「長浜ロマンロボシリーズ」永遠不滅の3作品をご覧あれっ!

「長浜ロマンロボシリーズ」永遠不滅の3作品をご覧あれっ!

今なお熱狂的な支持を集めている「長浜ロマンロボシリーズ」。分からない人には全く分からないと思いますが、アニメ好きの間では知らない者は居ないというシリーズで、全部で3作品あります。どれも永遠の輝きを放つ名作なんですよ。


長浜ロマンロボシリーズ

長浜忠夫という人物をご存じでしょうか?と、聞いたところで、知らないですよね?
長浜忠夫はアニメの監督です。「アニメの監督?宮崎駿は知ってっけど、長浜忠夫?」という方が多いのではないかと思います。

長浜忠夫を知っている。もしくはファンであるという方は、かなりアニメに精通されている方といって良いでしょうね。

かと言って長浜忠夫がマニアックな作品ばかりを作っているのかといえばそうではありません。作品名を聞けば、どれも見覚えのあるものばかりのはず。例えば代表作のひとつに「巨人の星」があります。

原作:梶原一騎(作)、川崎のぼる(画)
作画監督:楠部大吉郎
美術監督:小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降)
美術デザイン:小山礼司(68話以降)
撮影監督:清水達正
録音監督:山崎あきら
音楽:渡辺岳夫
構成(1話-85話)→演出(86話以降):長浜忠夫

巨人の星

「巨人の星」は一世を風靡しましたねぇ。この作品の前にも「オバケのQ太郎」や「パーマン」。また、その後も「ど根性ガエル」「侍ジャイアンツ」といった作品を手掛けヒットさせています。
どうです?知ってる作品ばかりではないですか?

その長浜忠夫が全話監督を務めた巨大ロボットアニメが3作品あります。これが人呼んで「長浜ロマンロボシリーズ」です。アニメファンの間でこのシリーズを知らない者はいないと言われるほどに絶大な人気を誇っています。

超電磁ロボ コン・バトラーV

実は、長浜忠夫は「侍ジャイアンツ」で一旦アニメに見切りをつけ、CM制作に移行しているんです。
アニメ界にカムバックしたのが1975年。カムバックして最初に関わったのは「勇者ライディーン(1975年放送)」です。
ただし、この作品は全50話のうち長浜忠夫が参加したのは第27話から第50話の後半です。それもあってか「勇者ライディーン」は「長浜ロマンロボシリーズ」には含まれません。

「長浜ロマンロボシリーズ」は、1976年4月から1979年1月までの3年間、テレビ朝日系で放映されたテレビアニメシリーズの総称とされています。
「勇者ライディーン」の次に手掛けた、「超電磁ロボ コン・バトラーV(1976年4月~1977年5月まで放送)」がシリーズ第1弾となります。

原作:八手三郎
監督:長浜忠夫
キャラクターデザイン:村野守美、成田マキホ
アニメーションキャラクター:安彦良和
メカニックデザイン:スタジオぬえ
製作:NET→テレビ朝日、東映、東映エージエンシー
放送局:テレビ朝日系
発表期間:1976年4月17日 - 1977年5月28日
話数:全54話

超電磁ロボ コン・バトラーV

5人の若者がそれぞれ5台のバトルマシンに乗り、それらのマシンが合体して巨大ロボとなる。このコンセプトは2年前に放送された「ゲッターロボ(長浜忠夫の作品ではありません)」に基づいています。
内容的な特徴としては、主人公サイドの描写だけではなく、敵サイドにもドラマ性を取り込んだことが挙げられますね。これは、3年後に放送が開始される「機動戦士ガンダム(長浜忠夫の作品ではありませんよ)」にも大いに受け継がれています。
つまりアニメは、作品ごとに切磋琢磨しながら進化しているんですね。で、「超電磁ロボ コン・バトラーV」は、その後の多くのアニメに影響を与えたというわけです。

脚本を辻真先。キャラクターデザインは、「機動戦士ガンダム」などで知られる安彦良和と、「勇者ライディーン」に関わったスタッフが多数参加しています。
で、特筆すべきはキャラクターです。中でも「大将軍ガルーダ」。敵なのにカッコいい。多くの女性ファンを獲得したガルーダは、美形キャラの先駆けと言われています。
更に、ヒロインの「南原ちずる」。今なおアニメヒロインの代名詞と言えるほどの人気を誇っています。

