西川のりお   コテコテの大阪弁と捨て身の暴走で全国区へ殴り込み

西川のりお コテコテの大阪弁と捨て身の暴走で全国区へ殴り込み

高校でお笑いの世界に入り、パワフルに空回りしながら下積み時代を過ごし、ヤングOh!Oh!、漫才ブーム、じゃりン子チエ、俺たちひょうきん族で一気に全国のお茶の間に。関西独特のイケイケドンドンの暴走ぶりをみせつけた。


1982年、「オレたちひょうきん族」が始まった翌年、西川のりおは、大阪で深夜生放送ラジオを開始。
MBSヤングタウン、通称「ヤンタン」は、曜日別でパーソナリティが替わり、

月 明石家さんま
火 嘉門達夫、河合奈保子
水 原田伸郎
木 島田紳助
金 谷村新司とばんばひろふみ
土 鶴瓶

そして日曜日、通称「ヤン日」は、西川のりおだった。
土曜の夜にテレビで全裸になったり、白いメイクでオバQ になった男が、日曜日の夜にはラジオから語りかけるのである。
「西川のりおのヤングタウン」
とコールした後、約2時間、とにかく弾け、話し続けた。
フリートークでは、阪神タイガースの川藤幸三が「CAMUSのXO(カミューのエックスオー]」という酒を
「カマスのペケマル」
と読む話や
「石原裕次郎は53歳で亡くなりはったけど、阪神53敗目やないか。
どないなっとるねん」
徹子の部屋に出たときの話や吉本の芸人やマネージャーの悪口をガンガンしゃべった結果、花月の楽屋で着替えられなくなった話など、
「ここだけ」
と称して番組や業界の裏を暴露。
抜群の歌唱力で13歳で「オーディション荒らしの千絵ちゃん」といわれた大阪出身のアイドル歌手、小林千絵は、ヤンタンでの西川のりおとのボケ、ツッコミが好評となり
「おじさんの気持ちも知らないで~哀愁のシイタケ族」
というシングルCDでデュエット。
地元大阪での仕事が増え、大阪弁丸出しのトークでバラドルとして活躍するようになった。

コーナー企画としては自分の弟子とトミーズ健を漫談対決させたりもしたが、人気があったのは
「のりおの人生大船任せなさい」
というテレフォン人生相談コーナー。
恋愛、学校、仕事、家庭、友人などいろいろな悩みを持つ相談者に
「イジメはアカン」
「親には相談したか?」
「仕返し怖いやろうけど、先生にきちんと伝えろ」
「ちゃんといわなアカン」
などと決してボケることなく親身になって答え、
「しょせん人生は自己満足や。
誰かになんかいわれてね、自分ではちょっと違うなと思っても『ああ、そうですねえ』といわなアカンときもある。
そやけど基本的に自分がこうだと思ったときは、いいたいこといって大いに自己満足して生きなアカン。
芸人として売れる売れへんゆうためだけやなしに、エラそうにするいうんやなしに、自分のためにね。
人を笑わせるのが仕事をしていて『面白かった』といわれることは大切なことであると思っているけど自分が満足せんとアカン」
などと熱く語った。
難解なことを嫌う西川のりおの言葉や話は、基本的にシンプル、そしてパワフル。
落ち込み、悩める相談者やリスナーをスカッとさせて笑顔にした。

