男性の象徴、その語源は中棒?珍宝??様々の呼び名の語源について。

男性の象徴、その語源は中棒?珍宝??様々の呼び名の語源について。

久しぶりの民俗コネタコラムです。ご無沙汰しております。私は日本の祭礼について大学などで講義をさせていただいておりますが、大人の皆様から一番多く質問されることは「夜這いってあるの?」「祭の日にフリーセックス的なことって本当にあるの?」などなど・・・人間味あふれる疑問についてです。


久しぶりの民俗コネタコラムです。ご無沙汰しております。

私は日本の祭礼について大学などで講義をさせていただいておりますが、大人の皆様から一番多く質問されることは「夜這いってあるの?」「祭の日にフリーセックス的なことって本当にあるの?」などなど・・・人間味あふれる疑問です。

祭礼は「五穀豊穣・子孫繁栄」を願うことが多い

個人的にはそれらを実際に目の当たりにしたことはありません。しかし、神奈川県川崎市の金山神社の「かなまら祭り」(本年は4月にすでに終了)に代表されるような男根信仰もありますしね。

なにより、祭礼では「五穀豊穣・子孫繁栄」を願うことが多い。である以上、子孫繁栄・・・行為はヒトツですよね。それに、かつては各地に「秘宝館」が実在し、性風俗グッズなど展示されてきた日本ですから性風俗への質問が多くても不思議ではありません。

秘宝館自体は、現代では静岡県熱海市の「熱海秘宝館」が有名な気がしておりますので、よかったらぜひ♪

ということで、ふと思い出し、今回は男根の語源についてサラッと真面目に。

男根の語源について

色々な呼び方があるのは周知の通り。英語で表現する人もいれば、日本語で表現する人もいらっしゃるでしょう。

ザックリはっきり書いてしまえば、ムスコと仰る方も多いと思いますが、まあ・・・陰茎、(お)ちんちん、ちんぽこ、ポコチン、ペニス、マラ、竿、男根、イチモツなどなど・・・地域で表現も異なりまして、方言での言い回しも加えますと紙面がソレだけで終わってしまいそうで、女性の自分としては流石にちょっとシンドイので、紹介はこの辺りにて止めさせていただくとして、この語源について真面目に書いてみます。

「中棒」「珍宝」などの呼び名

国文学者にして民俗学者であられる池田彌三郎(いけだやさぶろう、1914年~1982年)先生の『性の民俗誌』(2003年 講談社)に、「中棒」の項目があります。

ここに「ちんぽこの語原(原文ママ)」について書かれておりまして、池田先生は思い出話として、民俗学の大家である折口信夫先生が「(ちんぽこの語源は)中棒だよ」と躊躇いなく答えられたと記しておられます。確かに「ちんぽこ」の古い言い回しは「ちうほう」でして、これは『古今著門集』の巻16「興言利口」の部類に登場しております。

明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録している『隠語大辞典』(皓星社)によると、

ほうほう・・・男性のお身体におけるポジショニング的に中棒・柱棒と表現した上で、その読みから、後に「珍宝」というお宝表現に変わったようですね。そして「ほう」が「ぽう」へ、と。併せてデザイン的な問題で棒から鉾への連想もおこり、「ほう」から「ほこ」へと。そして「ほこ」から「ぽこ」へと。ほうほう・・・。すべて確定のお話ではなく、通説としての考察ではありますが、女性の自分には新鮮な気付きです。

最後に。
先の池田先生の文章には、ほかの説も紹介されているのですが、これを冷静にぶった切っている様がちょっとシュールなので紹介します。

池田先生は慶應義塾大学文学部教授時代の1957年から1963年にかけて、NHKのクイズバラエティ番組「私だけが知っている」などに出演されており、テレビで活躍するタレント教授の先駆者としても知られている先生なのですが、そんな先生が「こ」が行方不明だから取るに足らないと断言するあたり、自分は大好きです。

今回は中棒について紹介させていただきました。ほかの単語については機会があれば書けたら、で。

関連する投稿


射的・わなげ・玉入れに必要な備品と景品がすべてセットに!手軽に本格縁日を楽しめる「縁日ノあそび箱」が好評発売中!!

