クロカン4WDの革命児、三菱パジェロ

クロカン4WDの革命児、三菱パジェロ

1980年代後半に起こったRVブーム。その牽引役となったクルマが三菱パジェロです。子どもの頃、洗練されたクロカンボディに魅了された人も多いのではないでしょうか。今回は、初代パジェロを振り返ってみます。


新たな4WDを模索していた三菱

長いこと、4WDといえば軍用車をベースにした三菱ジープやトヨタ・ランドクルーザー(40系)、日産パトロールといったクルマでした。さらに、軽自動車のスズキ・ジムニーがありましたが、いずれにしろ屋根がなかったり、悪路での荷物輸送を最優先したようなクルマがほとんどでした。

ジープをデコレーションした印象。

1973年の東京モーターショーに参考出品されたジープパジェロ

Mitsubishi Pajero Concept 1973 photos

しかし、三菱では新たな4WDの模索をしていました。1973年の東京モーターショーで、コンセプトカーの「ジープパジェロ」を出品。実用車であるジープをベースに、乗用車的な遊びのエッセンスを加えたものでした。

1979年の東京モーターショーでは、「パジェロⅡ」という名で再びコンセプトカーを参考出品。そして1981年の東京モーターショーで、いよいよ「パジェロ」を市販予定車として出品しました。

写真は4ドアのワゴンボディ。

三菱はアメリカのウイリスと提携していたため、車名にジープを冠していた

Images of Mitsubishi Jeep Wagon (J30) 1962–83

最初のパジェロは2ドアだった!

1982年5月7日、三菱はパジェロを発売しました。パジェロが画期的だったのは、ベースをジープほど頑強なものにせず、小型トラックのフォルテの4WDをベースにしたことです。これにより、従来のジープよりもマイルドな4WDに仕立てることができました。

パジェロというと4ドアのロングボディを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は当初ラインナップされたのは2ドアのショートボディのみで、しかもメタルトップとキャンバストップのライトバン(4ナンバー車)でした。エンジンは2300ccディーゼルターボ(グロス95PS)、同ディーゼル(グロス75PS)、2000ccガソリン(グロス110PS)の3種類でした。

グリルの運転席側にMMCと入っているのが識別点。

デビュー当時のパジェロ

Mitsubishi Pajero Metal Top (I) 1982–91 wallpapers

翌83年2月に、5ナンバーにした乗用車モデルを追加。エンジンはディーゼルターボに加え、2000ccガソリンターボ(グロス145PS)が設定されました。

同年6月には、ボディを延長した4ドア・ロングボディが登場。屋根もハイルーフ化されました。5ナンバー・7人乗りのエステートワゴンと、4ナンバーのエステートバンが用意され、パジェロの快進撃が始まります。

パジェロはまず、メタルトップバン(左)とキャンバストップ(右)がラインナップされた。

Mitsubishi Pajero images

後席の側面にWAGONのステッカーが貼られていた。

追加された乗用車モデル

Mitsubishi Pajero Metal Top (I) 1982–91 images

水平計などの3連メーターに憧れたものです。

今となっては素っ気ないほどのダッシュボード

Photos of Mitsubishi Pajero Metal Top (I) 1982–91

ハイルーフで空間が広いため、1BOXユーザーからの移行もあった。

4ドア・ロングボディの登場で、一気に販売台数が伸びた

Mitsubishi Pajero Wagon High Roof (I) 1983–91 wallpapers

高級車セダンのようなエクシード誕生

4ドアボディの追加で実用性が大幅に向上したパジェロは、RVの先駆者となりました。1984年6月にはマイナーチェンジが行われ、フロントグリルのデザイン変更やディーゼルターボエンジンの性能向上を実施。さらにワゴンのディーゼルに最上級グレードのXLが設定されました。翌85年4月には、クラス初となる4速AT搭載車が設定されました。

