『修羅の門』とは?
『修羅の門』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%AE%E7%BE%85%E3%81%AE%E9%96%80
準決勝の第ニ試合で起きた番狂わせ
徹心が重厚な正拳を打ち出すと、それに合わせて無名選手は九十九が羽山・飛田選でみせた蛇破山をつかって反撃しました。無名選手が「不破圓明流・裏蛇破山・朔光」と技名を告げると周囲がどよめき始めます。準決勝で徹心の対戦相手になったのは、九十九が継ぐ陸奥の技の分派となる不破圓明流をつかう不破北斗ということが明らかになりました。
これで本腰を入れた徹心は、神武館の空手の技にはない組み技・投げ技や圓明流の技まで不破に仕掛けようとします。この猛攻に対し、不破は「猫でも抱いて日向ぼっこするのがお似合いになるようにするつもりだったが、気がかわった。死ね。」と言い、一切の躊躇をせず、圓明流の技を振るいます。たちまちに徹心の分が悪くなっていき、不破に追い詰められる展開になっていきました。
不破の攻撃に対して、その後に反応し、不破の攻撃が当たる前に徹心の正拳を打ち込むという図式となるために徹心には不利。しかし、数十年に渡って現役の格闘家である徹心がまとう格や気迫といった要素が不破を躊躇させていました。
意を決した不破は、徹心の狙いと同じであろう正拳を打ち込んできます。待ち構えていた徹心も正拳を打ち、結果として、不破は徹心の正拳によって後方に吹き飛びます。後から放ったにもかかわらず、徹心の正拳は、不破を仕留めたかのように見えました。しかし、不破は正拳をもらった胸を押さえながらも立ち上がり、不破の指は徹心の鮮血に染まっていました。
不破は正拳を打ちましたが、途中で狙いを変え、正拳から指を伸ばして徹心の目をえぐっていたのです。振り向いた徹心は左目から血を流しており、その目は永遠に光りを失ってしまったようです。さすがの徹心もこれ以上戦う意志はなく、自らの意志で舞台を降りたため、不破が決勝戦に進出することになりました。
こうして大会の準決勝・第二回戦は幕を閉じ、九十九の決勝戦の相手は徹心だと思われていましたが、圓明流同士の同門対決が実現する運びとなったのです。
陸奥九十九VS 不破北斗
試合ではなく殺し合い
決勝戦を見守る神武館の天才・海堂は対戦する両者をこのように表現します。
九十九は「人を斬ることを最大の目的としながらも、見る者に清冽な感動を与えることができる」と。それに対し、不破のことを「人を大量に殺傷することを目的に作られたマシンガンのよう」と言います。
試合が始まると、九十九は激戦続きだったことが信じられない動きをして、不破を圧倒して見せるのでした。常軌を逸したパワー・スピード・テクニックをみせる九十九でしたが、それでも不破に致命傷となる攻撃を極められず、不破は余裕の表情を浮かべています。
陸奥にない不破の技
巴投げが失敗したかのような体制で二人は倒れこんでしまうのですが、不破が「不破圓明流・神威」と言うと、不破の体に覆いかぶさっていた九十九は吐血するのでした。
不破圓明流の神威は、右足で虎砲を放つといったもので、腕の数倍の筋力がある足で打つことでパワーは大きくなります。さらに巴投げを装って仕掛けることで、投げられることを防ぐため、足を絡めてしまうといった行為が、逆に自分自身の体を固定してしまうことになってしまうのです。
これで試合は決まり、舞台から降りようとする北斗。しかし、九十九は立ち上がって戦いを続ける意思を表します。
九十九は「あまい…本気で勝つ気なら倒れているときに頭を踏みつぶすくらいはしなければダメだ」と言います。不破は「口だけは達者だな。」「しかし、その体でなにができる…しかも、人を殺せぬ男が。」と返すのでした。
ある日、陸奥の名を継ぐ者を決めるため、真剣勝負をする冬弥と九十九。しかし、冬弥は強く、九十九はただただ圧倒されるのみでした。そして、勝負が決しようとしたそのとき、九十九は龍の化身とも見える動きをみせ、手のひらで頭部を地面に押しあてた状態から、ヒザを落とす陸奥圓明流・岩颪を極めてしまうのでした。この技を受けたことで、残念ながら、冬弥はそのまま死んでしまいました。
それに対して、不破は「人は不死身ではありえない…お前が立ち続けるなら、お前が死ぬまで攻め続けよう。」と言います。
そこで九十九は「死ぬのはお前だ。」と返して、彼の中で何かが目覚めるのでした。
激しい攻防をみせる圓明流同士の戦い。果たして、どのような結末を迎えるのでしょうか。
良いところではありますが、今回の記事はここで締め括りたいと思います。もし続きが気になるようであれば、ぜひ原作コミックを読んでご自身の目で結末を見届けてください。
『修羅の門』第二部を読み直そう
残念ながら『修羅の門』はアニメ化されていませんので、原作コミックを読んで試合展開を楽しんでください。
第二部の締め括りとなった九十九VS不破戦を振り返っていきましたが、修羅が目覚めるまでのプロセスは如何だったでしょうか?
この試合の結末を知ることで、読者が考え、本編から感じることは多いと思います。「死ぬ」「殺す」といった言葉が飛び出しますが、決して人命を軽んじている作品ではないということは理解するべきだと思います。
ぜひこの機会にご覧になって、陸奥圓明流や陸奥九十九の伝説を見届けてください。