あなたは相撲を何倍も楽しませてもらった歴代相撲解説者を何人思い出しますか??

あなたは相撲を何倍も楽しませてもらった歴代相撲解説者を何人思い出しますか??

久しぶりに相撲に纏わることを書くとしよう。私は過去にも何篇か相撲に関する記事を書いた記憶があるが、今回は、力士の記事ではなく、相撲番組で取組について解説していた解説者に焦点を当てて見ようと思っている。私が物心ついた頃より、テレビやラジオのチャンネルを相撲に合わせると必ずアナウンサーと解説者の声が聞こえて来て、『ははぁ~ん! 今日はアナウンサーは〇〇さんで、▲▲さんの解説だなぁ!!』と一声だけで判ったものだった(だいたい今も同じようなものだが・・・)。


伝説の相撲解説者のもう一人、玉ノ海梅吉

玉ノ海 梅吉(たまのうみ うめきち、1912年11月30日 - 1988年10月23日)は、長崎県東彼杵郡(現:長崎県大村市)出身の元大相撲力士。本名は蔭平 梅吉(かげひら うめきち)。
筋肉質の体格で足腰が強く右腕の怪力も有名で、腕を伸ばしたまま大人を提げたり、宴席では右の拳に小柄な芸者を載せて持ち上げたほどだったという。右で前褌を取ってから左で相手の右手首を掴んだ上で立ち腰で出ようと試み、土俵際で残されたなら右から捻る力任せかつ強引な取り口で、1935年1月場所で新入幕を果たした。以降、順調に力を養うが、親方である玉錦三右エ門が急性盲腸炎で現役死亡したため、急遽、年寄・二所ノ関を二枚鑑札で継承した。玉ノ海は現役力士と親方業の兼務に多忙を極めることとなる。
1942年1月場所では関脇に返り咲いて10勝5敗の好成績を収めたことで大関への昇進が目前だったが、親方業との兼務による疲労から感冒に感染してしまい、昇進は果たせなかった。以前から「玉錦が生きていれば(玉錦の稽古によって)間違いなく(大関に)なっていた」と言われた。

玉ノ海 梅吉

1945年11月場所を最後に現役を引退し、親方専任として後進の指導に当たった。協会員としては時津風の良き相談役として活躍し、理事まで務めた。ニ所ノ関部屋師匠在任中、大ノ海、力道山、琴錦などの関取を育てた。第二次世界大戦の最中は食料を確保するために兵庫県西宮市で二所ノ関部屋単独の勤労奉仕を行っていたところ、捕虜を微用したとして戦後直後に戦犯容疑で逮捕された。すぐに釈放されたものの、この際に日本相撲協会からの冷遇を感じたため、部屋を佐賀ノ花勝巳に譲って1951年に廃業した。
廃業後は戦争によって部屋を再建するまでの間に、兵庫県武庫川で妻が経営する洋裁学校の校長を務めていたが、日本放送協会の大相撲解説者に転身することが決定、解説者としての名は「玉の海梅吉」とした。現役時代に四股名が掲載された番付では、梅の字は木と毎を横ではなく縦に並べて書かれていたが、解説者としての名では通常の「梅」を用いた。独特の塩辛い声で各力士へ批評を繰り広げるが、その一方でユーモアあふれるコメントはお茶の間の相撲ファンに親しまれた。

ありし日の玉ノ海梅吉

玉の海梅吉 | NHK人物録 | NHKアーカイブス

玉ノ海梅吉の相撲解説はとにかく辛口でありながら、人情味のある言葉もかける絶妙の相撲解説だった。「角界の彦佐」とも言われ、親しまれた。ゆっくりとした、独特の節回しのしゃべり方。ちょうど野球解説の野村克也と同じような口調だった。
辛口という点では、解説で今をときめく北の富士の現役時の相撲を評し、「薄っぺらい現代相撲の典型」と一刀両断。もちろん、横綱として物足りないという意味だったのだろう。

私も年を取って見ると、玉ノ海梅吉の言いたいことが理解できるような気がする。要するに、彼のの好きな相撲は個々人の能力や体格を鑑み、自分の一番取り易い定番の取り口を磨くために一心不乱に稽古を積み重ねている相撲であったと。

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