西川のりおと「ヤン土」の鶴瓶は、同じ1951年生まれ。
鶴瓶の家に遊びにいったとき、玄関で
「鶴瓶いるかー?」
というと
「兄さん、入って」
という返答があり、入っていくと真っ暗な部屋の中でコタツに入って向き合う鶴瓶夫婦がいた。
停電でもないのにコタツの上にロウソクを1本立てていて
(なんや、エクソシストか?
あの世から霊でも呼んでんのか?)
とオカルトを疑いながら西川のりおもコタツに入った。
そして客が来ても全く動こうとしない2人をみて、
(瞑想?)
とスピリチュアルを疑った。
とにかく異常な世界を打破しようと
「茶くれ」
と頼んだが
「台所にありますから自分でいれてください」
というだけで2人ともジーっと動かないし、しゃべらない。
「暗いやないか。
電気つけてエエか」
「つけんといてください」
(キツネに憑かれたんちゃうか?)
西川のりおは気色悪くなり、自分でお茶をいれ、飲み終わらないうちに帰った。
後日、正すと鶴瓶は、
「実はセンズリかいてましたんや」
と明かした。
「なんやて?」
「夫婦でマンネリズム陥るといけませんやろ。
それで刺激を与えるために・・・」
「コタツの中でしごいてたんか?」
「そうです」
「嫁は何してたんや?」
「向かいに座ってアクメの顔しますんや。
それみてオナる」
「変態夫婦!」
「そうですやろか」
「変態や。
嫁は座って歪んだ顔しとるだけか?
ホンマは一緒にやっとん違うか」
「まさか。
うちの奥さんはカタギですよ」
「カタギとか水商売とかの問題やない」
「うちのはそんな変態違います」
「旦那のオナニーに協力してヨガリ顔するだけで十分変態じゃ」
「そやろか」
鶴瓶は否定し続けたが、西川のりおは夫婦でオナニー合戦していたことを確信した。

日本テレビ「噂のチャンネル」に出演していた鶴瓶を、西川のりおは
「大阪の芸人が東京で人気出るいうのはなかなか大変」
「スゴイッ!」
と認め、
「浪速の芸人根性みせてやれ」
「せんだみつおにだけは負けるな。
それは大阪の恥だ」
とエールを送っていた。
するとある日、鶴瓶は、
「ナハナハナハ」
と笑っているせんだみつおの口に地面に落ちていた砂だらけの棒を突っ込み、
「バカヤロー」
と激怒された。
同日、歌録りがあり、アイドルとして売り出し中の山口百恵が歌い始めたが、しばらくすると顔面蒼白になって声が出なくなり、伴奏だけになってしまった。
唇をかんでうつむく山口百恵は、マネージャーに支えられながら退場。
スタジオは
「どうしたんだろう?」
とわけがわからない。
控室で
「誰とも話したくない」
という山口百恵をマネージャーは、
「事情だけでも話して。
じゃないと歌を途中でやめて帰ってきて、日本テレビに説明しないと・・・」
と諭したが、
「いえません」
の一点張り。
実は原因は、鶴瓶だった。
歌っている山口百恵を幕のそばでみながら下半身裸になって局部をしごいていのである。
そして山口百恵は、それをみてしまった。
結局、鶴瓶は、降板。
西川のりおは
「変態や!
ホンマ、変態!」
「本人を目の前にしてオナったらアカン!」
と思っていたが、自分が代わりに「噂のチャンネル」に出演することになった。
最初、番組ディレクターにいきなり、
「お前も同じ大阪モンだ。
アイドル歌手の歌うのみながらオナッたら即クビだぞ」
といわれ、
(誰がするかい、そんなこと)
といい返したかったが、鶴瓶を煽った自責の念があり、できず、大阪は見事に東京に負けた。

あるときアメリカに行った桑田佳祐の代役で「オールナイトニッポン」に出演。
急な話で打ち合わせもほとんどなかったが、大阪でヤンタンをやっている西川のりおは、まったく動じず、こういうギャグをいって、こういう面白い話をしてとイメージができた状態でスタジオへ。
「西川のりおのオールナイトニッポン」
というコールの後、テーマ曲が流れた。
(東京の老舗ラジオ番組や。
ビシッと決めんと。
大阪芸人の意地や)
西川のりおは、気合を入れてしゃべり始めたが、すぐにディレクターが
「電話が入ってます」
といってきた。
「もしもし」
「もしもし、私」
「誰やねん」
「私や。
わからへん?」
「だから誰やねん」
すると相手は急に大きな声になって、
「ワシや!
アッコや」
酔っぱらった和田アキ子は
「お前のこと、ホンマにわかってんのはワシだけや」
「しかしお前、つまらんな」
などと延々しゃべり続け、西川のりおは
(たまらん。
段取りもなんもメチャクチャや)
40分くらいしゃべられた後、和田アキ子の曲がかかり
(これで終いや)
と思ったが、すぐにディレクターから
「もう1度出てください」
と指示が出て、さらに20分、アッコ劇場が続いた。
それもやっと終わり、
(ヨッシャッ、面白いギャグや話をやったろう)
と思った瞬間、地震が起きて、建物がグラグラと揺れた。
それも収まって、
(さあ、やろか)
と思ったら
「ただ今の地震の震源地は・・」
というアナウンサーの声。
(これでやっと話せる。
大阪のこととか面白い話したる)
と身を乗り出したが
「各地の震度をお知らせします」
結局、「西川のりおのオールナイトニッポン」は、前半は和田アキ子、後半は地震情報で終わった。