射的・わなげ・玉入れに必要な備品と景品がすべてセットに!手軽に本格縁日を楽しめる「縁日ノあそび箱」が好評発売中!!

1946年創業の老舗縁日問屋・キッシーズより、イベントや家庭で手軽に本格縁日を楽しめる新商品「縁日ノあそび箱」が現在好評発売中となっています。


武将の能力値記載のカードで歴史を学びながら遊べる!「信長の野望」のカードゲーム『信長の野望 戦国武将かるた』が発売!!

武将の能力値記載のカードで歴史を学びながら遊べる!「信長の野望」のカードゲーム『信長の野望 戦国武将かるた』が発売!!

講談社より、40年以上愛され続ける「信長の野望」シリーズの公式カルタ『信長の野望 戦国武将かるた』が現在好評発売中となっています。価格は2750円(税込)。


70年代前半に巻き起こった「日本語ロック論争」を特集したNHK Eテレ「世界サブカルチャー史」が放送決定!!

70年代前半に巻き起こった「日本語ロック論争」を特集したNHK Eテレ「世界サブカルチャー史」が放送決定!!

NHK Eテレにて、70年代前半を中心に邦楽ロックシーンに巻き起こった「日本語ロック論争」について特集した番組「世界サブカルチャー史 欲望の系譜 シーズン4 21世紀の地政学」ポップス編 第2回の放送が決定しました。


世界初はハリボー!日本初は?グミの歴史と人気商品をまとめてみた!

世界初はハリボー!日本初は?グミの歴史と人気商品をまとめてみた!

今ではコンビニお菓子の主役の1つともいわれているグミ。今では大人でも好きな人が多いですよね。日本にグミが浸透するまでの歴史をまとめてみました。


「どうする家康」と1983年の「徳川家康」のキャストを比べてみた!

「どうする家康」と1983年の「徳川家康」のキャストを比べてみた!

2023年の大河ドラマは「どうする家康」が放送されていますが、40年前の大河ドラマも「徳川家康」を放送していました。当時と現在のキャストや内容を比べてみました。


最新の投稿


ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂が、『鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブ~Autumn Season~』を11月13日にビルボードライブ大阪、16日にビルボードライブ東京にて開催する。今回は、1975年にリリースされた1stソロアルバム「BAND WAGON」の発売50周年を記念したプレミアム公演となる。


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。


吉田沙保里  強すぎてモテない霊長類最強の肉食系女子の霊長類最強のタックル その奥義は「勇気」

吉田沙保里 強すぎてモテない霊長類最強の肉食系女子の霊長類最強のタックル その奥義は「勇気」

公式戦333勝15敗。その中には206連勝を含み、勝率95%。 世界選手権13回優勝、オリンピック金メダル3コ(3連覇)+銀メダル1コ、ギネス世界記録認定、国民栄誉賞、強すぎてモテない霊長類最強の肉食系女子。


消えた回転寿司チェーンの記憶──昭和・平成を彩ったあの店はいまどこに?

消えた回転寿司チェーンの記憶──昭和・平成を彩ったあの店はいまどこに?

昭和から平成にかけて、全国各地で親しまれていた回転寿司チェーンの数々。家族の外食、旅先の楽しみ、地元の定番──いつしか姿を消したあの寿司屋は、なぜ消え、どこへ行ったのか。本記事では、現在は閉店・消滅した地域密着型の回転寿司チェーンを、当時の特徴やSNSの証言とともに記録として振り返る。


【歌謡曲】ありえないシチュエーション!歌詞がおもしろくて笑ってしまう歌謡曲5選!

【歌謡曲】ありえないシチュエーション!歌詞がおもしろくて笑ってしまう歌謡曲5選!

昭和の歌謡曲には、現代ではお蔵入りしてもおかしくないほど、ありえないシチュエーションを描いた詞が数多くあります。その中には、残酷な人物像や露骨な情景描写もあり、思わず笑ってしまうような歌詞もありました。今回は、筆者の独断と偏見で、歌詞がおもしろくて笑ってしまう歌謡曲を5曲ご紹介します。