ソロ・アーティストとして成功するまでのロッド・スチュワートをご覧ください。

ソロ・アーティストとして成功するまでのロッド・スチュワートをご覧ください。

スーパースターの代名詞のような存在のロッド・スチュワート。煌びやかですよねぇ。しか~し、そんな彼にも下積み時代はありました。貴重な音と映像で振り返る若き日のロッド・スチュワート。


ロッド・スチュワート

特徴的な女泣かせのハスキー・ボイス。セクシーな男性ボーカリストの代名詞でもあるロッド・スチュワートは、泣く子も黙る、押しも押されぬスーパースターです。

出生名:ロデリック・デイヴィッド・スチュワート(Roderick David Stewart)
生 誕:1945年1月10日

ロッド・スチュワート

彼のファースト・アルバムは1969年リリースの「アン・オールド・レインコート・ウォント・エヴァー・レット・ユー・ダウン」で「ロッド・スチュワート・アルバム」とも呼ばれています。
残念ながら翌年のセカンド・アルバム「ガソリン・アレイ」ともども商業的にはあまり芳しいものではありませんでした。
しかし、1971年にリリースされたサード・アルバムの「エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー」及びシングル・カットされた「マギー・メイ 」は共に全英、全米でナンバー・ワンとなる大ヒットを記録しています。

いい曲ですよねぇ。そして、流石、流石の歌いっぷり。ロッド・スチュワートの輝かしいソロ・キャリアはここから始まるわけですが、それ以前には下積みといいますか、なかなか厳しいバンド時代があったんです。

スターになる前のロッド・スチュワートの事を知りたいという人が居るのかどうか分かりませんが、コアなファン以外には余り知られていないソロ・アーティストとして成功するまでのロッド・スチュワートをご紹介します。

ザ・ファイブ・ディメンションズ

様々な仕事を転々とした後、ロッド・スチュワートはスペインのフォーク歌手ウィズ・ジョーンズと2人でヨーロッパ各地を回ります。これが音楽活動の始まりですね。しかし、それは決して恵まれたものではなかったようです。

イギリスに戻った彼は、後のジミー・パウエル・アンド・ザ・ファイブ・ディメンションズであるザ・ディメンションズに参加することになります。ザ・ディメンションズはセミプロバンドです。

イギリスの関係者からは、ジミー・パウエル・アンド・ザ・ファイブ・ディメンションズは「間違いなく60年代半ばの最も過小評価されているイギリスのリズムとブルースバンドの1つだ」という高い評価も聞かれますが、過小評価もなにも日本ではま~ったく知られていませんね。

 1963年8月/ 9月-左から:マイクウェッブ、ゲイリーレポート、ルイチェンナモ、ロッドスチュワート、ブライアンカッテンホーン

ザ・ディメンションズ

ロッド・スチュワートが参加したのは1963年7月のことで、ザ・ディメンションズの第4期になります。

それまでのザ・ディメンションズは、ビートルズ風の音楽をやっていました。が、メンバーのゲイリー・レポートがブルースやジャズを演奏したかったため、友人だったブルース好きのロッド・スチュワート(ボーカル、ブルースハープ)を迎え入れたのです。

ザ・ディメンションズに転機が訪れたのは1963年9月。それまでプロのソロ歌手として活動していたリズムアンドブルース歌手のジェームズ(ジミー)・パウエルとチームを組むことになります。チームとは言ってもバックバンドですよねぇ。そして、それを機にバンド名をザ・ディメンションズからザ・ファイブ・ディメンションズへと変更しています。

プロになれたとはいえ、ジミー・パウエルとザ・ファイブ・ディメンションズではロッド・スチュワートがリード・ボーカルをとることは出来ないということで、1963年11月にあえなく脱退。半年にも満たない活動でした。

ジミー・パウエルとザ・ファイブ・ディメンションズの唯一のシングル「THAT'S ALRIGHT」は1964年6月にイギリスでのみリリースされました。

フーチー・クーチー・メン

クラブでブルースを歌った最初のイギリスのボーカリストの1人と言われているのはロング・ジョンことジョン・バルドリーです。彼はイギリス系カナダ人のブルース歌手兼声優で、フーチー・クーチー・メンというバンドを率いていました。
フーチー・クーチー・メンは、日本でもザ・ファイブ・ディメンションズよりは随分と有名ですよ。ロング・ジョンは「Let the Heartaches Begin」という全英1位曲を放っていますからね。

で、そこにロッド・スチュワートが参加したのは1965年のことで、シングル「グッド・モーニング・リトル・スクールガール」をリリースしています。

しかし、まぁ、この曲はヒットせずロッド・スチュワートは早々に脱退、というかバンドは解散することに。

フーチー・クーチー・メンをはじめ、この時期(64年から68年)のレコーディングをまとめた便利なアルバム「A SHOT OF RHYTHM & BLUES」が後にリリースされています。

1. So Much To Say
2. Keep Your Hands Off Her
3. Why Does It Go On?
4. Little Miss Understood
5. Bright Lights, Big City
6. Don't You Tell Nobody
7. Shake
8. I Just Got Some
9. Ain't That Lovin' You Baby
10. Mopper's Blues
11. Just Like I Treat You
12. Come Home Baby (feat. P.P. Arnold)

A SHOT OF RHYTHM & BLUES

1967年のP.P. ARNOLDとのデュエット「COME HOME BABY」や1968年にシングルとなったソウル・ポップ「LITTLE MISS UNDERSTOOD / SO MUCH TO SAY」など、なかなか興味深い曲が収録されていますよ。

スティームパケット

スーパースターになるのは楽じゃない。まだまだロッド・スチュワートの苦悩の日々は続きます。

1965年、フーチ・クーチー・メンで一緒だったロング・ジョン・バルドリーに、ジュリー・ドリスコール、ブライアン・オーガー(オルガン)とともにスティームパケットを結成。

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