金鳥のCMでタコ八郎と共演。
撮影は京都で行われ、セリフは
「蚊が出た、蚊が出た、どうしましょ」
「蚊にはキンチョーマットです」
「ホンマかいな、そうかいな」
の3つだけ。
まず畳の上に座る阪神タイガースの掛布雅之が
「蚊が出た、蚊が出た、どうしましょ」
というと、頭にカニのかぶりものをかぶって顔だけを出した西川のりおとタコ八郎がローラーの上に乗ってスタッフに押されながら
「蚊にはキンチョーマットです」
というのだが、タコ八郎のセリフが聞こえず、みると
「コケちゃった」
といって倒れていた。
もう1度、やり直しとなり、
「蚊が出た、蚊が出た、どうしましょ」
「蚊にはキンチョーマットです」
といったが、またタコ八郎の声がしない。
「どないしました?」
「足踏ん張ってたら、そっちが気になってセリフが出てこない」
3回目、
「蚊が出た、蚊が出た、どうしましょ」
「蚊にはキンチョーマットです」
までうまくいったが
「ホンマかいな、そうかいな」
という関西弁をタコ八郎がうまくアクセントできなかった。
その後も
「すんません」
タコ八郎はやり直す度に謝り、そのうち西川のりおが間違ったときも謝ったので
「どないなってんの?」
と思っているとマネージャーが、
「とにかく、タコさん、NG出たら謝れっていわれてるんです」
と教えてくれた。
西川のりおは、その人柄に感動した。
「後ろ姿まで笑えるのは芸能界浩といえどもタコ八郎さんだけや。
ホンマ憎めん、オモロくてエエ人やで」

番組で山本コウタローと
「女の自立」
というテーマで対談。
パートナーはいるが家事は自分でやっているコウタローに、西川のりおが
「それでも男か」
「そんな女とは別れてしまえ」
というと
「男尊女卑の型にはまった考え方」
といわれ、激論となった。
1ヵ月後、同じ番組で山本コウタローと同棲している吉田真由美と「女は職業を持つべきか」というテーマで対談。
映画評論家という肩書を持つ吉田真由美に
「俺、評論家とかレポーターとか信用せん。
ただのこけおろし屋やないか。
人のつくったものをアレコレいうなんて失礼や。
一芸ある人がいうならまだ許せるし聞こうと思うが、自分ではなんにもできん人間がいうのは許せん」
「のりおさんだって人のことなんだかんだいってるじゃないですか」
「俺は自分で芸をするんや。
演じるモンがいうのとアンタが人の作品ゴチャゴチャいうのは根本的に違うわ」
西川のりおは、山本コウタローと吉田真由美結婚しないことについても批判した。
「それに同棲しとるのも気分悪い。
それもアッケラカンと。
同棲いうのはヒッソリするもんで堂々いばるもんやない」
「どうして結婚と結びつけるんですか
共同生活でいいじゃないですか」
「ケジメつかなあかん。
結婚は結婚。
離婚は離婚。
結婚して離婚がある。
一生に1度のことで女の幸せや」
「つまらない既成概念です」
「女は家にいて男が食わす。
それが男の甲斐性やないか」
「どうして女性を家に閉じ込めておこうとするんですか。
女性も外に出たいんです」
「彼女やったらそれもいい。
しかし嫁さんなら話は違う。
家にいてほしい」
「無茶苦茶に勝手ないい分だわ」
西川のりおは途中から
(その通りだ)
と思いつつ、
(負けてられん)
と批判を継続した。
「男は新聞持ってきてもらったり、お茶入れてハイ、ドーゾいわれたら、ものすごうれしいんや」
「女だってそうです」
「山本コウタローも、ようこんな女と一緒に暮らしとんな」
「ウチのコウタローはね・・・」
「犬か!」
「・・・お風呂も自分で沸かすし、食事も自分でつくります。
ただ私たち一緒に住んでるだけです。
私はあの人の嫁いで、コウタローは私に嫁いだの」
それを聞き、昭和の男、西川のりお
(コウタロー、なにしてんねん。
チンチンついとんのか)
とは嘆いた。

