叩きながらテーブルマナーを説明するネタも空調の音が聞こえるほど、シーン。
極寒地獄を味わった山里亮太は、
「人見知りなんていってられない!!」
と相方探しに本腰を入れた。
これまでの相方は、男前ばかりだったが、芸人の中で有名な大女に目をつけた。

それが山崎静代。
通称「しずちゃん」
182㎝という高身長と骨太のがっちりした体格を持つ、2歳上の女性だった。
幼い頃からおニャン子クラブや南野陽子などのアイドルに憧れ、中学時代に全日本国民的美少女コンテストやモーニング娘などの数々のオーディションに応募したが書類選考で落ち続けた。
「そのうち『自分、大っきいな』って思うようになって。
中学卒業時には身長が170㎝あって、アイドルはかわいらしくて小さいし、正直そういうタイプの人間じゃないのかなって」
高校では「心斎橋筋2丁目劇場」で雨上がり決死隊とジャリズムの追っかけ。
短大に入ったものの、
「中学高校ではスポーツ(砲丸投やサッカー)に打ち込んで誤魔化せてたけど短大には部活もないし、自分が嫌で人前に出たくなくなって。
昔、廊下で男子に「岩石女」っていわれて、睨み返すことしかできなかったのを思い出してクヨクヨして」
となにもやる気が起きず、就職活動をせずに卒業。
「さすがにヤバい!」
と複数のアルバイトを掛け持ちして、食費を最小限に抑え、半年で30万円を貯め、劇団ひまわりの研究生に。
そして
「フリー演技の授業で無茶振りされたとき、どうやったら笑ってもらえるやろう、笑わせないと意味がないなあって1番に思ったんです。
そこで、あっ、私は笑わせたいのやと。
自分はお笑いなんやと気づけたんですよね」
と気づいた。

山崎静代は、コントのネタを書き始め、
「相方誰かおらんかな」
とNSCを卒業した中学の同級生、前野里美に声をかけた。
こうして1999年に「西中サーキット」を結成し、ひたすらネタを書き、公園で練習。
オーディションを受けて吉本興業に入った。
そのうち誰かにみせたくなり、baseよしもとの「プレステージ」に参加。
「あまりにも落ちて諦めかけたとき、相方が薦めたネタで受かりました。
ウケるとこんなに気持ちいいんやっていうのを体感して、決勝に残るように。
1ステージのギャラが500円。
手取りは450円でしたね」
やがてABCお笑い新人グランプリ審査員特別賞を獲得し、東京の深夜番組のオーディションにも受かり、まさに順風満帆。
だが、予期せぬ事態が。
「深夜番組の最初の収録で相方が『もう辞める。ここまでの人間じゃなかった』って言い出して。
始まったばかりやし、わからんやんって説得を続けたけど、番組終了と共に辞めちゃって」
と2002年、前野里美の引退により解散。
2003年、自他ともに認めるイケメン好きの山崎静代は
「男前すぎて漫才どころではなかった」
「少し好きになりつつあって、ネタ合わせでドキドキして面白いことをいえなくなった」
という二宮伸介と「山崎二宮」を結成。
その後、山里亮太にラブコールを受けた。

西中サーキット時代のファミレスネタ、

「店員呼ぼう」(といって呼び鈴を押す、前野里美)
「たんぽ~ん」(山崎静代)
「ピンポンだろ!」(前野里美)

をみて、
「面白い」
「自分の活かし方を知っている」
と感心した山里亮太は、
「自分の味方になってくれたら、どれだけすごいだろう」
「カネになる大女だ」
と胸を躍らせながら、山崎静代の情報を収集。
そして
「女性は甘いものの前では無力」
とケーキバイキングへ誘い出した。
山崎静代は、眼鏡をかけたマッシュルームヘアーの男に誘われて、
「告白される」
と思い、どう断るか考えていた。
店に入ると山里亮太は、
「目の前で一心不乱にケーキを食べ続ける大女」
にしゃべり続けた。

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山崎静代がマンガ好きで部屋には「AKIRA」や「ドラゴンボール」のグッズが並べられているという情報があったので
「鳥山明先生のマンガを全部持ってる」
とウソをつき、西中サーキットのネタに鈴木雅之がよく出ていたので
「鈴木雅之ってなんかひっかかるよね」
ダウンタウンが好きな山崎静代に、
「ダウンタウンさんに憧れている」
「ダウンタウンさんのあのコント面白いよね」
などと話しかけた。
しかし手応えがないまま時間が過ぎ、山崎静代が
「今の相方と東京に行こうと思ってる」
といったとき、
(ヤバイ)
と思った山里亮太は、東京を知ってるフリして
「東京のディレクターから聞いたんだけど、東京ってバラエティ一切やらないらしいよ」
「もし東京行こうとかいう人がいたら気をつけてね」
と東京の悪口やつくり話をした。
山崎静代は、その最中にケーキのお代わり。

