『ガンプラり歩き旅』その63 ~番外編 輝く銀河を駆け抜けるダイターン3!(前)~

『ガンプラり歩き旅』その63 ~番外編 輝く銀河を駆け抜けるダイターン3!(前)~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をしてきた『ガンプラり歩き旅』。 今回は前後編で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、アオシマ製プラモデル群から、『ガンダム』の富野由悠季監督の名作『無敵鋼人ダイターン3(1978年)の、当時のプラモデルや最新キットを紹介していきます!


今回紹介する、アオシマ版ダイターン3、2種のプラモデル

私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。

今回は前後編で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、アオシマ製プラモデル群から、『ガンダム』の富野由悠季監督の名作『無敵鋼人ダイターン3(1978年)の、当時のプラモデルや最新キットを紹介していきます!


まず今回は、ここまでの番外編で、イデオンやザンボット3でも紹介した、アニメスケール版と、ポケットパワー版のダイターン3を紹介します!

アオシマ アニメスケール 1/920 ダイターン3 1981年4月 300円

発売当時のパッケージ。この画ではジャベリンとファンを手にしているが……

アオシマのアニメスケール小サイズについては、これまでに『伝説巨神イデオン』(1980年)『無敵超人ザンボット3』(1977年)等でも触れてきたが、基本的に300円の統一箱サイズが基準なので、そこへスケール表記を盛り込もうと思うと、イデオンもザンボット3もダイターン3も、あと初動の残り一つ『無敵ロボトライダーG7』(1980年)も、それぞれかなり中途半端なスケールになってしまい、スケールの統一感が皆無で、結論からいえば、それらスケール表記は「気分と数字」として以外に意味はないのだという気にはなってしまう。

完成したアニメスケールダイターン3。真っ白な成型色。武器を持たない素手。アオシマアニメスケールの共通仕様

ガンプラで、ガンダムが1/144を名乗ったのは「1/144」というスケールが、鉄道模型やミリタリーモデルの世界では、国際標準スケールであるからだ。
ガンプラは初動で、偶然スケールが「作ってみたら1/144に近かったから」国際標準スケールに便乗したという経緯があるわけで、だから一番最初のガンダムやザクは、当初のアニメ作画内からのサイズからすると、正確な1/144スケールではないのだ。

サイドビュー。バックパックの垂直尾翼のボリュームがあるので、ボディの薄さは気にならない

そこへもってきて、アオシマの場合、1/810や1/920など、黙っていればバレない端数まで正確に記載してしまう正直者さが、今にして思うと愚直なまでに真っすぐで、こうした姿勢はビジネスとしては成功しがたいが、目先の小銭よりも大事な信用を得るスタイルであるといえよう。
もっとも、愚直に正直すぎて、初動のアニメスケールで、『イデオン』の敵メカ、ドグ・マックのスケールが1/610になっていて、その後改めてイデプラだけ1/600統一スケールを出し直そうとしたときに、一番困ったという逸話も、アオシマらしい微笑ましい話として聞こえる(当時の関係者にとっては、微笑ましいどころの問題ではなかったのだろうが……)。

バックビュー。バックパックのノズルのディテールまで作り込まれている。この辺りはガンプラに負けていない

さて、今回紹介するダイターン3は、そんな300円箱サイズ統一のアオシマアニメスケールシリーズでは、ナンバリング的にNo.1の称号が与えられており、商品枠第一号と紹介すべきだろうが、実際はアオシマから提供していただいた資料によると、同月にザンボット3も同時にリリースされているし、webの情報によれば、No.4にあたるイデオンの発売が1981年の2月と記されていることも多く、おそらくこの辺りのナンバリングは、あくまでアオシマ社内での商品管理の便乗上のものであり、市場には、イデオン、ダイターン3、ザンボット3、トライダーG7の4つが、ほぼ同時に1981年の初春に、模型店へ送り出されたものと思われる。

当時、ほぼ同時期に店頭に並んだ、アオシマアニメスケールの富野ロボット3体。当時必死に塗装した模型少年も多かったはず

造形は、ガンプラほどには垢ぬけてはいないが、アニメスケールの中ではイデオンと並んで、プロポーションと可動のバランスは良い。
確かにダイターン3も、他のアオシマロボットプラモの例に漏れずトップヘビーで上半身の大きさに対して、下半身が貧弱な印象を受けるが、それが特に酷かったザンボット3と比較すると、ザンボット3ではレゴンが付属していなかった両腰に、ダイターンスナッパーのメインパーツになる部品が付いていることと、両脚の内側のスパンが、ザンボット3よりも広く設けられていることなどから、若干ではあるが全体のシルエットのバランスは良くなってはいる。

可動はまずまず。肩はしっかり回転する構造になっているので、肩上のアーマーを少し浮かせて接着しておくと、肩回転と干渉しない

可動に関しては、当時のガンプラを基準とすれば、可動範囲的に評価が厳しくならざるを得ない部分もあるが、可動箇所的には問題はない。
開脚は出来ないが、それは初期ガンプラ1/144も同じであり、ザンボット3のような、肩の回転可動を邪魔する襟アーマーもない。両肩に乗ったアーマーが、微妙に肩アーマーと干渉するが、両肩のアーマーを少し浮かせれば逃せるので、腕を前に突き出すポーズも可能だ。

肘の曲がり角度は45度程度

肘は見た目ほどには曲がらないが、それでもポーズの表情は付く。肘の関節が、本来のロボットとしての関節部分に当たる、白と青の境目ではなく、前腕の上部を分割して曲がる構造だが、その際、前腕外側にモールドされた星形ディテールが無粋に分割されないように、わざわざ別パーツになっているのは、この時期のロボットプラモの分割としてはポイントが高い。今風に言えば「塗装派に優しい分割」だろうか。

下半身の可動範囲

下半身は、一応脚の付け根、膝、足首に可動箇所が設けられているが、それぞれの最大可動範囲が30度ぐらいずつなので、精一杯足を動かしても、半歩足を後ろにずらしたぐらいしか効果が出ないのは惜しいところ。
脚正面のブレードを、足首と一体化させて、脛から独立させて動かせるなど、パーツ分割はいろいろと工夫が見られるのではあるが。
もっとも、この当時のデザインだし、この当時のキットだしで、脚を少しでも可動させると、自立はほぼ不可能になる。

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