フジテレビの新番組「クイズアカデミー」に出演するため、西川のりおは、東京、河和田町のフジテレビへ。
控室に入るとディレクターが隣に座った。
「実はですね・・・
1回目ですので素人に優勝されたくないんです」
「それは誘導みたいな感じ?」
「答えを・・・あのぉーお教えしようと・・・」
「エッ?今っ?」
「今!
だって盛り上がらないとどうしようもないでしょ?
もし仮にのりおさんが答えられないで素人が進出しちゃって、しかも最後に挑戦しないなんてことになったら・・・」
不正行為を持ちかけられた西川のりおは、
「わけのわからんやつが優勝してもしゃあないですもんね」
とためらうことなく同意した。

「プロ野球で初めて完全試合を達成した投手は誰でしょう?
これ、ご存じでしょう?」
「・・・・・・・」
「藤本英雄。
いまの中上英雄ですね。
それでね、(司会者の)みの(もんた)さんが聞くと思うんですけど、まあ聞かないにしても『野球のことは任せてください』っていってほしいんです」
「目の前に賞品が並んでますから、一応謙遜にしてほしいんです。
『僕はもうこれだけもらえれば満足です』みたいに・・・」
西川のりおは、ディレクターのいうことをすべて鉛筆でメモしていった。
「あとね、ポンポンポンときたんでね、1回間違えてほしいんです。
不自然でしょ?
正解正解正解ばっかりだと。
間違えたことで賞品とられることはないですから・・・
10問目は『手打ちといえばうどん。では手もみといえば何?』
まあ正解はお茶なんですけどね」
すると西川のりおは、
「おっぱいにしましょ」
といって笑顔になった。

「それでCMに入りまして、次はチャンピオンクイズなんで・・・
『戦国時代の武将、豊臣秀吉の幼名は日吉丸ですが、徳川家康の幼名は何でしょう?』
これ竹千代です。
チャンピオンクイズに正解しますとヨーロッパ1周。
挑戦するかどうかはのりおさんにお任せします。
仮に挑戦しなければ、それまでの賞品賞金はお持ち帰りいただけます」
「ハハハッ」
「もし何にも答えを知らなかったらどうします?」
「答え知らんかったら?
チャレンジしませんよ。
もらって帰りますよ。
しばらく品もん買わんですみますもん。
だいぶん助かりますわ」

こうして打ち合わせが終わると、のりおはディレクターと共に収録が行われる第4スタジオへ。
自分の席の後ろ、上方に客席があるのに気づくと
「みられんちがいます?」
と聞き、
「大丈夫です」
といわれると机に答えやセリフを書いたメモを張った。
そしてテレビ、ゴルフセット、ステレオ、カバン、自転車など豪華賞品をチェックし、
「俺のもの」
といった。

「みなさん、こんばんは。
今日から始まりました、クイズアカデミー。
司会のみのもんたです」
番組の収録が開始。
のりおは「今週のスペシャルゲスト」として真っ先に紹介され、東京の相沢正博さん、埼玉の高橋弘子さん、愛知の鈴木明さんと共に4人でクイズに挑戦。
「野球のことは任せてください」
「いえいえ、もうこれだけもらえれば結構です」
『手打ちといえばうどん。では手もみといえば何?』
「おっぱい」
いわれた通りにセリフを入れつつ、クイズの成績は断トツでトップ。
目の前に賞品賞金が山積みになっていった。


