『D-1 DEVASTATOR』とは?
当時、ライバル企業のバンダイに対抗して映像事業部を立ち上げたばかりのタカラ。子供向けの記事制作では実績があったスフィウス・LABから原案が持ち込まれ、それが採用されてカタチになったのが『D-1 DEVASTATOR』です。5億円ともいわれる巨額の費用が投じられ、メディアミックス作品として企画されました。
タカラが企画の中心的な役割を担い、サウンドトラックの発売をワーナーミュージック・ジャパン、漫画版の出版をアスキー、ゲームをウルフチーム、ガレージキット発売を海洋堂が担当するというかたちで製作がスタートします。OVA版は、タカラと縁が深いダイナミック企画が請け負うものの、実際には外部のアニメ制作スタジオへ発注されているようです。
スタッフにおいても、若手の注目株が集められました。漫画家として活躍していた幻超二さんをキャラクターデザインに起用し、メカニックデザイン関係では幡池裕之さん、他にもアニメーターとして有名な大張正己さんといった顔ぶれも集結しています。
OVA版『『D-1 DEVASTATOR』はまさに満を持して、万全な体制で制作がスタートしました。
しかし、セールス的には振るわず、タカラはこの作品のみで映像事業から徹底するはめになります。今回の記事では、そんな不遇なOVA作品について振り返っていきます。
OVA版『D-1 DEVASTATOR』の本編動画・ストーリー
Wikipedia - D-1 DEVASTATOR
OVA版『D-1 DEVASTATOR』が失敗した理由とは?
まずはWikipediaに気になる記載があったので引用しておきたいと思います。
あっという間に半年の時間が過ぎたり、さらに2~3年経過していたり、一度の視聴ではなかなか理解が追いつきません。ネタバレになってしまいますが、奈美の身体が半分サイボーグになってしまう経緯もなんだか消化不良ですしね。
子供向けというなら、SF路線に走るにしても分かりやすい構図にすべきですし、大人向けに舵を切るなら、玩具のような変形ロボットを全面に押し出すべきではないと思います。
結局はどの年齢層にも響かないアニメになってしまっていて、とても残念な印象が拭えません。
こうしてみると残念なOVAといったイメージしか持てないかもしれませんが、声優陣には、関俊彦さん・冬馬由美さん・冨永みーなさん・玄田哲章さん・塩沢兼人さん・大友龍三郎さんといった豪華な顔ぶれが並び、1990年代のアニメとは思えないほど映像クオリティーも高いです。
ストーリー的にも、玄人受けするような内容ともいえます。万人向けのコンテンツではありませんが、一部のコアなファンには刺さりそうですね。
『D-1 DEVASTATOR』の関連商品
コミック版
『空間凶機デバステイター』
ゲーム版
ガレージキット
デバステイター / バーサス
OVA版『D-1 DEVASTATOR』のまとめ
5億円もの巨額の制作費用が投じられたものの、商業的には失敗に終わってしまった『D-1 DEVASTATOR』。色々な要素を詰め込みすぎてしまい、全て収まりきらず、結果として中途半端なかたちになってしまったように思えます。そのタカラも、現在ではトミーと合併し、タカラトミーという社名になりました。2005年にはタツノコプロを買収し、一時は撤退した映像部門においても今は復活を遂げているようです。
ある意味、黒歴史ともいえるOVA版『D-1 DEVASTATOR』。記事内には本編動画も掲載していますので、この機会にぜひご覧になってみては如何でしょう。変形ロボットものやSF好きには堪らないと思いますよ。