『おいら宇宙の探鉱夫』とは?
『おいら宇宙の探鉱夫』
じつは原作に名を連ねているフォースマン・ランチフィールドさん、脚本の飯田つとむさん、どちらも監督を務めた飯田馬之助さんの別名義です。脚本には早坂律子さんも参加しているものの、飯田馬之助さんが指揮をとった作品となります。
飯田馬之助さんといえば、
『風の谷のナウシカ』
『天空の城ラピュタ』
『ルパン三世PARTⅢ』
こちらのアニメ制作にも参加した有名なアニメーターですよね。SFテイストを基調とした冒険活劇といった構想には、これらの作品に通ずるものがあるような気がします。
そして、人気のある漫画・小説といった作品のアニメ化ではなく、完全オリジナルコンテンツとして制作されたことに好感が持てます。
『おいら宇宙の探鉱夫』の本編動画・ストーリー
おいら宇宙の探鉱夫 - 第1話 118,000ミリセコンドの悪夢 - YouTube
おいら宇宙の探鉱夫 - 第2話 デストロイ&エクソダス - YouTube
『おいら宇宙の探鉱夫』の魅力とは?
ハレー彗星が再び訪れる2060年、少し未来の宇宙開拓史といった側面がある『おいら宇宙の探鉱夫』。内容的は金属鉱脈から資源を採掘する宇宙探鉱者に焦点を当てたもので、それだけで面白そうな雰囲気が漂ってきますよね。
主人公は、両親も宇宙探鉱者として働く少年・牛若。早く大人の仲間入りをしたいという気持ちが強く、12歳という年齢にして小型ビークルの操縦免許を取ろうとしています。
免許取得のために試験に臨む牛若。時同じく、地球の軌道を回っていた軍事衛星が誤作動し、宇宙探鉱者たちの本拠地トータチスにミサイルが発射されてしまいます。ミサイルはトータチスに直撃し、その被害は甚大なものに。こうして牛若の試験は、こうしたパニックの中で進められることになるのでした。
空気や重力がないという過酷な環境が少しずつ牛若を追い詰めていくところは怖いです。宇宙空間に投げ出されると呼吸ができないという問題も去ることながら、強烈な紫外線は皮膚を火傷させてしまいます。
重力がないことの恐怖も描かれていましたね。一度、推進力が生まれると、宇宙空間では逆方向に推進力を作用させないと止まれなくなってしまいます。宇宙空間に投げ出されてしまうのも怖いし、ブレーキが効かず、そのままの勢いで何かに衝突してしまうのも恐ろしいですよね。
宇宙空間の恐怖をリアルに描いているところも、『おいら宇宙の探鉱夫』の面白さだといえるでしょう。
全6話制作の予定が2話で打ち切り?
記事冒頭のWikipediaから引用にもある通り、『おいら宇宙の探鉱夫』は全6話で制作される予定でしたが、結果的には2話で打ち切られてしまったようです。
本来なら、
に続き…
こちらのエピソードも制作される予定でした。
サブタイトルを見るだけでも面白そうですよね。しかし、商業的にOVAの売上が不振だったことが響き、残念な結末を迎えてしまいました。完全オリジナルといった路線で攻めたことやマニア向けの内容だったことも売上に影響したのかもしれませんね。
しかし、その事実は置いておいても『おいら宇宙の探鉱夫』はご覧になる価値のある作品だと思いますよ。
『おいら宇宙の探鉱夫』のまとめ
未来の宇宙開拓史というところに夢がある『おいら宇宙の探鉱夫』。未知の領域である宇宙空間を舞台に、リアリティーを追及して制作したことに好感が持てます。20年以上も前に発売された作品とは思えないくらいにクオリティーも高いです。
冒険活劇系アニメの王道をいく主人公像もハラハラさせられて楽しめるポイントだと思います。結果的には打ち切りとなってしまい、中途半端な終わり方をしてしますが、それでも観る価値は充分にある作品です。
記事内には本編動画のリンクも掲載しています。今回のは無料で視聴はできませんが、この機会にご覧になって、時代に埋もれてしまった名作を堪能してみては如何でしょうか。