『先ほど行われたサミットの開催地はどこでしょうか?』
「ボン!」
と最終問題も正解し、のりおはトップ賞。
「さあ、今週のグランドチャンピオンの西川のりおさん。
ここで聞きたいと思います。
あのヨーロッパ1週旅行と副賞の100万円に挑戦しますか?
どうしますか?
もし不正解の場合には賞金と賞品は残念賞に変わってしまいます」
みのもんた問われ、西川のりおは
「やりましょう」
と胸を張って即答。
「男ぉー」
と持ち上げるみのもんたに
「任せてください。
僕が盛り上げな誰が盛り上げるんですか」
とノリノリで応じた。
「さあ、それではまいりましょう。
グランドチャンピオンの西川のりおさんが挑戦いたします。
では問題をどうぞ」
『戦国時代の武将、豊臣秀吉の幼名は日吉丸ですが、豊臣秀吉に生まれた年は何年でしょう?』
(打ち合わせと違う!)
西川のりおは焦ったが、
「1545年」
とヤマカンで勝負。
正解は1536年。
賞品賞金がすべて没収され、残念賞としてボールペンをもらった。

しかしここでハプニングが発生。
スタッフが
「VTRが撮れていない」
といって収録がストップ。
改めてチャンピオンクイズをやり直すことなり、賞品賞金も元通りになると凹んでいたのりおは笑顔に。
しかし
「さあ、それでは問題いってみたいと思います。
せーの!スターどっきり㊙報告!!」
みのもんたがいうと再び怪訝な表情になり、ドッキリだったと理解すると
「コラァー」
と叫んだ。

その日は国内で仕事をした後、、1人で海外に行かなければならなかった。
「マネージャーがついてくるとか、コンビ2人で行くとかやなしにまるっきり1人で、朝からどうしようと思うてました」
まずは横浜で、横山やすし主演の映画「ビッグマグナム黒岩先生」の撮影。
朝早く、伊丹空港へ行き、海外旅行用のトランクを預け、羽田行きの飛行機に乗った
しかし到着後、なかなかトランクが出てこなかった。
羽田空港には東映の担当者とハイヤーが待っていてくれたので
「悪かったなあ」
といって出ていくと、なんと横山やすしがハイヤーに乗っていた。
大阪から同じ飛行機に乗っていたが、タバコ嫌いの横山やすしは禁煙席にいたため気づかなかった。
「どないしたんじゃい!
遅いやないか!!
このどアホ!!!」
いきなり頭ごなしにいわれ、西川のりおは、
(なんで朝から怒られなアカンねん)
と思いながら
「すいません」
「ところで野山はどないしてん」
「エッ、僕知りませんけど」
「アホぬかせ。
お前探しに行っとんやないか、アイツは」
「僕は荷物取りに行ってましたから」
「それやったらそういうとかなアカンやろ、このアホンダラが。
何考えとるんや」
西川のりおは
「すんません」
と謝り、到着口に走った。
すると電話している野山雅史マネージャーを発見。
ちゃんと飛行機の乗ったか、大阪の西川のりおに家に確認をしていた。
「ああ、のりおさん」
「ゴメン。
俺、トランク預けとってん」
「探しましたよ。
横山さん待っとるし、のりおさんが怒られる思うて」
「なにいうとんねん。
オレはお前のためにムチャクチャ怒られて、お前探してこいいわれたんや」
「のりおさん、どうしよ」
「知るか!」

ハイヤーに戻ると2人は横山やすしに
「お前といい、このアホマネージャーといい、アホばっかや」
と怒られた。
それでも野山雅史マネージャーが
「のりおさんはこれから海外に行きますので、スケジュールは・・」
というと、横山やすしは
「なんで俺がコイツに合わさなアカンねん。
コイツの師匠は俺の相方や。
それの弟子になんで俺が合わせなならんのや」
と激怒。
撮影が始まり、横山やすしは自分がNGを出すと
「お前らがイランことするから、神経ハズレてもた」
西川のりおが出すと
「間違うな!」
西川のりおは、横山やすしがタバコが嫌いなためにまったく吸えず、
「厄日か」
と思いながら、なんとか映画の撮影が終了。

