『修羅の門』とは?
『修羅の門』
最年少のヘビー級・統一チャンピオン
世界チャンピオンというと聞こえはいいですが、プロボクシングの運営する団体は主要なところでも3つあり、それぞれの団体に世界チャンピオンが存在しています。今回の統一王座決定戦は、団体の枠組みを超え、統一チャンピオンを決めるための試合となることから、最強のボクサーという称号を手に入れることになります。
どのような結末を迎えても、これまでのアメリカのボクシングの歴史を塗り替える試合になるのは間違いないです。ただ、アメリカ人にとってのヘビー級王座は聖域といえるもので、九十九が勝つことを歓迎しないボクシングファンも多く、それは試合を運営するプロモーター側や審判すらも同じような考えをしていました。
そんな波乱含みのベビー級・統一王座決定戦の幕は切って落とされるのでした。
陸奥九十九VSアリオス・キルレイン
試合開始のゴングが鳴ると積極的に攻勢をかける九十九。しかし、それが仇となり、前回の記事で紹介した龍造時巌との戦いで、九十九は左拳が折れていて完治していないことを見抜かれてしまいます。
この攻防を経て、アリオスは九十九がボクサーではないことを改めて再認識するのでした。気持ちを切り替えたアリオス。得意の高速コンビネーション5連打を繰り出すと、九十九はクリーンヒットを許してしまいます。
ここで九十九はアリオスの攻撃に対して意外な反応をみせます。
(ボクサーなら誰もあんたには勝てないだろう。)
(俺にもあんなまねはできない…)
(というよりは、俺は5発も打つようなことはしない…)
しかし、これはボクシングの試合。九十九は関節技を極める刹那、アリオスの左腕をサッと放します。
九十九がニヤリと笑ったその意味とは…
九十九は暗にアリオスに対して、このようなメッセージを投げかけていたのです。
実際にアリオスの腕を折ってしまったら反則負けになってしまうので、敢えて、逆間接を極める刹那に放してプレッシャーを与えるという手段に出ました。あまりに一瞬のことで審判も気づいていないようです。
ここで九十九はアリオスの懐に入り、ショートアッパーからのストレートといった流れに、あのマイケル・アーロンの腕すらも叩き折った陸奥圓明流・獅子吼を出そうとします。
この九十九の無茶苦茶なプランはアーロンに通用するのでしょうか。盛り上がってきたところではありますが、記事はここで締め括りたいと思います。続きが気になるようであれば、ぜひ原作コミックを読んでご自身の目で見届けてくださいね。
『修羅の門』第三部を読み直そう
残念ながら『修羅の門』はアニメ化されていませんので、原作コミックをじっくり読んでストーリー展開を楽しんでくださいね。
九十九とアリオスの決着も去ることながら、外伝である『修羅の刻』との繋がりも見られ、少年誌に残る屈指の名シーンを残しています。多くの読者の記憶に刻まれているはずです。
これまでにも数々の格闘技やボクシングを描いた漫画作品はありますが、このような夢のような展開を描いたコンテンツはありません。そして、神さまに喧嘩を売っている九十九の挑戦はこれで終わるわけではなく、アリオスと戦うことすら、彼にとっては通り道でしかありません。
この機会に、ぜひ『修羅の門』の原作コミックを読んで、地上最強の夢に挑戦する九十九の活躍をご覧になってみてください。