『ガンプラり歩き旅』その20 ~栄光の初代HG 1/144 ガンダムを追え!~

『ガンプラり歩き旅』その20 ~栄光の初代HG 1/144 ガンダムを追え!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第20回は、ガンプラの歴史の闇へ消え去った、栄光の「初代HG 1/144 ガンダム」を紹介します!


また、色分け的には仕方がないが、腰のふんどし前部の連邦軍のV字マークが、シールでフォローされてはいるが、パーツではディテールごと省略されていることは、画竜点睛を欠いたのではなかろうか?(もっとも最近のHGUCの、色分け省略をシールで補う際に、ディテールの上から厚みのあるシールを貼る手法が正しいかと言われるとなんとも言えないが……)。

ディテール面で言えば、当時の成型能力の限界なのかもしれないが、現代のガンダムのキットでは必ず別パーツになっている、ハイパーバズーカ後方の取っ手クリップ(ハンガーフック? チャージングハンドル? キャリングハンドル?)が、バズーカ本体と一体成型で表現されているため、取っ手状ではなく板状になってしまっていて、こういう細かいところで「究極」のはずが、チープさに繋がってしまうというのはあるだろう(80年代の初期ガンプラブームの渦中で発売された1/144 武器セットでは別パーツだった)。

板状成型の、バズーカの取っ手クリップ(?)。ここを別パーツにしないだけで、立体感が損なわれてしまった

そして、ビーム・ライフルのフォアグリップは、可動しない片面一体成型なのだが、これもこれで、「究極のガンダムという割には、ガンダムの決めポーズの一つでもある、ライフル両手持ち構えが出来ない構造にするのはどうか」と思う反面、そもそもこのMSジョイントⅡの可動能力では、腕を前方に伸ばした状態でライフルを構え、そこで左手がフォアグリップを握るぐらいには手が届かない。なので、グリップだけ可動しても意味はないという割り切りは出来る。

MSジョイントⅡの可動領域では、ビーム・ライフルに左手を添えるのは、こうしたポージングで構えさせるのが限界

また、フルアクションを謡いながらも、腹部と腰の可動は、かがむどころか回転も出来ない固定仕様なのだが、それはコア・ブロックをそのまま内蔵しているのだから無理な注文であって、そりゃイマドキのRGでは可能なのかもしれないが、30年近く前のHGにそこまでを求めるのも無茶ぶりだなぁとは思ってしまう。

加えて可動面では、MSジョイントⅡがその可動の殆どを制御しているからか、頭部が回転しかできなかったり、肩関節がスウィングできなかったり、MSVや、HG以前のガンプラで出来ていた可動でも、不可能な可動がある辺り、「究極」を謳うにも拘わらず残念というしかないなというところは残る。

後は、MSジョイントⅡが抱える根本的な保持力の問題。
筆者が今回制作に用いたキットは、1990年発売の初版キット当時品なのだが、MSジョイントⅡは当然未使用の状態で組んだにも拘わらず、完成直後から特に下半身の保持力が弱く、股関節はボールジョイントで、足首もフレキシブルに稼働して接地性は悪くないのだが、なかなか下半身のポーズがしっかり定まらないという難点は目立ってしまった結果となった。

しかし、これら欠点を補って有り余る、この初代HGガンダムでしか得られないバリュー、作風、デザインの差別化があり、ガンプラの歴史から抹消してしまうには惜しすぎるという気分は拭えない。
せめて、ミドルエッジ世代のガンプラファンの間だけでも、この初代HGガンダムを「RX-78-2 ガンダムの、HG解釈の一つ」として、記憶に留めておいても良いのではないだろうか。

さて今回は、シミルボンの再現画像に登場するわけでもない初代HGガンダムを、長々と紹介してきたが、今や入手困難と思われる「ガンプラ唯一の欠番キット」にも、これだけの価値と意味があったのだと、覚えていてくれる人とは共感を、初めて知る人には驚きを、抱いてほしくて登場と相成りました。

