イーグルスをバックに従えた姉御、リンダロンシュタットの魅力

イーグルスをバックに従えた姉御、リンダロンシュタットの魅力

フォークロックの女王として、人気を独り占めにしていたリンダロンシュタット(Linda Ronstadt)。この素晴らしいシンガーを生み出したのがアリゾナ州のツーソンで、いろんな音楽に溢れた環境で育った彼女は、14歳という若さで兄・妹と一緒にグループを結成して音楽活動を開始します。そして、18歳でロサンゼルスに移住して、「ストーン・ポニーズ」を結成、ついにメジャー・デビューを果たすことに。更に1969年からソロ活動を開始し、1975年には、「悪いあなた」で全米1位となり、念願のブレイクを果たしました。


カントリーロックの女王

アメリカ合衆国出身の女性歌手であるリンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)は、米西海岸を代表する音楽アーティストの一人です。1970年代には、全米No.1を契機にソロシンガーとしてブレイク。米国を代表するエンタテイナーとして70年代最高の人気を誇る女性シンガーとなりました。それ以降も、ジャズ・カントリー・ラテンと音楽の幅を広げ活躍していましたが、残念なことに、1990年代半ばからの病気を発症して、2010年代以降にはやむなく引退することになります。その功績が称えられ、2014年には、ロックンロールの歴史やその発展に影響を与えたアーティスト・プロデューサー・エンジニアなどの著名人を展示記録している「ロックンロールの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame, RRHOF)」にも、選出され展示されています。

あのイーグルスも

アメリカのロック・バンドであるイーグルス(Eagles)は、ウォール・ストリート・ジャーナルが発表した「史上最も人気のある100のロックバンド」で第7位に選ばれたアーティストです。2億前を超えるトータルセールスは、まさに一流の証明で、主な代表曲は、「テイク・イット・イージー」・「ならず者」・「呪われた夜」・「ホテル・カリフォルニア」などがあります。

実は、このイーグルスを結成するきっかけになったのは、リンダ・ロンシュタットのバックバンド編成でした。この際に集まったミュージシャンたちが、バンドを結成して後のイーグルスになり、リンダ・ロンシュタットが所属するアサイラム・レコードからデビュー。世界の一流バンドの仲間入りを果たすことになります。

カバー曲でオリジナルにも注目

今では一流のアーティストとして知られるカーラ・ボノフやJ.D.サウザーも、当時はまだまだ無名のミュージシャンでした。リンダ・ロンシュタットは、これらまだ知名度の低いミュージシャンの曲を取り上げてカバーすることで、彼らの名を世に送り出したことでも知られているんです。更には、ロイ・オービソンやバディ・ホリーなどは、リンダ・ロンシュタットがカバーしたことで、1970年代の若者たちに、偉大な先輩ミュージシャンといういことが、改めて認識されるようになりました。

ヒット曲がたくさん

リンダ・ロンシュタットの存在が、広く知られるようになったのは、1974年に発売されたアルバム「悪いあなた(Heart Like a Wheel)」からのシングルカットされた、「悪いあなた(You're No Good)」が全米の第1位に輝いてからです。元はベティ・エヴェレットのカバーでしたが、ここから一気に人気シンガーになり、それ以降、TOP40ヒットを21曲とTOP10アルバムを10作品を、世に送り出したのです。

悪いあなた(You're No Good)

リンダ・ロンシュタットが「悪いあなた(You're No Good)」をライブで歌うようになったのが、ストーン・ポニーズ時代の仲間だったケニー・エドワーズからすすめられたからだそうです。しかしリンダ本人は、レコーディング中から「ビートルズみたいで好きじゃない」と言ってたとか。でも、数多くの曲を聴いてきたリンダは、じっくりと聞き込んだ末には、当初の感想から一転して、素晴らしい曲だと納得したそうです。

その後、見事に全米1位という大ヒットに至るのですが、その後、リンダのどんなジャンルにも対応できる優れた選曲耳とどんなジャンルにも対応できる歌唱力、更にチャーミングなビジュアルも重なって、全米で最も人気のある女性シンガーの座へと突き進んでいくのです。

イッツ・ソー・イージー It's So Easy

「イッツ・ソー・イージー(It's So Easy)」は、バディ・ホリーとノーマン・ペティが作詞作曲した楽曲です。この曲は当初、ザ・クリケッツのシングルとして発売されましたが、チャートインには入りませんでした。しかし、リンダ・ロンシュタットのカバーバージョンは、ビルボード・ホット・100でトップ5に入ります。

「イッツ・ソー・イージー」は、1977年のアルバム「夢はひとつだけ」に収録された中の1曲で、「ブルー・バイユー」と同時にビルボードのトップ5に入ったのです。カナダでは9位・イギリスでも11位に達した「イッツ・ソー・イージー」、リンダ・ロンシュタットのバージョンは、2005年に上映された映画「ブロークバック・マウンテン」にも採用されています。

【アルバム】ミス・アメリカ(Living in the U.S.A.)

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