猿岩石 決して白い雲のように生きていなかった有吉弘行 &フラッとついていった森脇和成

猿岩石 決して白い雲のように生きていなかった有吉弘行 &フラッとついていった森脇和成

広島で生まれた有吉弘行は、高校卒業直前にテレビの規格に応募し、オール巨人の弟子になった。数ヵ月間、数々の失敗を繰り返した上、兄弟子を殴って謹慎処分に。処分中、無断で広島に帰り、同級生の森脇和成を誘って上京し、太田プロ入り。あるときはヒマラマ山脈を登り、あるときはガンジス川を渡り、あるときはゴビ砂漠を超える旅に出るのであった。


ここで広島の有吉の実家と中継がつながった。
家の中には有吉家、森脇家、両家の家族、「猿岩石ファミリー」が勢ぞろいしていた。
「行ってきます」
(森脇)
「どこへ?」
(森脇の父、精次)
「先立つ不孝をお許しください」
この森脇の渾身のボケを精次は
「どこ行くの?」
と素で潰した上、
「いま香港で、これからヒッチハイクでロンドンまで、い、行きます」
といわれ
「行けば?」
とこれまた素で答え、爆笑を奪った。
そんな精次だが、森脇は
「小1のとき、オヤジが寝てる横にポコッと取れてるヅラがあって、それから口聞けなかった」
という。
続いて有吉が
「オヤジィ、知ってたの?知ってんの?」
と聞くと父、博文は
「な、なにをいってるんよ」
「い、いやあ、行ってきます」
「どこへ?」
「ロンドン、ロンドン」
「・・・・・・」
「リアクション悪いな」
毒づく有吉に
「ロンドンまで行くの?」
と有吉の母、きみが聞いた。
「はい、ヒッチハイクで」
「命だけはお願いよ」
この一言で有吉の母も芸人の息子を差し置いて爆笑をかっさらった。

さっそくヒッチハイクの旅はスタート。
スタジオを出てタイムズスクエア前の道端に立った2人は、
「To LONDON」
と書いた紙を掲げ、そのまんま東に
「こんなモンで(車が)捕まるか」
と強めにツッコまれた。
そして白いワンボックスカーをGET。
運転手のポールは、工事現場から自宅に帰る途中だという。
2人は車に押し込まれるように乗ったが、その姿はヒッチハイカーというより拉致される日本人観光客だった。
「だまされた」
(森脇)
「こんなことが許されていいのだろうか。
でもやっぱりおいしい」
(有吉)

猿岩石がスタートしたとき、香港はまだイギリス領。
6ヵ月後、ロンドンに到着した「香港-ロンドン ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」は、スタートもゴールもイギリスということになる。
しかしスタートから1年3ヵ月後、香港はイギリスから中国に返還された。
自由だったイギリスの植民地が共産主義国家である中国の統治下でやっていけるのか危惧されたが、中国政府は少なくとも50年間は「1国2制度」で香港の政治的自治と自由を保持すると約束。
しかし近年、約束を破られ始めている。
2020年6月、返還から13年後、香港で政治活動や言論の統制する法律「国安法」が成立。
するとそれから1年の間に政権転覆や国家安全に危害を加えたとして100人以上を逮捕された。
中国政府に掌握された香港から「自由が消えた」といわれている。

猿岩石の2人を乗せた車は、香港島から海底トンネルを抜け、香港本土、つまりユーラシア大陸に突入。
しかしポールは
「ゴメン。
オフィスに行かなければならない」
といい、2人はタイムズスクエアからたった4㎞の地点で降ろされてしまった。
「どうしよ」
(森脇)
「ホテルは高いから野宿しよ」
(有吉)
2人は海がみえる九龍公園で野宿する場所を探し、石でできた幅広のベンチを発見。
「いいね、いいね」
と荷物を下ろした。
しかし周りをみると同じベンチがが並び、座っているのはカップルばかり。
暗闇の中、複数のカップルがウネウネとイチャつく姿をみて
「最悪や」
(森脇)
「これは寝れるような状態じゃない」
(有吉)
と別の寝床を求めて歩き出した。
結局、高さ数十cmの塀(段差)に囲まれた場所を発見。
「じゃあ、寝ましょ」
寝袋など持っておらず、ジャケットを掛布団にして石の地面の上で寝た。
こうしてヒッチハイクの旅、1日目は九龍市街の公園で終わった。