山里亮太は、つくってきた自分と山崎静代の漫才の台本を渡し
「この台本に未来を感じたら、今のコンビを解散して僕とコンビ組んでくれないですか?」
山崎静代はゆっくりした口調で
「わかったぁ」
山里亮太は、そのまま家に帰り、早速メール。
「明日1時に、公園でネタ合わせしましょう」
「はい」
次の日、ネタ合わせ。
略奪愛で南海キャンディーズが誕生した。
最初にやったのは、ファッションショーネタで、

「ではトップモデル、SIZUYO、登場ぉ~」(山里亮太)
「・・・・・(モデル歩き)」(山崎静代)
「SIZUYOぉ~、上から100、100、100」(山里亮太)
「・・・・・・(マサイ族の動き)」(山崎静代)
「それでは最後に一言お願いします」(山里亮太)
「グエッ(タンがからんでしゃべれない)」(山崎静代)

というものだったが、まったくウケなかった。

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銀座100年を巡る物語。又吉直樹、ヒコロヒーら11名が綴る『100.80.60.展』が銀座で開催

Ginza Sony Parkは、銀座100年、ソニー創立80年、ソニービル開業60年を振り返るプログラム『100.80.60.展』を4月24日より開催します。又吉直樹、ヒコロヒー、俵万智ら豪華11名の作家が、1920年代から現代までの銀座を独自の視点で描いた書き下ろしエッセイや詩を立体展示する、歴史の散策体験です。


【カウントダウン】あと2日!古舘伊知郎&友近「昭和100年スーパーソングブックショウ」いよいよ開催迫る!豪華ゲスト集結の東京国際フォーラムは「昭和愛」で熱狂へ!

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開催直前!TOKYO MX開局30周年記念「昭和100年スーパーソングブックショウ」が10月16日に迫る。古舘伊知郎と友近がMC、豪華ゲストと共に贈る一夜限りの昭和ベストヒットに期待高まる!


伝説のレトロゲームに有野課長が果敢に挑む!『ゲームセンターCX DVD-BOX22』が発売決定!初回限定版も要チェック!

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伝説のレトロゲームに有野課長が果敢に挑む、超人気ゲームバラエティ番組「ゲームセンターCX」(CS放送フジテレビONE スポーツ・バラエティで放送中)のDVDシリーズ第22弾、『ゲームセンターCX DVD-BOX22』が発売されます。


自宅でダイナマイトが爆発!?相方・ビートたけしとのコンビ結成の裏側も!『鶴瓶ちゃんとサワコちゃん』にビートきよしが出演!

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全国無料放送のBS12 トゥエルビで現在放送中の、笑福亭鶴瓶と阿川佐和子がMCを務めるトークバラエティ「鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな2人~」第47回放送分(7月28日よる9時00分~)にて、お笑い芸人・ビートきよしがゲスト出演します。


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ビルボードジャパンは、斉藤由貴初となるフルオーケストラコンサートツアーを2026年9月より開催する。名匠・武部聡志プロデュースのもと、彼女のバースデーアニバーサリーを祝う特別なステージを展開。兵庫、東京、神奈川の3都市のプレミアムな音楽ホールを巡り、時代を超えて愛される名曲群を鮮やかに届ける。


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アーティスト・杏里の北米ツアー「ANRI LIVE 2026 U.S.A Timely!!」の最終公演が、2026年5月21日にロスアンゼルスの名門劇場「ザ・ウィルターン」で開催された。チケットは早々にソールドアウト。海外の熱いファン2300名が詰めかけ、日本語の大合唱が巻き起こるなど、感動の一夜となった。


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株式会社宝島社は、亀田製菓のロングセラースナック「ハッピーターン」を祝し、初となる公式アニバーサリーブックを全国発売します。特別付録には、おなじみのパッケージデザインをモチーフにした、チャーム付きのここでしか手に入らないユニークな限定リアルポーチが登場します。


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赤城乳業株式会社は、ガリガリ君45周年とポケモン30周年を記念し、限定パッケージの「大人なガリガリ君もぎたてぶどう(6本入り)」を全国発売します。あわせて、抽選で合計1,000名様に「ポケモン・ガリガリ君冒険グッズ」が当たる特別なタイアップキャンペーンも同時開催いたします。


開園30周年のナンジャタウンが今夏大幅リニューアル!「お祭り」をテーマに新アトラクションが登場

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株式会社バンダイナムコエクスペリエンスは、屋内型テーマパーク「NAMJATOWN」が2026年7月6日に開園30周年を迎えることを記念し、今夏に大幅リニューアルを実施します。ファンへの恩返しとして「お祭り」をテーマに掲げ、複数の新アトラクションを導入します。