西川のりおはフジテレビへ行って、そこから局車で成田に送ってもらう予定だったので、
「これでやっと解放される」
と思ったが、なんと横山やすしも息子の木村一八がドラマの撮影をしているので激励のためにフジテレビにいくという。
西川のりおは野山雅史マネージャーに
「タバコ吸えんし、怒られるし、あの人と同じ車イヤや」
喫煙者の野山雅史マネージャーも
「私もです」
意見が一致した2人は別の車の乗り、横山やすしの乗る車を追いながら一服。
フジテレビに着くと横山やすしと別れ、「金曜ファミリーワイド」のスタッフ、そして
「吉本マネージャーの上の人」
である木村政雄と合流。
成田に移動し、
(2時間前に着いたから余裕やろ)
と思いながら、係員に
「すんません。
喫煙席の通路側お願いします」
と頼んだが、喫煙席は満席で、しかも禁煙席の真ん中しか空いていなかった。
「そんなアホな。
ロサンゼルスまで何時間?」
「13時間くらいです」
「エエッ!」

搭乗手続きを終え、木村政雄が
「そろそろ帰るわ」
というと心細くなってすがるような目でみた。
すると木村政雄は笑顔で、
「さみしいやろ。
ようしゃべるお前が13時間、誰ともしゃべられへんのやからなあ。
君の隣はきっとアラブ人かなんかで、スワヒリ語かなんかしゃべりおるで。
特にパンナムやからな、いろんな国の人が乗ってきよるぞ。
キューバ人も乗ってくるかもわからへんで。
まして真ん中やろ。
ターバン巻いてるのに挟まれるかもしれんで。
ジャマイカの奴もおるかもしれん。
いろいろ乗ってくるから楽しみやな」
搭乗ゲートに行くと先ほど対応してくれた係員がいて
「誰かタバコを吸わない人で喫煙席に行ってくれる方いませんか?」
と聞いてくれた。
すると
「私替わります」
と女子大生が名乗り出てくれた。

こうして喫煙席の通路側に座れた西川のりおが寝ていると肩を叩かれ、起きてみると、さっきの女子大生がいた。
「なんやねん」
「サインしてもらえますか?」
数人かと思ったが、仲間がいて、結局、数十人にサイン。
タバコも吸えず
「禁煙席と変わらんな」
と思っていると横から
「芸人さんは大変ですね」
と声をかけられて、みると
「グラウンドキャニオンみたいな茶色い肌をしたオバサン」
がいた。
聞けば大阪出身で現在はアメリカに住む女性で
「アンタはパワフルでワンダフルでいい芸人や」
といわれ、西川のりおは
(大阪弁と東京弁と英語が混じっとる)
と思いながらも、素直にうれしかった。

やがてスチュワーデスが入国審査と税関の申告用紙を配ったが、オバサンが
「書かんでいいんとちゃいます」
というので従い、一斉に書き込んでいる女子大生たちにもと旅慣れしたフリをして
「君らね、そんなの書かなくていいんだよ」
といった。
「のりおさん、慣れてるのね」
「当ったり前やんか。
君たち初めてだから書くんだよ」
しかしロサンゼルスに着くと入国審査で
「紙はどうした」
と怖い顔で聞かれた。
どうやらアメリカに住んでいる人は書かなくてよいようだったが、オバサンは、
「アンタは書かないと」
とコロッと変わり、女子大生たちからはブーイング。
西川のりおが教えてもらいながら記入して提出すると係員は、
「NO!」
ノーっといっているのはわかるが、それ以外はなにをいっているのかわからない西川のりおがオバサンにみてもらうと
「あんた、サンディエゴの動物園で寝るの?
ZOOでは寝れんやろ。
これは仕事先。
泊まり先はどこ?」
サンディエゴのどこに泊まるのかわからない西川のりおは、オバサンが住んでいるアラバマの住所を書いた。
書かされている最中、女子大生たちにバシャバシャ撮られ、
(厄日はまだ続いてる)
と思い、アメリカで横山やすしを幻影がみえた。