超電磁マシーン ボルテスV

5人の心がひとつになると、「レッツ、コンバイン! 」の掛け声とともに5台のバトルマシンが 合体するという「コン・バトラーV(ブイ)」に続いて制作された長浜ロマンロボの第2作目「超電磁マシーン ボルテスV」。コン・バトラーとは違い、ボルテスのVは、「ブイ」ではなく「ファイブ」です。
そして掛け声は「ブイ・トゥギャザー!」で、ボルトマシンがV字編隊を組み「レッツ・ボルトイン!」で合体するという。こうした掛け声はカッコイイというか、誰もが思わず言いたくなりますよね。

原作:八手三郎
監督:長浜忠夫
キャラクターデザイン:聖悠紀
アニメーションキャラクター:佐々門信芳、金山明博
メカニックデザイン:メカマン(大河原邦男)、スタジオぬえ
製作:テレビ朝日、東映、東映エージエンシー
放送局:テレビ朝日系
発表期間:1977年6月4日 - 1978年3月25日
話数:全40話

超電磁マシーン ボルテスV

「コン・バトラーV」との違いは合体時の掛け声だけではありません。最も大きな違いはストーリー展開でしょう。
「コン・バトラーV」は、一話完結のエピソードが多かったのですが、「ボルテスV」は連続物というか、大河ドラマとして大きなうねりを作り出しています。
更に、敵であるボアザン星の設定では、貴族(ツノがある者)が一般人(ツノなし)を支配するという差別問題をとりいれているんです。当時としては類を見ない作品となっているんですよね。「ボルテスV」が現在でもアニメブーム黎明期の大傑作と評価されているのも頷けますね。

勿論「コン・バトラーV」が大成功を収めたことで、類似点は多々あります。5人の若者が主人公であるとか、彼らが乗る5台のマシーンが合体して1体のロボットになるとか、基本設定は踏襲しています。敵が美形というのもそのひとつですね。

敵の美形キャラ、プリンス・ハイネル。圧倒的な人気を誇りました!ハイネルは、実は敵として戦いつづけてきた主人公の異母兄という衝撃の事実が最終回で明かされます!

ボルテスVの最強の武器は剣です。天空剣という巨大な剣で、唐竹割り、一文字斬り、Vの字斬り、二段斬り、超電磁ボールVの字斬りといった剣技を繰り出します。
実は、ロボットアニメにおける決め技として、剣で斬るパターンを創出したのがボルテスVなのですよ。
因みにキャラクターデザインは、「超人ロック」で知られる漫画家の聖悠紀です。

闘将ダイモス

シリーズ第3弾にして最終作となるのが「闘将ダイモス」です。「ブイ」も「ファイブ」もついてないのが、ちょっと寂しいです。

内容はロボットアニメ版のロミオとジュリエットとなっています。男女の愛がテーマ。しかも異星人同士の恋愛というわけです。ちびっ子向けとはいえないですね。中高生がターゲットだということが明確となっています。
もう善と悪の単純な戦いというものではないんです。ドロドロの人間関係が描かれています。
陰謀によってバーム星との戦争に発展していくのですが、戦時下でも地球との和平を求めるレジスタンス運動や民主化運動が存在するという深い話にもなっています。

原作:八手三郎
監督:長浜忠夫
キャラクターデザイン:聖悠紀
アニメーションキャラクター:金山明博
メカニックデザイン:スタジオぬえ、出渕裕
製作:テレビ朝日、東映、東映エージエンシー
放送局:テレビ朝日系
発表期間:1978年4月1日 - 1979年1月27日
話数:全44話

闘将ダイモス

スタッフに殺陣師として高橋一俊が参加しています。高橋一俊といえば「仮面ライダー」の変身ポーズを考案したことでも有名な方です。なぜそんな殺陣師がアニメ作品に参加しているのかと言えば、高橋一俊の動きを撮影したものをトレースしてアクションシーンを描いているからなんですよ。手間かけてますね。

「闘将ダイモス」に続いて、長浜忠夫は「未来ロボ ダルタニアス」の総監督を務めます。「長浜ロマンロボシリーズ」に加えても良いのではないかという作品ではありますが、長浜忠夫は「ベルサイユのばら」に参加するために途中降板していますからねぇ。。。
ただ、途中降板してまで参加した「ベルサイユのばら」も、演出の方針の違いから対立し途中降板しています。
長浜忠夫、難しい人だったようですね。もっとも天才の仕事とはそういったものかもしれません。途中降板は残念ですが、残された作品はどれもこれも永遠の輝きを放っていますから問題なしです。

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