『ガンプラり歩き旅』その56 ~イデオン編・4 アオシマ 究極のイデオンへ! 2つの決定版1/600 イデオン!~

『ガンプラり歩き旅』その56 ~イデオン編・4 アオシマ 究極のイデオンへ! 2つの決定版1/600 イデオン!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をしてきた『ガンプラり歩き旅』。 今回は全8回で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、『機動戦士ガンダム』(1979年)の日本サンライズ・富野由悠季監督の次作品『伝説巨神イデオン』(1980年)のアオシマ製プラモデル群から、現代に至るまでのイデオンフィギュアを、追いかけてみたいと思います!


完成した1/600 イデオンの全身。複雑な変形と合体をこなしつつ、肩関節はしっかりと脇が開く

そういった数々の、微細な部分までこの時代にアオシマは拘りぬいて、なおかつ、そこそこまともなプロポーションのイデオンに合体出来て、そのイデオンも、そこそこ可動範囲が確保できているというのは、これは「あの時代」を生きた世代にしか、偉大さが理解できないのも仕方がない。

前腕のディテールパーツや、イデオ・ノバのグレンキャノンが「差し替えと言うより、“乗せている”だけ」なのだって、元のデザインがそうなのだから仕方ないのだ。

詳しい合体の詳細は、2017年発売のバンダイキャンディトイ事業部のスーパーミニプラ版の変形合体と、とことん詳細を比較する回をこの短期集中イデオン連載中に設ける予定だが、いざ、合体した後のイデオンは、まともに予想すればかなりプロポーションが歪になるように思えるが、実際は写真を見てもらえば分かる通り、他のアオシマイデオンと共通してトップヘビーの他は、腕が更に少し長すぎて、拳が小さい以外は、意外と(1981年当時の)ガンプラに負けていないプロポーションだと言い切ってもいいかもしれない(今挙げた「腕が長すぎる」「拳が小さすぎる」は、そのまま超合金魂版イデオンのウィークポイントに通じるので、3種のメカをしっかりアニメの対比スケールで作ってから合体させれば、それらの弱点は必須なのかもしれない)。

イデオンは、ゴーグル顔で表情がないせいか、アオシマ製イデプラのどれでも、些細な違いはあっても大きなハズレ造形はない

その上で、先行していた「1/420 アニメスケール」や「合体巨神」版からさらに進化して、このイデオンは、ここまで正確に変形と合体を追求しておきながらも、意外とそこそこに「動く」のである。
肘がヒンジで折りたたまれるのは変形機能の恩恵としても、肩もしっかり、脇を開くように広げられるし、ソル・コンバーの伸縮変形を取り入れながらも、膝もしっかりと曲がってくれる。

手首はなぜか中心軸からオフセットされている。イデオン・ガンを握る際、イデオン・ガンのグリップ下部が、袖に干渉しないようにとの関係上である

付属のイデオン・ガン(商品名は『波導ガン』)も(照準サイトの付ける向きこそ逆指定だが)ディテールも細かいばかりか、「波動ビーム砲」の名残か、イデオンの腹部イデ・ゲージのシャッターが開いたコネクターに(わざわざそのパーツが差し替えで付属する!)細めのチューブを繋ぐことで、イデオン・ガンを構えたイデオンを再現できる!

というか、このイデオン・ガン=波導ガン。
当時にしてもこの価格(1600円)が高価だと感じられたのか、Aメカ、Bメカ、Cメカに分割されてバラ売りもされたが、イデオン・ガンは「4つ目の単品売り」として『波導ガン』名義で単品売りされたのだ。

膝や足首もしっかり可動する(自立するかどうかはともかく)

確かにガンプラでも『1/144 武器セット』など、ロボットではなく「ロボットが使用する武器」のみの模型化はあったが、イデオンの場合後にも先にも手持武装はこれしかないわけで、しかもメイン武装一つのみという単独キット化は、当時から今に至るも珍しい現象である(例えば、『機動戦士Zガンダム』(1985年)のメガ・バズーカ・ランチャーなどでも、使用した百式とセットで販売されるケースが殆どである)。

