猿岩石のヒッチハイク旅 アジア終了!ヨーロッパ突入!!ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア!!!

猿岩石のヒッチハイク旅 アジア終了!ヨーロッパ突入!!ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア!!!

アジアは、香港、中国、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、イラン、トルコ。ヨーロッパは、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、ドイツ、フランス、そしてゴールのイギリスまで。野宿、絶食当たり前。推定移動距離3万5000km。推定到達期間6ヵ月。「香港-ロンドン ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」旅。


イスタンブールは、トルコの西端に位置し、アジアとヨーロッパへの起点となっている最大の商業文化都市。
船に揺られて4時間、18時にイスタンブールに着岸した有吉弘行と森脇和成は、
「サンキュー」
と船長にお礼をいって別れ、野宿ポイントを探し、海沿いの公園で野宿。
翌日、124日目の朝、待ちに待った救援物資を受取りに行った。
さかのぼること6日前、トルコの首都、アンカラに到着した2人は、ブルガリアのビザをとるためにブルガリア大使館を訪ねたが、、
『1人、550万トルコリラ(7300円)です』
といわれ、無一文だったために撤退し、
「50万!
どんな額だよ!」
(森脇)
「とんでもないよ」
(有吉)
と驚いた。

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日本の松本明子は、2人に救援物資を送るために奔走。
狙ったのは「ウェーブハンド」というスポンジ製の大きな手。
いわゆる応援グッズだが、木村拓哉が
「これ、コンサートに持ってきて」
といったものの、後ろの人の迷惑になることがわかると発言撤回。
使用禁止になった「ウェーブハンド」は、5万個のキャンセルが出た。
その情報をキャッチした松本明子は、
「タダでもらえるかもしれない」
と東京都中央区日本橋の(株)丸惣を訪ねた。
2500万円ともいわれる損害を被った社長は、
「150?
いいですよ」
と快諾。
松本明子は、150枚(定価1380円×150枚=207,000円相当)を無料でもらい、救援物資を確保。
番組収録中に猿岩石と電話でつながると
「救援物資送っといたから・・・
どこに送ったらいいかわかんなかったんで、一応、トルコのイスタンブールに送ったから・・」
それを聞いた有吉弘行は、
「やったー」
と蚊の鳴くような声でいい、壁に顔をうずめた。

そしてアンカラ から直線距離で350km離れたイスタンブール に到着した2人は、
「デッケェ!」
と驚きながら救援物資の入った箱を受け取り、3日間、街頭でウェーブハンドを販売。
150枚を売り切ったが、ビザ代には少し足りない。
するとお客さんが、レストランのアルバイトを紹介してくれた。
制服に着替え、最初の仕事は、開店前の店内の掃除で、有吉は窓拭き、森脇はモップがけを担当。
夜、店が始まると、最初は食器の後かたづけを行い、慣れてくると料理を運んだりする仕事もさせてもらえるようになった。
「日本人?」
客に聞かれ
「ハイ」
と答えると胸ポケットにチップを入れてもらった。
「いくらだよ?」
(森脇)
「ヤッター」
(有吉)
バックヤードで中身を確認して歓喜。
まかないつきで美味しいご飯をタダで食べさせてもらった上、チップでジュースを買った。
救援物資を売ったお金とアルバイト代を合わせて1,500万トルコリラ(21500円)となった。

128日目、イスタンブール滞在4日目、8月18日、ブルガリア大使館に行き、1100トルコリラ(14600円)を支払い、1時間後、見事、ビザ取得。
早速、
「BULGARISTAN」
と書いた紙を掲げてヒッチハイク開始。
成功すればアジア最後のヒッチハイクとなるが大苦戦。
3時間後にやっと1台の小型トラックをGET。
トラックは4時間走って国境に到着。
車を停めた運転手は、荷台の2人にいった。
「TURKEY is Finish.
(トルコはここで終わりだよ)」
トルコ人の運転手にとっては母国の端。
そして2人にとってはアジアとヨーロッパの境目。
「サンキュー」
運転手と両手で握手をしながら頭を下げた。
そして国境ゲートへ向かい、手続きを終えた後、歩いてヨーロッパ大陸に突入した。

ブルガリアといえばヨーグルト。
(そして大相撲の琴欧州!)
ブルガリアの気候、風土がヨーグルト菌に適して自然とできたという。
牛乳からつくられるのが一般的だが、羊乳や両方を混ぜてつくられるヨーグルトもあり、そのまま食べたり、ドレッシングとしてサラダにかけたり、野菜やナッツを入れた冷製スープ「タラトル」やパイ生地にチーズや野菜と一緒に入れて焼く「パニツァ」にしたり、食べ方は多種多様。
毎日、ヨーグルトを食べ、年間消費量30kg(日本人は5、6kg)というブルガリアは長寿が多い。
国土面積は、日本の1/3(11.1㎞²)
北はルーマニアとの国境をなすドナウ川、南はギリシャとトルコ、、東部は黒海、西はセルビアとマケドニア。
首都は、ソフィア。

