『修羅の門』とは?
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『修羅の門』物語の始まり
神武館館長の孫である龍造寺舞子は、たまたま街で道に迷った青年・陸奥九十九に声をかけられ、神武館の道場の場所を尋ねられます。道案内の道中で舞子は「入門ですか?」と聞くと、その九十九は「ぶったおしに」と答えるのでした。
二人が神武館の道場に到着すると、毅波秀明が道場破りにきており、倒されている門下生がいて、まさに看板を持ち去られるところ。舞子は館長の孫という立場から毅波と戦おうとしますが、道案内して連れてきた九十九に止められ、その代わりに自分が戦うと言い、毅波と九十九の立ち合いが始まるのです。
道場破りを蹴散らす九十九
毅波は足を引きずって退散しようとしますが、その場に現れた生きる武神・龍造寺徹心に「次にくるときはその程度では済まさない」と言います。毅波は徹心の格闘家としての風格の違いやその言葉に恐怖を覚えて引き上げていきました。
九十九は祖父である陸奥真玄から預かってきたという手紙を龍造寺徹心に渡します。手紙の内容は、九十九を預けるといったことに加え、九十九本人には神武館をぶっ倒してこいと言ってあることが書かれていました。
こうして九十九は神武館で居候を始めることになり、物語は動き始めていくのでした。
陸奥九十九VS木村
指導員・木村の挑発
九十九は早朝からのトレーニングで4時間のランニングをしており、疲弊して状態のはずなのに、「全員の体に教えてやる」と返し、無謀な百人組手が始まってしまいます。しかし、九十九の圧倒的な強さの前に百人の門下生は次々に倒していき、残りは指導員である木村だけになりました。
すでに勝負は着いていましたが、九十九は腕を極めた力を緩める様子はありません。そして、九十九は木村に対してこう言います。
「あんたには本当の陸奥圓明流をみせてやる約束だったね。圓明流は相手が倒れても背を向けたりしない。そして、関節を極めたら…折る」という言葉とともに木村の腕を折ってしまいます。そして、九十九はまだ仕合いを切り上げる様子はありません。九十九の言葉は続き、「あんた圓明流は伝統と格式だけで格闘技なんてもんじゃない…そう言ったね。」と、木村が九十九をけしかけたときの発言を繰り返します。そして、九十九は「その通りだよ。圓明流は格闘技なんかじゃない…人殺しの技だ!」と言うと拳に力を込めてとどめを刺そうとしますが、その瞬間に木村は恐怖のあまりに意識を失ってしまいます。
とどめを刺そうとしていた九十九も、本気で木村の命を奪うつもりはなく、ポカンと頭を小突いて「冗談の分からないやつだな」と言い、ようやく仕合いの幕を降ろすのでした。
木村の腕を叩き折った九十九
最後に腕を極められた時点で勝負は着いていまいしたが、ここで仕合いを終わらせず、木村の腕を折ったことの意味を考えると面白いです。
「陸奥圓明流は伝統と格式だけで格闘技なんてもんじゃない」という台詞の重みを改めて感じてしまいます。後々に分かってくることですが、陸奥圓明流は、無手で人を効率的に倒す(殺す)ことを考えてきた千年不敗を誇る技です。九十九は陸奥圓明流を自分の代で終わらせることを胸に秘めており、その技を継承する最後の人間として、自分がするべきことは世界中の強者と戦って地上最強であると証明することと考えています。
九十九は一族の末裔として、これまでの歴史を全て背負っていたからこそ、木村の発言を受け流せなかったのだと思います。怒りという感情の他にも、圓明流が辿ってきた千年の歴史の意地や重みといったものが、九十九に木村の腕を叩き折らせたのではないでしょうか。
『修羅の門』を読み直す?プレイする?
残念ながら『修羅の門』はアニメ化されていませんので、原作コミックか、メガドライブのゲームをプレイするといった楽しみ方に限られます。
伝説の幕開けとなる九十九VS木村戦を中心に振り返っていきましたが、如何だったでしょうか?序盤中の序盤だというのに、一気に体温が上がったように感じられ、改めて、原作コミックの全巻を読み直したい気分になってきます。
読んだことがないなら、この機会にぜひ読んで、陸奥九十九の伝説を見届けてください。