当時でいえばアオシマのイデプラでも、イデオン・ガンが模型化されるのは、没デザイン版が「波“動”ビーム砲」として、『合体ロボット 機動合体』に入っていただけで(ポケットパワー版の2丁拳銃はちょっと違うと思う(笑))、正式にイデオン・ガンがキット化されるのは、当時のアオシマのイデプラでは、後にも先にもこれ一つである。

肩幅が広く、腰が小さめなバランスはアオシマイデオン共通の短所。しかしディテールはアニメデザインどおり

むしろ、『波導ガン』がグリップ握り拳とセットで単品売りされたからこそ、後から発売されたプロポーションタイプにも、イデオン・ガンをわざわざ付属させなくても、それこそこの単品売り『波導ガン』を買えば、拳の手首へのジョイントは共通なので、持たせられるという嬉しい後付けプレイバリューも発生した。

なんにせよ、この1/600 イデオンは、『イデオン』映画化決定時点でアオシマが送り出した(三次元で実現可能な範囲としては)、合体も変形もディテールもプロポーションも関節可動も、全てがアニメ準拠の高次元で融合した、フラッグシップモデルのハイエンドキットであったことは動かない事実である。

最後に、ここで塗装レシピを。
この塗装レシピは、今回の1/600 イデオンの塗装は、基本的に「合体ロボット イデオン」や「1/600 イデオン プロポーションタイプ」でも共通のカラーで塗装しているが、合体前形態含め、このキットが一番塗装箇所が多いので、このキットをベースにしてカラーリングを解説していこう。

バックパックはアニメの変形合体どおりにBメカのメインキャタピラが左右合わさる構造だが、その結果バックパックの形状がアニメ版イデオンとは異なってしまっている

基本、どのキットでも、成型色の赤や白がカラーリングと合致している場合はその成型色を活かすが、手首袖や胸や脛のラインやふんどし部分の白はGXクールホワイト。赤はキャラクターレッド。上半身の胸、脇、腹部、グレンキャノンやイデオ・ノバフロントのグレーはMSファントムグレー。「合体ロボット イデオン」の波動ビーム砲と、1/600 イデオンのイデオン・ガンや、イデオンのカメラアイとイデオ・バスタの機首と、ソル・コンバーの機首のブルーはキャラクターブルー。下半身のふんどし周囲や両膝両側、足首の両側のパーツや、両腕のキャタピラの動輪などのグレーはニュートラルグレー。イデオンの拳や膝アーマーは、ブルーFS15044。

自立できる範囲で、動かせる関節を全て動かしてポージング。3機3種3段変形合体を再現した上でこの可動は、今の目で見てもレベルが高い設計である

脛の両外側のスリットや足首、イデオ・ノバのメインフロントウィンドウ、イデオ・デルタのウィングのメイン等はブルーFS15050 ブルーインパルスカラー。3つあるイデゲージはルマングリーン。イデオ・ノバのサブウィンドウはデイトナグリーン。イデオ・ノバのフロントライトやソル・コンバーのウィンドウはスカイブルー。イデオ・バスタの主翼の二色目のブルーはエアスペリオリティブルー。基本的には全イデオン、このレシピで塗装してある。

アオシマ イデオン プロポーションタイプ 1/600 1982年9月 700円

発売当時のパッケージ。分かりやすいレベルで、ミサイル一斉発射ポーズをアピールしている

後年の再販版のパッケージ。より、劇画・油絵絵画チックに変更され、ハイエンドな印象をかもしだしている

イデプラの、1/600シリーズが、大型重機動メカや、逆に小型戦闘機にまで商品化が及んだ先で、ついに劇場用映画版『伝説巨神イデオン 接触篇 発動篇』(1982年)が公開されようというタイミングで、この「アオシマ版大型イデオンキットVer.3.0」とでもいうべき1/600 イデオン プロポーションタイプが発売されたのであった。

完成した1/600 イデオンプロポーションタイプ。こうして見ると設定画のバランスには近い

ガンプラで言えば1/100サイズ。既にそのサイズでは、シリーズスタート時に「1/600 イデオン(波導ガン付)」が発売されていたが、それは上でも書いたように「アニメ劇中の、全ての変形・合体ギミックを再現する」という意欲作であり、その目的の限界論の部分で、切り捨てられた要素も多かった。

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