私たちの暮らしと共にある「トイレ」
時代が変わっても、常に私たちの生活とともにあり続けるのがトイレ。
もちろんトレンドが変わったり進化が止まらなかったり、トイレ事情も確実に変遷をたどっています。
また私たちのトイレスタイルも、時代とともに変わっているのかもしれません。
筆者は♂なので♂事情しかわかりませんが、例えばウォッシュレットのないトイレでは大便がしたくなかったり、人によってはご自宅などの洋式トイレで「座り小便」するのが主流になっていたり。
本稿では「トイレの便器」に焦点を当てて、その進化について確認してみたいと思います。
大まかなトイレ区分
日本のトイレの便器は大きく分けて3つに分類されます。
最も古くからあるものはしゃがんで用を足すもので「和式」。第二次世界大戦後にヨーロッパからやって来たのが「洋式」と「男性用小便器」です。
そしてこれら便器は、それぞれ水が流れるタイプと流れないタイプがあり、大便器に関しては水が流れるものは水洗トイレ、残念ながら流れないものボットン便所と呼ばれました。
以下、更に細かい区分についてです。
戦後日本におけるトイレと関連しそうな事象「肥溜め」
ミドルエッジ読者の方々はその多くが団塊ジュニア世代前後から、上は団塊世代の方までいらっしゃるでしょうか。
ここではトイレの歴史を古代まで遡るようなことは割愛させていただき、「昔のトイレ」と聞いてなんとなく想起される事象として「肥溜め」を挙げるところから始めてみたいと思います。

かつての風景「肥溜め」
かつては肥溜めで作った堆肥が主要な肥料の一つとなっていました。それらを貯めおく場所が「肥溜め」。そしてこの肥溜めと連動して触れておくべきが「ボットン便所」ですね。

「ボットン便所」みんな上から覗き込みましたよね
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化学肥料の登場や衛生上の理由から「ボットン便所→肥溜め」の風景は消えていき、下水道の整備や水洗トイレの普及へと繋がっていったようですね。
「和式トイレ」
「和式トイレ」は日本古来のものですが、特に陶器で作られるようになってからはスリッパのような形をしていて、私たちは一般的にこの形を当たり前と認識して育ったのではないでしょうか。

スリッパのような形状の「和式」

この全面は「金隠し」
かつての風景は「和式」、近年になるにつれて「洋式」となっていったわけですが、いまでも学校のトイレなどは和式がけっこう残っているようですね。その一因として「便器そのものの価格と設置費用が安い」ということがあげられるようです。
思えば小学校のころは和式トイレでの大便は苦痛でなかったのに大人になった今、ときに遭遇する和式トイレでの大便は実に体力を使うようになりました(私だけでしょうか?)。
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「男性用小便器」
私たちの幼いころって男子にとって「立小便」は何の罪の意識もなく、なかば遊びの一環でしたよね。もちろん今は違いますが。
男性用小便器については多くを語るまでもなく、男性諸氏にとっては懐かしいと思われる画像を紹介しておきたいと思います。

かつての公衆トイレにありがちな形状

かつての駅のトイレにありがちな形状
「洋式トイレ」
さあ、現代トイレ事情において間違いなく主役である「洋式トイレ」です。
第二次世界大戦後、日本に持ち込まれた「洋式トイレ」は目覚ましい勢いで普及していきました。
転機となったのは「1977年」!
時は昭和52年、ついに「和式」を「洋式」が上回るタイミングが訪れたのです。
「洋式」が便器の主役となるなか、1980年からはあの恍惚のウォッシュレットが東洋陶器(現:TOTO)の手によって販売開始となったのです。
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みなさんのご家庭ではウォッシュレットをお使いですか?
2015年には、およそ8割のご家庭でウォッシュレットが使われているそうですが、私の場合は1990年代後半に外付けタイプのウォッシュレットがやって来たのをよく憶えています。
最初のうちは「ぉおっ」と思いながらでしたが、不思議なものでいまではウォッシュレットがないと「拭き足りない」感じで落ち着かないのです。
「洋式」と「和式」の使い分け
いまでは「ご家庭では洋式、公共施設では和洋併設」が主流のようですね。
ボットンから水洗、和式から洋式。そしてウォッシュレットの普及。この先もトイレの益々の進化、期待したいですね。
女子のトイレ事情についてはコチラをご参照ください
昔のトイレとはひと味違う!現代の女子トイレの中身とは? - Middle Edge(ミドルエッジ)