ウォール・ストリート・ジャーナル
創刊されたのが1889年7月だそうですから、かれこれ130年にもなる老舗の経済新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」。発行部数はアメリカ最大、というか世界最大だそうです。

ウォール・ストリート・ジャーナル
そのウォール・ストリート・ジャーナルが2018年10月1日にウォール・ストリート・ジャーナルの「史上最も人気のある100のロックバンド」なる記事を掲載しました。面白いのはアルバムの売上枚数でランキングを決めるのではなく、WikipediaのページビューやオンラインストリーミングプラットフォームSpotifyでの人気など様々な基準に基づいた統計計算で決められている点です。
また、ランキングにはそのバンドのアメリカで最も人気のあるアルバムがピックアップされていましたので、併せてご紹介します。
第10位 エアロスミス
第10位はエアロスミスですね。1970年に結成され1973年1月にデビューを果たした、アメリカを代表するロック・バンド。愛されてますねぇ。アメリカでのアルバム総売上枚数は6,650万枚だそうですから流石です。最も人気の高いアルバムは「グレイテスト・ヒッツ1973-1988」。ベスト・アルバムです。

グレイテスト・ヒッツ1973-1988
ベスト・アルバムは何種類も出ていますが、やはり初期の方が人気が高いようです。現在でもライブの定番となっている曲がズラリと収録されています。
第9位 ガンズ・アンド・ローゼズ
第9位は1985年に結成されたガンズ・アンド・ローゼズ。エアロスミスの弟分のようなバンドですが、アメリカ国内での総アルバム販売数が4,450万枚ということですからアメリカ人はこの手の音楽が大好きなんですね。
最も人気が高いのは彼らのファースト・アルバムである「アペタイト・フォー・ディストラクション」で、このアルバムはアメリカだけでも1,800万枚、全世界累計だと2,800万枚以上を売り上げています。

アペタイト・フォー・ディストラクション
アルバムのオープニング・ナンバーである「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」は彼らの代表曲のひとつでシングル・カットもされましたが、当初は人気が出なかったのですが、ミュージック・ビデオが放映されると一気に人気に火がつきました!
なんか既に大物の風格がありますよね。いや、確かにカッコイイです。
第8位 メタリカ
世界的に最も成功を収めたメタルバンド、メタリカ。アメリカ国内でのアルバム総売上は6,300万枚。全世界だと軽く1億万枚を超えます。そう言えば、彼等もまたガンズ・アンド・ローゼズと同様にロサンゼルス出身のバンドですね。
最も人気の高いアルバムは1991年にリリースされた通算5枚目となる通称「ブラック・アルバム」と呼ばれている「メタリカ」です。

メタリカ
このアルバムは製作費に100万ドルも費やしたのだそうですよ。1億円以上ですからね、スゴイです。シングル・カットされた「エンター・サンドマン」は、彼らの最大のヒットとなっています。
第7位 イーグルス
日本でもアメリカを代表するバンドといえば、真っ先に名前が上がるのではないかと思えるイーグルス。アメリカ国内でのアルバム総売り上げ枚数、実に1億100万枚。流石です。最も人気の高いアルバムは「ホテル・カリフォルニア」ではなく、「グレイテスト・ヒッツ1971-1975」です。

グレイテスト・ヒッツ1971-1975
「ホテル・カリフォルニア」が出る前までのベスト盤ですね。アメリカでの売上枚数3800万枚。これはマイケル・ジャクソンの「スリラー」を抑えてアメリカでの売上枚数歴代1位なんですよ。
1972年にリリースされたイーグルスのデビュー曲「テイク・イット・イージー」です。それにしてもガンズ・アンド・ローゼズ、メタリカと同じくカリフォルニア州はロサンゼルスの出身なのに随分と音楽性が違いますね。ロサンゼルスの二面性とでもいいましょうか。でも、まぁ、カリフォルニアといえば、やっぱりこの爽やかな感じですよね。
第6位 AC / DC
アメリカでのアルバム総売り上げ7,200万枚。オーストラリアのバンド・AC / DC が第6位です。あれ?イーグルスの方が売上枚数多いじゃない!と思われた方、そう、そこの貴方、これは何故かというとですねAC / DCはWikipedia年間閲覧数が多いんです。実に6,534,987回。これはベスト10の中では第2位となる閲覧回数です。
そんなAC/DCのアメリカで最も人気の高いアルバムは1980年リリースの6作目の「バック・イン・ブラック」です。

バック・イン・ブラック
アルバム・タイトル曲のイントロのギターリフは、いろんなところで使われて(パクられて?)います。
第5位 ザ・ローリング・ストーンズ
さぁ、第5位はザ・ローリング・ストーンズ。1962年の結成で今尚現役な訳ですから納得の順位ですね。アメリカでのアルバム売上総枚数は6,650万枚。最もアメリカで人気のあるあるアルバムは「ホット・ロックス」。ん?なんか以外な感じがしませんか?そうでもないですか?どのようなアーティストであってもベスト・アルバムが人気なのは分かりますが、数あるザ・ローリング・ストーンズのベスト・アルバムの中で何故「ホット・ロックス」なんでしょうかねぇ?