12時にMr.ジェレミーというコーディネーターと待ち合わせだったので、心配して一緒に来てくれていたオバサンとバンナムの荷物カウンターで待っていた。
しかし12時20分になって来ない。
オバサンは
「私もトランジットする飛行機に間に合わなくなるから呼び出しだけしてあげるから」
とインフォメーションカウンターに行った後、去っていった。
そのとき西川のりおはオバサンに
「こちらの名前をいうと悪い奴らに荷物を持っていかれてしまう」
と教えられた。
呼び出しが行われても誰も来ないので、
(これ、ドッキリ違うか)
とキョロキョロとカメラを探し
(早よ、出てこい)
と思ったが、誰も現れる気配がない。
(おかしいなあ)
と思っていると、14時にやっと
「小太りのフランスパンみたいな顔した男」
が近寄ってきて、
「のりおさん?」
しかし西川のりおは、オバサンの教えに従って
「ナニッ。
どこに証拠があるんじゃ?」
「仕事に行きましょうか」
「いかへん」
「私はジェレミーです」
「どこに証拠があんねん。
俺は認めへんよ。
俺の名前フルネームでいうてみい」
「金曜ファミリーワイド。
西川のりお」
「まだアカン」
「吉本の木村さん。
フジテレビの〇〇さん」
具体的な名前を挙げられても80%くらいしか信じていない西川のりおはドキドキしながら後をついていった。
「トランク持ちましょうか?」
といわれ、断るのも変なので渡したが、すぐに飛びかかれる姿勢を崩さなかった。
「日本語喋れるんかい」
「少し」
「俺、空手習ってんねん。
柔道もやってるし」
とカマすと
「私、暴力嫌いです」

駐車場に着くと大きな車ばかりなので
「やっぱり本場やな。
ズラーっと外車ばっかりや」
「なにいってるの。
ぜーんぶ国産よ。
アメリカでは」
西川のりおは、少しバカにされたような気持になりながら、トランクを奪い返し、抱えて車に乗った。
「後ろに入れないの?」
「入れへん。
オレは自分の荷物はいつも肌身離さず持ってるんや」
ヒルトンホテルで食事をすることになり、西川のりおがトランクを持っていこうとするとジェレミーに
「荷物、おろさないほうがいいですよ」
といわれたが無視して持って降りた。
「なんでそんなに疑うのですか?」
「12時に来るいうてたのに来んかったからや」
「アッ、なんだ。
そんなことで」
「そんなこともこんなこともあるかい。
俺は遠いところから来てんねん」
「ごめんなさい。
12時と2時、間違えてました」
遅れた理由がわかって、少しだけ納得し、トランクは車に置いておくことにしたが
「キー、俺が持っとくわ」
といって、ジェレミーにあきれられた。

180㎞のドライブが終わり、サンディエゴのホテルに到着。
ジェレミーはベッドを指さし
「昨日まで友里千賀子が寝てた」
西川のりおは
「ナニッ!」
とときめいたが
「シーツは替えた」
といわれ、ドテッとコケた。
すぐにその部屋に「金曜ファミリーワイド」のスタッフがやって来て、打ち合わせが始まった。
西川のりおは動物図鑑を渡され
「のりおさん、猛獣は好きですか?
例えば抱きついたりキスしたりしたいと思いますか?」
「ヘビなんか好きですか」
などと聞かれた後、
「じゃあ今日はそういうことで。
明日は6時起床でお願いします
みんな可愛い動物ですから、安心してグッスリ休んでください。」
といわれミーティングは終了した。


その後、唸るイグアナに顔を近づける、チーターを散歩させて体当たりされる、サイやカバの口の中に腕を突っ込んでエサをやる、ニシキヘビを持つなど過酷なロケが、連日、6~17、18時まで行われた。
ホテルに帰り、日本から持ってきたカセットテープで大川栄策や五木ひろしを聴いていると涙が出てきたが、ジェレミーに
「のりおさん、汗かいてんの?」
といわれ、厄日は続いた

