1989年の日本シリーズ
第3戦:加藤の「ロッテより弱い」発言!?
1989年、平成になって初の日本シリーズは、セ・リーグの覇者・読売ジャイアンツ(巨人)と、パ・リーグの覇者・近鉄バファローズ(近鉄)の初シリーズでした。戦前の予想では、巨人有利の声が多かったものの、第1戦 4対3、第2戦 6対3と近鉄がホームの藤井寺球場で連勝。敵地東京ドームで迎えた第3戦は、近鉄が早々に先制し、投げては加藤→村田→吉井の完封リレーで、3対0と巨人を圧倒。近鉄がまさかの3勝0敗で、初の日本一に王手をかけました。そして、物議を醸したのが、第3戦の主役・加藤哲郎投手のヒーローインタビューです。次のように話しています。
同じお立ち台に立っている、光山英和捕手の少し心配そうな表情が印象的です。このヒーローインタビューの発言や囲み取材での発言が「巨人はロッテより弱い」と曲解して報道され、巨人の選手の闘志に火をつけたと言われています。
加藤は、"ロッテより弱い"発言を否定していますが、当時、チームメイトだった金村義明選手は後年、加藤がヒーローインタビューで "イキってしもた" と述べています。
第7戦:駒田の「バカ、バーカ」発言!?
加藤の発言に、発奮した巨人の選手たち。第4戦で巨人が5対0と近鉄に一矢を報いると、第5戦は6対1、藤井寺球場での第6戦は3対1と巨人が連勝。3連敗したことが嘘のようで、ついに逆王手をかけます。
第7戦は、因縁の加藤が先発でしたが、完全に流れは巨人。そして、その時はすぐにやってきました。2回表、駒田が先制のソロホームラン。二塁ベースを過ぎたところで、駒田が加藤に向かって「バカ、バーカ!」と叫びます。この時、加藤には駒田の声は一切聞こえておらず、大事件にならずに済んだようです。結局、試合は8対5で巨人が勝利。3連敗の後の4連勝で、巨人が奇跡の日本一を果たしました。MVPはもちろん、駒田徳広選手です。
25年後の和解
伝説となった1989年の日本シリーズですが、その後は思い出のシリーズとして振り返られることはあるものの、当時のインパクトは徐々に薄れつつありました。ところが、シリーズから25年経った2014年、テレビ朝日がバラエティ番組『お願い!ランキングGOLD 特別編 大きなお世話TV』で、駒田と加藤の対談を企画。文字通り "大きなお世話" ながら、二人は思わぬ形で再会を果たすことになります。
元巨人・駒田と元近鉄・加藤が因縁の真相語る 25年ぶりに正式対面 | ORICON NEWS
何が起こるか予断を許さない対談企画でしたが、いざ始まってみると、なんと二人は意気投合。加藤の「巨人は弱い」と暗示する発言に対し、駒田も「弱いと思われて当然」と共感していたことを吐露します。グラウンド上での暴言ややり返しについても二人は肯定的で「そういう時代だった」と懐かしむ様子も見えました。二人は最後にがっちり握手。この対談のおかげで、二人の間に接点が生まれます。
プロ野球史に残る舌戦、因縁の二人が再会 - ライブドアニュース
加藤に頭が上がらない駒田!?
二人の対談後、麻雀講師として活躍していた加藤。テレビにも出演し、元プロ野球選手としてよりは雀士としての知名度を上げていました。そしてある日、声をかけられたのがまさかの人。。。
2度目の舌禍騒動、そして“かつお節営業”で胃潰瘍に…元近鉄・加藤哲郎(58)が語る“麻雀講師の今”「思ったことをしゃべるのがアダに」(4/5) - プロ野球 - Number Web - ナンバー
実は、駒田の娘・真子は、プロ雀士を目指すようになるも父親から理解されず、父親と疎遠になっていたというのです。その間を取り持つ形になったのが、加藤の存在。駒田は、槙原のYouTubeチャンネルで「(加藤に)娘がいつもお世話になっています」と恐縮した様子を見せていました。
実は、似た者同士だった駒田と加藤。「バカ、バーカ!」の暴言からこんなに意気投合するとは、当時誰が予想できたでしょうか。最近は、駒田の娘の存在でより仲が深まり、イベントまで企画しているようです。二人だけでなく、プロ雀士・駒田真子の今後の活躍にも注目です。
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