1978年
1978年に何が起こったかといえば、それはもう4月に「ミルミル(ヤクルト)」が、8月に「赤いきつね」が発売されたことに尽きるでしょうね。

マルちゃん 赤いきつねうどん
で、音楽に関して言えば、1月に「ザ・ベストテン」が放送開始されまして、4月4日にキャンディーズが、8月31日にフォーリーブスが解散しました。ひとつの時代が終わった感があります。
が、しかし。その一方で新しいアイドルが生まれ、その後、日本を代表するアーティストに成長するミュージシャンがヒット曲を放ったり、1978年もまた激動の音楽業界となったのでした。
第10位 わかれうた
1975年に「アザミ嬢のララバイ」でデビューした中島みゆき の5枚目のシングル「わかれうた」がこの年62.7万枚を売り上げ、1978年の邦楽売上ランキングの第10位です。

わかれうた
実はこの歌、発売は1977年9月10日です。1977年度年間売上では93位でしたが、1978年度年間売上では10位となっています。
因みに、1977年11月25日に発売された松山千春の「時のいたずら」とコード進行がほとんど同じという面白いことが起こっています。この2曲は同時期に発売されていますからねぇ、何かあったのか?と思わず勘ぐってしまいますよね。
第9位 時間よ止まれ
大御所が続きます。矢沢永吉です。中島みゆき もそうですが、矢沢永吉もこれが初のヒット曲です。5枚目となるシングルで、この年63.9万枚を売り上げています。

時間よ止まれ
「時間よ止まれ」も、「わかれうた」同様に総トータルではミリオンを達成しています。
ところで、この曲のレコーディングに参加したミュージシャンが豪華です。当時の日本の最高のメンツといっていいでしょう。
坂本龍一(Keyboard)、後藤次利(Bass)、高橋幸宏(Drums)、斉藤ノブ(Percussion)、木原敏夫(folk Guitar)、相沢行夫(Guitar)。
第8位 Mr.サマータイム
デビュー当初から歌唱力には定評のあったサーカスのこれは2枚目のシングル。65.2万枚を売り上げて第8位となった「Mr.サマータイム」です。

Mr.サマータイム
カネボウ'78夏のキャンペーンソングとして使われたことで注目されたんですよね。この曲実は、日本語カバー曲で、フランスのミッシェル・フュガンの「愛の歴史」がオリジナルです。
改めて聴くと、ほんとに良い曲。「Mr.サマータイム」というだけあって、なんというか、夏のけだるい感じが洗練されたコーラスから漂います。そう、このコーラスが洗練されていなしと、けだるい感じが夏バテになってしまいますからね。
第7位 カナダからの手紙
作曲家として既に不動の地位を確立していた平尾昌晃が畑中葉子と組み自ら歌ったのが70万枚を売り上げた「カナダからの手紙」です。
もっとも平尾昌晃は1958年に歌手としてデビューしており、ロカビリーブームを担う程のスターだったわけですから、歌ったからと言って不思議なことは何もないのですが、ペアの畑中葉子には後々日本国民は驚かされることになります。

カナダからの手紙
デビュー当時は美人なんだか、そうじゃないんだか、判断が付かなかった畑中葉子。しかし、歌の上手さは保証付きです、なんと言っても平尾昌晃ミュージックスクール出身ですからね。
「カナダからの手紙」のヒットから僅か2年。畑中葉子はソロとして「後から前から」をヒットさせます。意味深な内容から深夜番組でしか歌えなかったそうです。この曲のヒットを受けて、ロマン・ポルノとして映画化もされています。あの清純で優等生を絵に描いたような畑中葉子が!と世間の男どもは驚いたのでした。
第6位 透明人間
昨年大ブレイクし、日本中を熱狂させたピンク・レディーは1978年も健在です。9枚目のシングル「透明人間」が80.0万枚の大ヒット。

透明人間
人気絶頂だったピンク・レディーにしては80万枚で第6位というのは物足りないようにも思えますが、この曲の発売が9月だったからですね。累計売上では115万枚といわれており、何がスゴイかと言って予約だけで当時としては記録的な60万枚を超えたそうですよ。
第5位 微笑がえし
キャンディーズの事実上のラストシングル「微笑がえし」が82.9万枚を売り上げて第5位です。

微笑がえし
歌詞にはキャンディーズの代表曲である「春一番」「わな」「アン・ドゥ・トロワ」「ハートのエースが出てこない」「年下の男の子」「やさしい悪魔」などがモチーフとして使われています。解散を控えたキャンディーズに対するはなむけといったところでしょうが、こうした歌詞は当時としては画期的でした。担当した阿木燿子、流石です!
第4位 君のひとみは10000ボルト
当時はまだアリスとして活動中の堀内孝雄がソロとして放った「君のひとみは10000ボルト」が第4位です。実はこの曲がソロとしては最初の曲なんですよね。

君のひとみは10000ボルト
この曲の作詞は谷村新司ですから、アリスとして発表してもよかったのではないかと思います。曲調もアリスっぽいですしね。が、あえてソロとしてリリースしたということは、それぞれにソロとしての活動を考え出した時期だったのでしょう。
因みに谷村新司が「陽はまた昇る 」でソロ・デビューを飾るのは翌年です。意外な感じがしますが、ソロとしての活動は堀内孝雄の方が早かったんです。
第3位 モンスター
さぁ、それでは、ベスト3の発表です。
第3位は、マイケル・ジャクソンの「スリラー」を彷彿とさせる笑い声から始まるピンク・レディーの「モンスター」。マイケルの「スリラー」は1982年のリリースですから、ピンク・レディーの方が早いわけです。だからどうしたって話ですが、「モンスター」は110万枚の大ヒットとなりました。

モンスター
冒頭の笑い声は、加工されてはいますが作曲した都倉俊一の声だそうです。
笑い声と叫び声から入る曲。更には独特な振り付け。ピンク・レディーの曲はよく練られていますね。思わず感心してしまいます。
サウスポー
さて、第2位も146万枚を売り上げたピンク・レディーの「サウスポー」。もう留まるところを知らないピンク・レディー・ブーム真っただ中だったわけですが、この曲は彼女たちにとって初のオリコン初登場1位曲でした。

サウスポー
ピンク・レディーの映像を見ていると、足がきれいだなぁと改めて思いますね。当時の子供たちには分からなかった大人の魅力が備わっていた訳です。あぁ、大人になって良かったと、シミジミ思う瞬間ですよ。
第1位 UFO
ビートルズが全米チャートの1位から5位までを独占したのは1964年の4月のことでした。それから14年後、日本ではピンク・レディーが年間シングル売上チャートの1位から3位までを独占したのです。
1978年の邦楽ヒット曲 ランキング。売上枚数第1位に輝いたのは、ピンク・レディーの「UFO」でした。

UFO
原由子、MAX、椎名林檎、CHINEPHILE、モーニング娘。、土屋アンナ&夏木マリなどなど多くのアーティストがカバーしていることでも知られている「UFO」。当時は冒頭の「UFO」という掛け声と、それに合わせた振り付けが流行り話題となりましたが、楽曲もキッチュです。とっても覚えやすいです。
スゴイ!1978年は、もう、驚異的にスゴイ ピンク・レディー活躍の年でした。この年は彼女たちのものです。気になるのは演歌です。この年1曲も演歌がランクインしていません。これは70年代初めてのことです。音楽事情が変わってきたということでしょうか?!
さて、翌年1979年にはどのような曲がヒットしたのでしょう?ピンク・レディーの快進撃は続くのか?演歌の巻き返しはあるのか?1979年も楽しみですね。では、それはまたの機会に。