焼もろこし(カルビー)
「カール」「ドンタコス」「とんがりコーン」の系譜につらなる、いわゆるコーン系スナック菓子の代表的存在だったのが、この『カルビー 焼きもろこし』です。細長い形状に香ばしい味わいが特徴的なこのお菓子はひじょうに人気を博しましたが、1987年より湖池屋から発売されていたほぼ同タイプのトウモロコシ系スナック『スコーン』に気圧されたのか、いつの間にやらスーパーやデパートの食品売り場から姿を消してしまいました。
5/8チップス(ヱスビー)
パッケージにデカデカと刻印された「5/8」の文字…。この『5/8チップス』が売られていた当時、いったい何が5/8なのか分からずに何となく購入された方も多いことでしょう。
そもそも、この5/8チップスは、ヱスビーに勤める若い女性社員の「もっと小さくて、一口サイズで食べられるポテチがあればいいのに…」との発想が原点にあります。たしかに、ふつうのポテトチップは1枚あたりのサイズが大きくて、大口を開けなければ食べられなかったりするものです。そこで、さまざまな試行錯誤がなされた結果、「アメリカンサイズの5/8の大きさが食べやすい」との結論に至り、5/8チップスは誕生したのです。
あっさりしお味をはじめ、欧風カレー味、かにマヨネーズ味などさまざまなフレーバーのものが出るなど人気を博しますが、ヱスビーの菓子部門が衰退したことにより、残念ながら2003年に発売終了となってしまいました。
えびっぷり(亀田製菓)
米どころ・新潟に本社を置く『亀田製菓』は、「ハッピーターン」「柿の種」などを手掛ける、日本国内最大手の米菓メーカーとして知られています。
そんな同社が若者をターゲットに1996年に発売したのが、『えびっぷり』です。米でつくった生地にたっぷりとエビのすり身を練り込んだこのスナックは、パリッとした食感と香ばしいエビの風味がなんとも絶妙。後に「いかっぷり」「ホタテっぷり」といった姉妹商品も出回り、瞬く間に人気のスナックシリーズとなりました。
その後、亀田製菓が野菜系のスナック菓子に重きをおいていったために、2006年にいったん販売終了となりますが、現在では「ローソンセレクト」の商品群の一つに生まれ変わっているため、購入することが可能です。

えびっぷり
えびっぷり|ローソン
コメッコ(グリコ)
こちらも米菓。70年代から販売されていた『コメッコ』は、ライトな食感で気軽に食べられるお米のお菓子として一般に浸透。昔はよく箱型のものが、駅構内の売店などでも売られていたものです。
しかし、じょじょに他のお菓子にシェアを奪われたのか、2010年ごろには発売終了…と思いきや、2012年にはすぐ復活。これだけ短期間でカムバックするということは、やはり、ファンが多かったのでしょう。特にホタテ味は絶品!単体でもイケるし、お酒のつまみにも最適です。

現在のコメッコ
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ムギムギ(いずみ製菓)
現代日本に暗い影を落とす、社会問題・少子化。その影響を特に食らっている業界の一つが、駄菓子産業です。2017年11月30日付けの『日本経済新聞 電子版』が伝えたところによると、この20年間で駄菓子屋などの菓子小売業は、7割以上減少しているとのこと。もちろん、これら販売店を主要取引先にしている中小駄菓子メーカーが、苦しい経営を迫られるのは言うまでもありません。

いずみ製菓のムギムギ
ムギムギ 麦スナック駄菓子【いずみ製菓】30円×20袋入り1BOX|ストアミックス
愛知県安城市にかつてあった会社『いずみ製菓』も、そんな少子化の影響を受けた企業の一つ。これまで『ムギムギ』を含む約10種類以上の駄菓子を取り扱ってきた同社でしたが、やはり、ここ数年は売上減少に悩まされ、2013年6月には製菓業から撤退。このため『ムギムギ』も販売終了…となったのですが、その後、高知県の南国製菓が商標と製造権を購入し、「南国製菓のムギムギ」として再び市場を賑わせています。

南国製菓のムギムギ
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焼きポテト(森永)
この『焼きポテト』は、まず、テレビCMが衝撃的でした。
「おことわり 商品の開発にお金がいっぱい かかったので、CM制作予算が足りなくなって しまいました。 ごめんなさい。森永製菓」
こんなテロップから始まるのです。天下の大企業・森永が、たかだか一本のCM制作予算をねん出できないなんて、今考えると、どう考えても可笑しな話。しかし、「友情出演」の鈴木紗理奈がCMにおいて終始静止画のため、なんだか真実味があるというものです。果たして、ほんとうに予算不足だったのか、単なる話題性を狙った演出だったのか…どちらか定かではありませんが、いずれにしても、20年たった今もなお印象に残り続ける、見事なプロモーションだったのは確かです。

焼ポテト記念テレカ 鈴木紗理奈
鈴木紗理奈 ゆかた 着物 森永 焼ポテト 未... - ヤフオク!
さて、この焼ポテト、味のほうはというと、簡素なつくりのCM同様、良くいえばあっさりでシンプル、悪くいえば面白みのないテイスト。「ノンフライ」という利点がなければ、あえて嗜好品として買うまでもないかなというシロモノでした。そんな感想をもった人が多かったからなのか、森永焼ポテトは販売開始から数年も経たぬうちに、姿を消したのでした。
(こじへい)