明日帰国というとき、プロデューサーに
「ポルノショップでも連れていってやろう」
と誘われ
「やった」
とジェレミーと3人で出かけた。
しかし夜のサンディエゴの街は、治安が悪く、
「チーターやサイ並みにコワかった」
店の前に銃を持った男が立っていたり
「路地には入ったらダメ」
といわれるなど、なにもできないままアメリカで唯一の夜は終了。
翌日、ロスから14時間飛行機に乗って、成田に着いたのは14時。
さらに乗り換え時間を空港でボーッと過ごし、飛行機で大阪に着いたの18時。
23時から深夜ラジオのヤンタンでしゃべりまくり、翌朝7時、「ビッグマグナム黒岩先生」の撮影のために飛行機で再び東京へ向かった。
現場で横山やすしにいきなり
「どやった?
どやってん?」
と聞かれ、
(もうエエわ)
と思った。

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全国無料放送のBS12 トゥエルビで現在放送中の、笑福亭鶴瓶と阿川佐和子がMCを務めるトークバラエティ「鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな2人~」第47回放送分(7月28日よる9時00分~)にて、お笑い芸人・ビートきよしがゲスト出演します。


まさかの芸失敗!?衝撃の髪型事件を語る!『ますだおかだ増田のラジオハンター』に芸歴55周年の海原はるか・かなたが出演!!

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ABCラジオで毎週木曜日12時から放送の『ますだおかだ増田のラジオハンター』7月10日放送分にて、髪型漫才界の重鎮、髪型ハンターこと海原はるか・かなたがゲスト出演しました。


2丁拳銃    愛人12人の小堀裕之と経験人数、生涯1人の川谷修士、そしてその妻、小堀真弓、野々村友紀子は、同じ1974年生まれ

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NSC大阪校12期生、1993年結成の2丁拳銃が、2003年にM-1への挑戦を終えるまで。


「ロンドンブーツ1号2号」が電撃解散を発表!「ロンドンハーツ」は今後も出演継続の見込み

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お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号が24日、レギュラー出演しているテレビ朝日系「ロンドンハーツ」内で解散を発表しました。


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ホラー漫画の金字塔、楳図かずお氏の生誕90周年を記念し、1960年代に『なかよし』の付録として人気を博した「なかよしブック」が復刻BOXとして発売される。当時のサイズや色味、さらには広告や読者ページまで可能な限り再現。市場でも滅多に見られない超貴重な少女ホラー傑作5選が、今ここに蘇る。


武豊デビュー40年特別展が銀座三越で開催!日本ダービー6勝の軌跡やAI・AR等の最新コンテンツが集結

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日本競馬界のレジェンド、武豊騎手のデビュー40年を記念した特別展が2026年4月28日より銀座三越で開催される。前人未到の「日本ダービー6勝」に焦点を当てた展示や、AI・ARを駆使した最新デジタル体験、会場限定のオリジナルグッズ販売など、頂点を走り続けるジョッキーの栄光と進化を体感できる貴重な催事だ。


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俳優、演出家、シンガーとして活躍する錦織一清が、2025年5月に迎えた還暦イヤーの締めくくりとして、人生初となるソロ写真集&カレンダー『言魂 -10カラットの呟きと共に-』を2026年5月29日に発売。本人プロデュースによる日常の風景や自ら吐露した10の呟きなど、現在の彼の魅力を凝縮した一冊となっている。


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デジタルゲームの金字塔『テトリス』が、実際にブロックを手に取って積み上げる『テトリスボードゲーム』として2026年4月下旬に発売決定!2〜4人での同時対戦が可能で、カードによる駆け引きや「オジャマミノ」による妨害要素も。デジタルとは一味違う、空間認識力と戦略性が試されるアナログならではの魅力を紹介。


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TBSラジオの人気番組『ジェーン・スー 生活は踊る』にて、4月20日から「昭和レトロWEEK!」がスタート。昭和100年を迎える今年、家具や漫画、音楽など多彩な視点で昭和の魅力を再発見します。タイガー魔法瓶のレトロ柄製品が当たる豪華プレゼント企画も実施。懐かしくも新しい昭和の世界をラジオで堪能しましょう。