アビイ・ロード
ビートルズの最高傑作とも言われるアルバム「アビイ・ロード」ですが、収められている曲の多くは、不毛とも言われた「ゲット・バック・セッション」で既に演奏されていたものでした。
ビートルズが最後の力を振り絞って作り上げた金字塔、事実上のラストアルバムです。
Get Back 1970
1969年12月、ビートルズはドキュメント映画の内容に沿ったサウンドトラックにするようにと要望し、グリン・ジョンズにアルバム「ゲット・バック」の再編集を依頼します。
ゲット・バック
採用はされなかったものの、1970年1月4日にはマラカスやリード・ギター、ブラス、ストリングスを「レット・イット・ビー」にオーヴァー・ダビングするという作業が行われています。
また、「アイ・ミー・マイン」が追加録音されたり、ゲット・バック・セッションでは録音されていなかった「アクロス・ザ・ユニヴァース」が追加されたりし、 1970年1月5日に新たなアルバム「ゲット・バック」は完成するのですが、これもまた日の目を見ることはありませんでした。
そして1970年3月23日、ゲット・バック・セッションのテープはコンセプトを変更し、フィル・スペクターに託されることになります。
Let It Be
フィリップ・スペクターは、ウォール・オブ・サウンドと称される独特の音作りで知られているアメリカ人のプロデューサーです。
フィル・スペクター
3月23日にテープを受け取ったフィリップ・スペクターは驚異的なスピードで仕事を行い、5月8日にはビートルズの13枚目にして最後となるアルバム「レット・イット・ビー」として発売にこぎつけています。
レット・イット・ビー
ようやく発売となったゲット・バック・セッションでしたが、この時ビートルズは既に解散していました。オーバーダビングを繰りかえすたためどうしても音がこもってしまうフィル・スペクターのプロデュースのせいでしょうか。ゲット・バック・セッションによる録音がずさんな為でしょうか、このアルバムは他のビートルズのアルバムとは感じが違います。
何よりも大胆なオーバーダビングが行われ、当初の目的から大きく外れたアルバムとなっています。
しかし、何よりも映画「レット・イット・ビー」の公開に間に合わせる必要があったという現実は無視できませんね。ここはフィル・スペクターの手腕を称えるべきでしょう。
Let It Be (movie)
映画「レット・イット・ビー」がイギリスで公開されたのは1970年5月20日です。アルバム「レット・イット・ビー」の発売から12日後のことでした。
映画で使われている音源はアルバムのものとは異なります。ポール・マッカートニーは当初意図したものに近いと感じていたようです。
レット・イット・ビー
映画はゲット・バック・セッションと、予告無しでアップル本社の屋上で行われたライブ(通称:ルーフトップ・コンサート)を記録したドキュメンタリーとなっています。
当初の案としては全て新曲のライブを行い、その模様を全世界にテレビ中継し、同時にアルバムも発売するというもので、そのリハーサルとレコーディングをドキュメンタリーとして映画にするというものでした。
映画「レット・イット・ビー」は、ギスギスした人間関係が映し出され、解散が近いことを感じさせるものとなっています。
The Beatles' Anthology 3
1995年からビートルズの未発表曲集「ザ・ビートルズ・アンソロジー」が3集にわたって発売されます。1996年にリリースされた「ザ・ビートルズ・アンソロジー3」ではゲット・バック・セッションでの音源を聴くことが出来ます。
アンソロジー 3
様々な楽曲が入っていて楽しめますが、アウトテイク集ですからアルバムとしてのまとまりはありません。