一方、神新二社長、鈴木浩充専務は、
「プロレスとは違うイベントを主催しよう」
と「株式会社スペースプレゼンツ」という会社を設立。
当初、セミナーや勉強会を行い、その本の出版、販売を行っていたが、UWFで「密航ツアー」を担当していた人が旅行代理店から独立したのを知ると
「一緒にやろう」
と誘い、旅行関係の仕事もすることになり、ツアーコンダクターとして国内外に飛ぶこともあった。
ある日、会社の顧問の知り合いから、
「福島に神のお告げで水を掘り当てた、こけし工芸屋さんがいる」
という情報を得ると現地にいってみた。
こけし工芸店の奥さんが
「夢でみた」
という場所を掘ったが水は出ない。
地元の水道局に聞くと
「水源があるわけがない」
といわれた。
しかしこけし工芸店の奥さんが
「絶対水は出る」
というので別の場所を掘ると、本当に水が噴き出してきた。
水を近隣の住民の人に無料で配ったところ
「病気が治った」
「健康にいい」
などと評判になり、地元のTV局が取材に来て、さらに評判を聞きつけた人々が水を求めて集まってきた。
それをみて神新二社長は、この水を
「御神水」
と名づけて販売しようとした。
湧き水を製品化するために機械を購入し、ペットボトルを大量発注し、倉庫を借りた。
莫大な経費をかけた結果、できた製品はペットボトル1本、1500円。
高すぎてまったく売れないまま、水は出続け、商品を作り続け、新しい倉庫を借りた。
神社長は
「とにかく水を売れ」
と厳命し、社員総出で宣伝したが、まったく売れず、1991年冬、すべて手放した。
この後、神新二、鈴木浩充は別々の道を歩み始めた。
1999年2月21日、前田日明が引退時試合を行ったが、鈴木浩充 は会場にいって神新二に託された詫び状を渡した。
前田は過去のことして水に流した。
さらに19年後の2018年7月10日、鈴木浩充は、「ありがとうU.W.F. 母さちに贈る」を自費出版、Amazon限定で販売。
鈴木浩充は、営業や経理を担当しマッチメイクにはタッチしておらず、営業の過酷さ、団体を支える裏方の苦労、団体崩壊寸前のきな臭い雰囲気などを克明に記した。
同時期(2018年7月)、神新二は、奈良県桜井市に「NEW VISION アカデミー」を開校。
これは2016年11月に大阪につくった一般社団法人「NEW VISION」 が移転したもの。
神はUWF関連の取材のオファーが多く受けたが、全て断り、公には何も語っていないが、会社のHPには、UWFへの想いを語ることもあった。
それを読むと、恐らく前田日明への恨み言と思われる部分もあるが、UWFがいかに純粋な男たちの純粋な夢の結晶だったことがわかる。
まさに前田日明の著書名「パワー・オブ・ドリーム」 だった。