1974年
1974年といえば、なんだか訳のわからん「モンチッチ」という人形が大ヒットした年です。

モンチッチ人形
訳の分からんとはいえ、サルだそうです。そして現在でも製造されていて累計7000万個を販売しているというから驚きです!
また、この年は約24年間も連載されていた「サザエさん」が、作者である長谷川町子の病気により惜しまれながら終了しています。

サザエさん
なんだかんだと事件も起こっていますが、振り返ればとても良い時代だった70年代。1974年もまさしくで、それは同年にヒットした曲が物語っています。
それでは行ってみましょう。1974年の邦楽売上年間ベスト10。
第10位 学園天国
年間売上の第10位は、3月5日に発売され55万枚を売り上げたフィンガー5の「学園天国」です。

フィンガー5
この曲はフィンガー5にとって5枚目のシングルで、小泉今日子の他、様々なミュージシャンにカバーされている名曲です。
ライブ受けするノリの良い曲ですが、これは阿久悠の詩が素晴らしい!
第9位 積木の部屋
この曲で「第16回日本レコード大賞」の歌唱賞を受賞もした布施明の「積木の部屋」。売上枚数58.2万枚、堂々の第9位です。

布施 明
作曲の川口真は、越路吹雪のバックバンド「クレール・ド・シャルム」でピアニストとして活動していた人で、弘田三枝子の「人形の家」で作曲家としてデビューしています。
由紀さおり「手紙」、西郷輝彦「真夏のあらし」、夏木マリ「絹の靴下」、金井克子「他人の関係」などが代表作ですね。
第8位 激しい恋
西城秀樹といえば「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」のイメージが強いように思いますが、曲としては「激しい恋」の方が断然良くできていると思うのですが如何でしょう?58.4万枚を売り上げた9枚目のシングルです。

西城秀樹
西城秀樹の歌いっぷりも素晴らしいですが、歌詞、曲、ファンキーなアレンジにステージアクションと、全てが完璧だ!
第7位 くちなしの花
77.5万枚を売り上げた「くちなしの花」、第7位です。映画俳優ということもあり、当時の一般的なイメージとしては近寄りがたい、しかもヤクザな印象だったのではないかと思われる渡哲也がこの曲でメジャーな存在となりました。

渡哲也
メジャーになったとはいえ、この髪型がですねぇ、当時は男らしいというか、近寄りがたいというか。。。これが怖くなくなるのはテレビドラマの「大都会」シリーズと「西部警察」シリーズがヒットしてからでしょうね。
第6位 夫婦鏡
続けて演歌の登場です。第6位、79.4万枚を売り上げた、殿さまキングスの「夫婦鏡」です。

殿さまキングス
元々はコミックバンドだったんですよね。しかし、それにしては歌が上手い!演歌に転向して大成功です。この曲は結局はミリオンセラーになっているんですよ。
この年、殿さまキングスは、第16回日本レコード大賞大衆賞、第7回日本有線大賞特別賞受賞を受賞しています。
第5位 恋のダイヤル6700
2曲目のベスト10入り、フィンガー5の「恋のダイヤル6700」。83.7万枚で堂々の第5位です。

フィンガー5
「恋のダイヤル6700」は4枚目のシングルです。1973年8月に2枚目のシングル「個人授業」でブレイク以降、国民的な人気アイドルとなったフィンガー5ですが、振り返ると1974年が人気のピークでした。しかし、この年のフィンガー5人気は凄まじかったですよォ。
第4位 ふれあい
これはしみじみ良い曲だなぁと思いますねェ。本人が主演したテレビドラマ、「われら青春!」の挿入歌になった「ふれあい」です。中村雅俊のファーストシングルで、117.7万枚を売り上げました。

中村雅俊
あまりにもヒットしたからでしょうか、「ふれあい」はテレビドラマ「われら青春!」の主題歌のように思っている方がいるようですが、違います。「われら青春!」の主題歌はいずみたくシンガーズの「帰らざる日のために」です。作曲は勿論いずみたく、作詞は山川啓介と「ふれあい」と同じなのですが、今となってはこの曲は影が薄いですね。
曲も良いですが、中村雅俊のキャラがまた良いですね。歌手としても、役者としても、息の長い活動を行えているのも納得です!
第3位 うそ
さぁ、いよいよベスト3です!売上枚数150.1万。中条きよし「うそ」。落ち着いているなとは思いましたが、当時、38歳だったんですね。苦労人なんです。

中条きよし
1968年、高波 晃の芸名でデビュー。1971年には渥美 健として再デビュー。1974年1月に中条きよしとして再々デビュー。苦労人です。「うそ」は再々デビュー曲です。
第2位 あなた
第6回ヤマハポピュラーソングコンテストにてグランプリを獲得。第4回世界歌謡祭では最優秀賞・グランプリをのダブル受賞となり、164.9万枚を売り上げた小坂明子の「あなた」。

小坂明子
小坂明子は当時なんとまだ16歳!素晴らしい!しかも、「あなた」は、女性作曲家による初のミリオンセラーシングルなんですね。
恋に憧れる少女の不変といえるテーマですね。いつ、何度聴いても瑞々しい感じがします。
第1位 なみだの操
1974年度、売上枚数193.6万枚。堂々の第1位に輝いたのは殿さまキングスの「なみだの操」です。

殿さまキングス
ボーカルの宮路おさむ。やはり彼のキャラクターがイイですよね。憎まれないというか。前年、前々年と爆発的に売れた宮史郎とぴんからトリオと同じくお笑い系から本格演歌へと路線変更しての大ブレイクですか、キャラは随分違いますね。演歌ファンの間でも、これは好みの分かれるところでしょう。
1974年は、フォークブームは落ち着きを見せ、演歌とポップス(歌謡曲か)のバランスがとれた10曲となっていますね。好みの問題はあるでしょうが、どれも流石に良い曲です。