1971年リリースの「ホット・ロックス」はアメリカだけで1200万枚以上のセールスを記録しています。アメリカで最も売れたザ・ローリング・ストーンズのアルバムは実はこの「ホット・ロックス」なんです。それにしても何故このアルバムが売れたのか?1971年。確かに当時のストーンズには勢いがあった。前年にビートルズが解散して世界最高峰のロックバンドという称号を手に入れたことも大きく影響したのではないでしょうかね?
第4位 ピンク・フロイド
ピンク・フロイド。プログレッシブ・ロックというちょっととっつきにくいジャンルですが、流石にその道の先駆者といったところでしょうか。アメリカでの総売り上げ枚数7,500万枚で貫録の第4位です。

ザ・ウォール
アメリカで最も売れたアルバムは「ザ・ウォール」。もっともこれはレコードで2枚組と言う大作でありながら世界的な大ヒットとなりました。全世界ではなんと3,000万枚以上という驚異的な売り上げを記録しています。ヒットした理由は先行シングルの「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(Part2)」が全米・全英ともに1位をはじめとして世界的にヒットしたからですね。
勿論シングルだけではなく、アルバムとしての完成度は相当高い。しかし、それよりも当時はアルバム志向のピンク・フロイドがシングルヒットを出すなんて考えられなかったんです。つまり、それだけポップな楽曲が入ってるアルバムと言うことです。アルバムタイトルが示すように「壁」がテーマ。かなり重いんですけどね。
第3位 クイーン
映画「ヘミアン・ラプソディー」が世界中で大ヒットしたことで再注目されたクイーン 。アメリカでは7,800万枚ものアルバムを売り上げています。最も売れたアルバムは彼らにとって最初のベスト・アルバム「グレイテスト・ヒッツ」です。

グレイテスト・ヒッツ
このアルバムは全世界で売れていますが、彼らの母国イギリスでは歴代最も売れたアルバムなんだそうですよ。
それにしても映画「ボヘミアン・ラプソディー」は感動的ですたね。クイーンのことを知らなくとも楽しめる、感動する映画でしたが、これでもかと言わんばかりに惜しげもなく名曲を聴かされるとあっちゃ、そりゃぁ、もう、素晴らしいに決まってますわ。
第2位 レッド・ツェッペリン
アメリカでは神のような存在らしいですよ、レッド・ツェッペリン。ガンズ・アンド・ローゼズでもメタリカでもAC / DCでもレッド・ツェッペリンなしには存在しなかったでしょうからね。アメリカでのアルバム総売上枚数は、1億1,150万枚。お見事!どのアルバムも大ヒットしているレッド・ツェッペリンですが、もっとも人気の高いアルバムは1971年リリースの「レッド・ツェッペリン IV」だそうです。

レッド・ツェッペリンIV
このアルバムの売上枚数は、アメリカだけでも累計2,300万枚、全世界だと3700万枚とも言われています。人気の秘密は「天国への階段」という必殺の名曲が入っているということ抜きには考えられません。
「天国への階段」でも分かるように、アルバムはアコースティック・サウンドと、ハードなサウンドとの融合ということを試みており、まさに新境地を切り開いたといえる会心の出来栄えとなっています。
第1位 ザ・ビートルズ
そしていよいよ第1位ですが、そうです。やっぱり彼等です。ザ・ビートルズ。当然という感じですかね。アメリカだけでもアルバムの総売上枚数は1億7,800万枚。今尚Wikipedia年間閲覧数が 9,168,431 という。因みにこの数はダントツです。解散から50年も経とうとしているというのにです。そして、アメリカで最も人気があるアルバムは、「ザ・ビートルズ」。通称「ホワイト・アルバム」と呼ばれているあれです。え?うそ?まじ?2枚組やで!という言葉が矢継ぎ早に聞こえてきそうです。

THE BEATLES / ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)
そりゃ、ビートルズですからね。どのアルバムも捨て曲無し。それどころか全曲シングルにできそうなポップな曲ばかり。それがビートルズというもんでしょうが、「ホワイト・アルバム」が1番人気ってのは日本では考えにくいように思えます。そりゃ、「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」も「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」も「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープ」も「ブラックバード」だって入ってます。しかし「ホワイト・アルバム」とはねぇ。2枚組やでぇ!
このアルバムからはシングルカットはされていません(解散後に「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」がシングルとなっています)。にも関わらず、「ホワイト・アルバム」は2枚組としてはアメリカで最も売れたアルバムです。
う~ん、やっぱりビートルズ強し!ですなぁ。それにしても、1位から5位まで全てイギリスのバントというのが意外な感じですね。