128日目、12ヵ国目、ブルガリア入国。
旅はついにヨーロッパに突入。
「来たね!」
2人は喜んだが、夢だったヨーロッパは、暑くて苦しかったアジアよりも、ある意味、厳しかった。
まずヒッチハイクをしても車がまったく停まってくれない。
結局、この日は車が捕まらず、2人は、人の冷たさを感じながら、ベンチでヨーロッパ初野宿。
すると次に空気の冷たさが襲ってきた。
「寒いなあ。
今日1日メシも食ってねえし、明日も食えねえし、ピンチだな」
(森脇)
しかし翌日、1台の乗用車のヒッチハイクに成功。
国境から6時間、400㎞走って、一気に首都、ソフィアへ。
「ありがとうございました」
(森脇)
「サンキューベリマッチ」
(有吉)
頭を下げながら運転手と握手した後、国立劇場の入り口で野宿。
朝起きると気温は15℃。
「寒ぅーっ!」
森脇がベンチの上で凍えていると、片手にパンツを持った有吉が戻ってきた。
「ヨーロッパはノグソポイントがないよぉ。
漏らしちゃった」
「靴下は?」
「靴下で拭いた」
そして次なる国、ルーマニアのビザを申請するためにルーマニア大使館へ。
料金は2人で3000レバ(1500円)
所持金は2800レバ。
「またか・・・」
と思ったが、大使館員が200レバまけてくれた。

「サービスしてもらっちゃった」
得した2人は、早速、
「ROMANIA」
と書いた紙を掲げ、ルーマニアとの国境を目指してヒッチハイクを開始。
しかし4時間たっても車が停まってくれない。
「停まんないなあ」
(有吉)
「パキスタンとかの方が楽だよ」
(森脇)
これまでのアジアの国々は、アジアは暑くて苦しかった。
整備が整っていない危ない道や、露骨に金をせびられることもあったが、食事をオゴってくれたり、泊めてくれたり、服を買ってもらったり、優しい人も多かった。
それに比べヨーロッパは気温と共に人の冷たさを感じた。
7時間たっても車が捕まらないために場所を移動し、再びヒッチハイクしていると1人の男性が声をかけてきた。
『国境まではバスで行ったほうがいいよ』
しかし有料交通機関の利用はルール違反。
「ノー。
オンリー・ヒッチハイク」
事情を理解した男性は、知り合いのバス会社の人に頼んでくれるという。
2人は近くのバスターミナルに案内され、バス会社の人を紹介された。
バス会社の人は、親切にも空席がないか調べるために事務所へ消えた。
待つこと30分。
バス会社の人が帰ってきて
『国境へ行くバスは、あいにく今日は満席でした。
でも明日、17時にもう1度来てください』
「サンキューベリマッチ」
「やった」

2人は、国立劇場に戻り、所持金ゼロのため、空腹のまま野宿。
翌日、食べるものもすることもなく公園に座ってただボーっと過ごし、16時半になると
「行くか」
「行こうか」
と立ち上がった。
「あの人、いないのかなあ」
(有吉)
「あっ、手あげてる!」
(森脇)
バスターミナルに行くとバス会社の人が待っていて手を挙げてくれた。
喜んで近づいていくとフライドポテトを持っていた。
「いいもん食ってる。
めちゃくちゃうまそうだ」
『食べますか?』
「いいの?!」
速攻で手を伸ばし、目を閉じながら食べた。
「やった」
「ウメぇ」
ポテトで喜んだものの、この日も国境行きのバスは満席。

しかしバス会社の人は、その50km手前のビヤーラまで行くバスの席を確保してくれていた。
こうしてバスのヒッチハイクに初成功。
タダでテレビ付き、クーラー付きのデラックスで豪華な長距離バスに乗りこみ、バス会社の人にタダでコーラまでもらって2人は大興奮。
ところが瓶に入ったコーラは栓が開いていなかった。
「どうやって開けるんだろ」
森脇がいうと、有吉は瓶をくわえて歯で開けた。
「お前、スゲェーなあ」
「ノドが渇いてれば何でもできる」
「ゴメン、俺のもやって」
こちらも難なくオープン。
おかしくて笑いの止まらない有吉に森脇は、
「静かに、シィーッ!」
と注意。
旅が始まって以来の最高の乗り物は、5時間走って、ソフィアから東北東に250km、ビヤーラに到着した。

131日目、8月21日、バスを降りて、ビヤーラに到着した2人は、近くの公園で野宿。
翌朝、森脇が
「PYCE」
と掲げてヒッチハイク開始。
目指すは国境の町、ルセ。
そして無一文で腹ペコだったので、
「Someting Job?
(なにか仕事をください)」
と書いた紙を有吉が掲げた。
なかなか車は停まってくれず、4時間後、やっと1台の乗用車が自分たちを取りすぎた後、ゆっくり路肩に停車。
それを首を回して目で追っていた2人は猛ダッシュ。
「ノー・マネー、OK」
助手席の女性に
『OK』
といわれると
「ちょっと・・・」
といってダッシュで荷物を取りにいった。

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