ドアミラーが解禁になってからは、大型のドアミラーが装備された。

屋根を低くしたミッドルーフが登場し、その後の主力となった

Pictures of Mitsubishi Pajero Wagon (I) 1983–91

1986年5月には、4ドアの屋根を低くしたミッドルーフが登場。スタイリッシュさが増すとともに、ディーゼルエンジンが2500ccに拡大されたこともあり、人気はいっそう高まりました。

エクシードの登場で、高級車ユーザーも注目するようになった。

今やパジェロの定番色ともいえる3トーン

Images of Mitsubishi Pajero Wagon (I) 1983–91

パジェロのイメージと直結する3トーン塗装のエクシードは、1987年9月のマイナーチェンジで登場しました。レンジローバーなど、海外の高級4WDを想起させる内外装は、折しもバブル経済、スキーブームなどと重なって高価格車にもかかわらず大ヒット。「パジェロ」は、その辺のオバチャンでも知っている車名になりました。

私の親戚でも初代パジェロに乗っている人がいて、助手席に乗せてもらって興奮したのを、今でも覚えております。この頃のパジェロ、時代の先端を行っていて格好良かった!

3列目まであり、7人が乗車できた。

4ドア・ロングボディの内装

Mitsubishi Pajero Wagon (I) 1983–91 images

3ナンバーのエンジンとボディを追加

1988年9月には、V型6気筒3000ccガソリンエンジン(ネット150ps)を追加。翌89年6月にはオーバーフェンダーとワイドタイヤを装着したワイドシリーズも設定されました。

ニュースタイルの4WDとして登場した初代パジェロは、最初は小さな4WD市場の革命児に過ぎませんでしたが、スキーブームやバブル経済など、時代の追い風に乗ってRVブームを巻き起こし、三菱を代表する看板車種となりました。

オーバーフェンダーを装着し、エンジン、ボディサイズともに3ナンバーとなった。

Photos of Mitsubishi Pajero Wagon (I) 1983–91

当然、このヒットを他社も黙って見ていません。トヨタではハイラックスサーフやランドクルーザー100、日産ではテラノなどが登場しました。1991年1月、9年にわたるモデルサイクルを経て、パジェロは2代目にモデルチェンジしました。

本格4WDであるジープの血を引くパジェロには、幌式の屋根を脱着できるキャンバストップも用意されていた。

Mitsubishi Pajero Canvas Top (I) 1982–91 wallpapers

ラリーで証明した4WDとしての走破性

パジェロがヒットした理由には、これまでにない洗練された4WDであるだけでなく、パリ・ダカールラリー(パリダカ)などのラリーに参戦して、走破性の高さを証明してきました。

パリ・ダカールラリーへの初参戦は、発売翌年の1983年。市販車無改造部門で出場し、優勝を飾りました。翌年以降は改造部門と無改造部門に出場。1985年には総合部門、市販車無改造部門、プロトタイプ部門、マラソン部門(市販車無改造)のすべてにおいて優勝を飾り、パジェロの名は世界に轟きました。

市販車無改造クラスに出場したパジェロ

Photos of Mitsubishi Pajero Rally-Car (I)

現在発売中のパジェロは4代目

RVブームが去った後も、悪路がある世界中の国々で支持されているパジェロはモデルチェンジを重ね、現在は2006年に登場した4代目が販売されています。

世界を市場としているクルマなので、ボディサイズが大きいのはやむを得ませんが、日本で乗るには初代・2代目の5ナンバーサイズがちょうどよかったな、と思う人は多いのではないでしょうか。

こうやって振り返ってみて、本格派だけどオシャレ、乗りやすくてカッコイイ、そんな初代パジェロに改めて惚れ直しております。

どちらも輸出仕様。ハードな使用に耐えるパジェロは、海外での人気も高い。

初代パジェロ(手前)と現行の4代目パジェロ(奥)

Mitsubishi Pajero wallpapers

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