ちなみに海外を旅する場合、何よりまず泊まる場所を決める必要がある。
宿を決めずに食事やショッピング、観光にうつつを抜かしていると、夜泊まるところがなくてエラい目に遭ってしまう。
それは基本的に野宿の2人も同じだった。
昼間のうちに野宿する場所を探すのは鉄則となり、
「野宿ポイント」
「野宿ポイント探し」
という言葉が用語化した。
また海外では公衆トイレが有料だったり、夜、閉まることもあり、
「野糞ポイント」
「野糞ポイント探し」
も同様に最優先課題だった。


2日目、4月14日、大きな道路の脇に立って、ヒッチハイク開始。
ロンドンまで行くためには、まず中国に入らなければならない。
「広州、広州、チャイナ」
停まった車に声をかけるが、そう簡単に行ってくれる人は見つからない。
2時間後、ベンツが1度、2人を通り過ぎた後、停車。
「アッ、停まった」
車にかけよって話すと乗せてくれるという。
「OK?」
「やった」
2人はガッツポーズをとり、地面に置いていた荷物を肩にかけた。
九龍市街を出発したベンツは、約30㎞国道を走って、国境にある中国出入国管理事務所に到着した。

「いよいよ中国突入だ」
と思いきや職員に
『Do You Have Chinese Visa(中国のビザはありますか)?』
といわれ、
「ノー」
2人は初めて
「国境を越えるためにはビザというやつが必要らしい」
と知った。

外国に行くときはパスポートが必要なのは一般常識。
パスポートは、各国の政府、外務省が発行し、渡航者の身分証明書となる。
一方、ビザとは、渡航先の国の政府が外国籍の人間に対して入国を認めるために発行する入国許可証。
書類や面接で事前審査を行い、承認された場合に発行される。
現在、菊の紋章の入った日本のパスポートを持っていれば、ビザなしで渡航可能な国が192ヵ国もある。
パスポートのみで最も多くの国に渡航できるため
「日本のパスポートは世界最強」
といわれている。
しかし以下の33ヵ国に渡航する際はビザの取得が必要になる。

ヨーロッパでは唯一、ロシア
アジア地域では、北朝鮮、パキスタン、アフガニスタン、ブータン、トルクメニスタン
カリブ地域 では、キューバ
中東地域 では、 イラク、シリア、サウジアラビア、ラビア、イエメン
オセアニア地域では、 ナウル(バチカン、モナコに次いで世界で3番目の面積が小さい国)
アフリカ地域では、アルジェリア、アンゴラ、ブルキナファソ、ブルンジ、カメルーン、チャド、中央アフリカ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、コートジボワール、赤道ギニア、エルトリア、ガンビア、ガーナ、リビア、マリ、ナイジェリア、シエラレオーネ、南スーダン、ニジエール、ギニア、リベリア

日本のパスポートを持つ者が中国に入る場合、観光、商用、親族知人訪問、通過の目的で、滞在日数が15日間以内であれば、ビザは免除となる。
15日以内に出られるかわからない猿岩石の場合、ビザが必要だった。

ビザの申請をする入境事務局は九龍にあると教えられた猿岩石は、再びベンツに乗せてもらって逆戻り。
舞い戻った九龍市街でベンツのドライバーにお礼をいってお別れした。
「香港で初めて捕まえた車ってベンツだったじゃない。
でさー、あのサブちゃんっていう人がさー、ここ顔に傷があってさ、どうみてもヤクザなんだよな」
(有吉)
「そう。
そうなんだよ。
で、しゃべんないんだよ。
こっちから話しを振ってもさ」」
(森脇)
「だって英語がほとんど分かんない」
(有吉)
「そうそう。
で、一言しゃべったのが、ブーンって走ってて、対向車線で事故してたのよ。
そんときに、『オウ、オオウ』っていう。
それだけだったんだよね」
(森脇)    
「そうそう。
まあでも結局いい人だったんだよね」
(有吉)
「いい人だったんだけど、むっちゃくちゃ怖かったね」
(森脇)

ベンツと別れ、その足で事務所に行くも、この日は日曜日でお休み。
仕方なくマクドナルドをテイクアウトして、九龍公園の小さな塀に囲まれた場所に戻って2連泊。
3日目、4月15日、
「もう今度は来んよ」
塀と地面にいいながら出発。
入境事務局にいって必要事項を書き込んで、ビザを申請した。
すると女性スタッフは
『発行できるのは18日になります』
といった。
発行は3日後、費用は2人合わせて1650香港ドル(2万1500円)だった。
「サンキュー」
といって事務所を出た2人は、九龍公園に戻り、塀と地面に
「はい、ただいま」
といって3連泊。

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