遊び方
いわゆる鬼ごっこなんですが、鬼を「警察」、逃げる人を「泥棒」と分かれて追いかけっこをする遊びです。警察(鬼)は、かくれている泥棒(逃げる人)を見つけて捕まえ、「牢屋」に入れますが、牢屋に入れられた泥棒は、仲間の泥棒に助けられると再び逃げることができるというルールです。泥棒が全員捕まると終了です。
この鬼ごっこのことを「ケイドロ」や「ドロケイ」と言い、全国各地で子どもたちに親しまれています。
この遊びは、日本では昭和以前から行われていた伝承遊びの一つで、地域によってさまざまな呼び方をされています。呼び名は違うのですがルールは同様。逃げる人が捕まっても仲間に助けられるという点では、「助け鬼」とも言えますね。
地域によって違う呼称
さてさて、ここで「ケイドロ」なのか「ドロケイ」なのかと調べてみましたが、とにかく全国各地でさまざまな呼び名がありました。
メジャーなのが、「ケイドロ」「ドロケイ」です。
主に関西では「ケイドロ」、関東では「ドロケイ」と呼ばれているようですが、他の地域でもどちらかで呼んでいることが多いようです。
他にもいろんな呼び方があったので紹介します。ちなみに自分は「助け鬼」です。
「ケイドロ」「ドロケイ」の言い方が若干違う「ケードロ」「ドロケン」「ドロン」は、各地域であったでしょうが、全く違う呼び名があります。
自分が呼んでいた「助け鬼」もしかり。
「探偵」、「牢屋鬼」、「逃亡者」、「警察と泥棒」、「ウサギと狼」と鬼ごっことわかりやすいネーミングなんですが、「ミッドウェー沖海戦」なるものがありまして、どうしてこんなネーミングになったのか気になるところです。
実際に遊んだことはありますか?
姫路工業大学の勝木洋子教授らが、1998年9月から10月にかけて近畿圏の大学・短期大学の保育専攻学生にアンケート調査を行ったそうです。結果、ケイドロをしたことがあるという回答は74.1%だったそうで、ケイドロのようにルールが必要な集団遊びの中で、Sケン(28.8%)、うずまきじゃんけん(32.0%)、陣取り(65.0%)などに次いで5番目だったそうです。
一方、札幌大学の増田敦教授が、2012年に同大文化学部スポーツ文化コースの1年生から3年生まで144名(男子119名、女子25名)を対象とした調査では、調査に用いた48種類の遊びのうちケイドロは男子で1位(66.4%)、女子では2位(68.0%)となっていて、男女が混じって遊んでいる様子が伺えるとして、性差のない遊びであると言えると指摘しています。
確かに、男女が混じって遊んでいましたね。そしてどこでもできる遊びだったし。現在20歳前後の若者にも自分なりに尋ねてみましたが、「やったことある!」と返事が返ってきましたので、今でも子どもの遊びとして親しまれているようですね。
大人のケイドロ「逃走中」
2004年からフジテレビで放送されている「run for money 逃走中」をご存知でしょうか。
この番組は、ケイドロの派生形で、とある施設(ショッピングモールなど)を貸し切って、黒服・サングラスの鬼を「ハンター」と呼び、芸能界やスポーツ界から招集された有名人を捕まえます。逃げ切った有名人は賞金を獲得できるというもので、この番組のヒットにより、小学校などで「run for money 逃走中」をまねた遊びが流行しました。
番組内ではあらゆる「ミッション」の設定がありますが、小学生には難しいために省略されたり、短時間で遊ぶためにルールを変更したりしているので、結果として普通のケイドロとなっていることも多いように思います。
しかし、この番組は大人が観てもハラハラドキドキさせられて楽しめますし、子どもじゃなくても「逃走中」を実際に仲間を集めてやってみたくなります。
さらにこの「逃走中」が派生して、YouTuberチーム「だいにぐるーぷ」が2018年より不定期で「1週間逃亡生活」を制作しています。ヒカキンなど他のYouTuberも同様の鬼ごっこ企画を投稿していますし、GPSアプリを用いた「GPS鬼ごっこ」なるものを行うYouTuberも現れているようです。
ヒカキンは、フジテレビの「逃走中」に出演中に自分のYouTubeチャンネルに同時配信したこともありますね。
この単純な鬼ごっこですが、よくぞここまで楽しませてくれるものにしたなと思いますね。
おしまいに
「ケイドロ」「ドロケイ」と呼び方から気になった遊びですが、調べていくうちになんだか遊びたくなりました。この遊びのいい所は、屋内でも屋外でもできるし、男女、年齢問わずにできるところです。フジテレビの「逃走中」で育った子どもたちが、いずれ「ケイドロ」や「ドロケイ」の呼び名を「逃走中」と呼び変えていくのではないかなとも思いますね。