あだち充が描くSF時代劇「虹色とうがらし」を覚えている?

あだち充が描くSF時代劇「虹色とうがらし」を覚えている?

あだち充さんといえば「タッチ」、「H2」などラブコメスポーツ漫画が有名ですが、「虹色とうがらし」はちょっと異色の作品。こちらも少年サンデーで連載していました。異色ではありますが、あだち充さんらしさもあふれる作品ですよ!


「虹色とうがらし」の連載時期は?

「虹色とうがらし」は週刊少年サンデー1990年4.5合併号から1992年19号まで連載していました。約2年の連載ですね。サンデーコミックスは全11巻。文庫版では全6巻です。あだち充さんの作品にしては短いほうですね。

「虹色とうがらし」の前の作品は水泳漫画の「ラフ」。次の作品は「H2」です。やはり他はスポーツ漫画ですよね。

「ラフ」は実写映画化されていますし、「H2」はアニメ化もドラマ化もされていますよね。他の作品もアニメ化、ドラマ化されている作品が多いので「虹色とうがらし」はどうしても地味な印象かもしれません。ですが、この作品が一番好き!という人もいる人気作ですよ。

「虹色とうがらし」はどんな話?

「虹色とうがらし」は時代物というのは覚えているけれどどんな話か忘れてしまったという方もいるかもしれません。どんなお話しなのか紹介していきますね。

「虹色とうがらし」の舞台

「虹色とうがらし」の舞台は江戸時代、だと思っている人も多いかもしれませんがじつは未来という設定です。地球ではなく、地球によく似た星の江戸という場所が舞台になっています。

他のあだち充作品は現代の日本が舞台ですが、「虹色とうがらし」だけは架空の世界のお話なんですね。

作中に「時代考証口出し無用」という札が出てくるので江戸時代の話となると時代考証をしなくてはいけないのが面倒だったのかもしれないなと思ってしまいます。

時代漫画というと難しそう、重いんじゃないの?と思う人もいるかもしれませんが「虹色とうがらし」はコメディ要素も多いですし気軽に読める作品です。あくまで舞台が江戸に似た町、というだけですよ。

主人公は7人兄弟!

「虹色とうがらし」は江戸の町のからくり長屋にすむ7人の兄弟(全員母親は別!)の物語です。

ちなみに兄弟の名前は、胡麻、麻次郎、芥子の坊、七味、菜種、陳皮、山椒です。胡麻、麻、芥子、菜種、陳皮、山椒は七味唐辛子の原料として使われることが多い素材です(七味唐辛子の原料がメーカーなどによって違うようです)。ネーミングがなんともあだち充さんらしい感じがしますよね。ちなみに、菜種だけが女の子であとは男の子です。

そして江戸では七味唐辛子を「なないろとうがらし」と呼んでいたそうです。タイトルはここからきているのでしょうね!

「虹色とうがらし」のあらすじ

主人公である四男の七味は母親を亡くし、母から生前聞いていた兄弟に会うため、長屋にやってきます。

長男の胡麻は22歳。一番下の六男の参照はまだ3歳。全員母親を亡くし、この長屋で住んでいました。七味がやってきて兄弟が全員そろったのです。

兄弟たちはみな、父親が誰なのかは知りません。

7人はそれぞれの母親の墓参りの旅に出ることになります。それは父親が誰かという手掛かりをする旅にもなります。そして7人は旅の道中に命を狙われることに!ですが7人ともみんな強いのです。生死をかけた戦いなので緊迫感がありますよ。

他の漫画でいうスポーツのシーンが戦いのシーンになっている感じですね。

さらに7人の中で1人血がつながらない人がいるということも分かってきて・・・というストーリーです。

主人公の七味は紅一点の菜種(13歳)と喧嘩ばかりしています。兄妹ものというのがまたあだち充作品らしい感じなんですよね。

最後は打ち切りで終わったの?

「虹色とうがらし」は打ち切りになったという噂がありますが、実際はどうなのでしょうか。「打ち切りになった」とは公表されていないので実際のところは分かりません。

打ち切り、と言われる理由は11巻と短めなことと、終わり方が唐突で詳細が語られていないからではないかと思います。

ラストはどうなった?

「虹色とうがらし」のラストで、菜種は自分だけが本当の兄妹ではないことを知ってしまいます。10年以上兄妹として育ってきた菜種は初めは気丈にふるまいますがショックを隠せません。しかも、他の兄妹は将軍の子供だったのです。

他の兄妹の墓参りを終え、七味と菜種は七味の母親の墓参りに行きます。そこで、七味のことが好きな幼馴染の絵美と菜種が話します。そして菜種は絵美に自分だけ本当の兄妹ではなかったこと、七味が好きなことを打ち明けます。

その後、菜種がさらわれてしまい七味が助けに行きます。ここで七味は菜種のことを「惚れた女」というんです。なんかこのお互い告白のような告白ではないようなもどかしさがあだち充ワールド全開です。

その後、2人な菜種の実の兄に助けられます。ですが菜種の実の兄は2人は関係ないといって去っていきました。

ラストは戦いが終わっていつもの長屋。七味と菜種は相変わらず喧嘩をしながらも楽しく暮らしている様子が描かれています。

そして、予知能力のある麻太郎が七味と菜種の結婚式の絵を描いているというところでお話は終わります。

この終わり方が唐突で打ち切り?といわれるんでしょうね。

ですが私はタッチのラストでたっちゃんの部屋に飾ってある甲子園優勝のプレートを彷彿するシーンだと思います。余韻を持たせるラストがあだち充さんらしいですよね。

打ち切りかどうかは分かりませんが、スポーツ漫画とはまた違うあだち充ワールドが楽しめる作品ですよ!

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「虹色とうがらし」を一気読みしたい方はこちらをどうぞ!

マンガ『タッチ』の最終回ってどうだった? - Middle Edge(ミドルエッジ)

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