今回の製作は、いつもどおり基本、素組で部分塗装。
塗装箇所は、目の周りの黒の隈取部分と、ビームライフルのサイトのイエロー、そして額のブレードの基部の赤(ふんどし前部の赤はシールで補った)だけ。
筆者の場合その他に、今回の連載の統一ルールに沿って、ビームライフルとバズーカとバックパックをミディアムブルー、両手を濃緑、首を白(関節部は素材的に塗料が乗らないのでジョイントのまま)で塗装した。
あと、この時代はビーム・サーベルがまだ1/144ではクリアが徹底されていなかった時代で柄と共に一体型白成型なので、ビーム部をピンクで塗装。

完成した状態を改めて見ても、後のHGUC 021 HGUC 191等と並べても、「解釈で選べる個々のイメージのガンダム」の一つとしての存在価値は、あると思われる。

市川大河公式サイト

関連する投稿


ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムの世界観を表現するアパレルショップ「STRICT-G」より、群馬県の伝統工芸「卯三郎こけし」との初コラボ商品が登場。ガンダム、シャア専用ザク、量産型ザクが、職人の手仕事による温かい木製こけしになりました。2026年1月5日から予約開始。ファン必見の「和」の逸品を詳しくご紹介します。


SDガンダム外伝の「黄金神話」のカードが、全種プリズム箔押し仕様の「スペリオルドラゴンエディション」で復活!!

SDガンダム外伝の「黄金神話」のカードが、全種プリズム箔押し仕様の「スペリオルドラゴンエディション」で復活!!

バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」にて、「SDガンダム外伝」シリーズより『新SDガンダム外伝 黄金神話 スペリオルドラゴンエディション』が発売されます。


放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

ホビー通販大手の「あみあみ」より、メーカー「スタジオシュウトウ」が展開する『金曜ロードショー プラキット』が現在予約受付中となっています。


「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

ホビー通販大手の「あみあみ」にて、メーカー「メガハウス」が展開する『アルファオメガ 新機動戦記ガンダムW ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフトセット 30th Anniversary リペイント再販』が発売されます。


「機動戦士ガンダム」より『ジオン公国軍 ノーマルスーツ』がジャージになって登場!!

「機動戦士ガンダム」より『ジオン公国軍 ノーマルスーツ』がジャージになって登場!!

公式キャラクターコスチュームやアパレル・グッズの企画、開発、製造を行うコスパより、『機動戦士ガンダム』新作アパレルが発売されます。


最新の投稿


サンリオの原点が60年ぶりに復刻!やなせたかし初の市販詩集『詩集 愛する歌』が2026年4月に発売決定

サンリオの原点が60年ぶりに復刻!やなせたかし初の市販詩集『詩集 愛する歌』が2026年4月に発売決定

サンリオの出版事業第1号であり、「アンパンマン」の生みの親・やなせたかし氏の初市販詩集『詩集 愛する歌』の復刻が決定。1966年の初版本を忠実に再現し、2026年4月1日に発売されます。NHK連続テレビ小説「あんぱん」でも注目を集める本作は、やなせ氏とサンリオ創業者の絆から生まれた伝説の一冊です。


「ひふみん」の愛称で親しまれた将棋界のレジェンド・加藤一二三九段が死去 86歳

「ひふみん」の愛称で親しまれた将棋界のレジェンド・加藤一二三九段が死去 86歳

「ひふみん」の愛称で親しまれた将棋界のレジェンド・加藤一二三九段が1月22日、86歳で死去しました。「神武以来の天才」として14歳でプロ入りし、現役最長62年の記録を樹立。大山康晴十五世名人らとの激闘や藤井聡太竜王との対局など、将棋界に残した偉大な功績と、誰からも愛されたその生涯を振り返ります。


『北斗の拳』×『花の慶次』札幌で「漢の生き様」を体感!限定グッズ満載のPOP UP SHOPが開催

『北斗の拳』×『花の慶次』札幌で「漢の生き様」を体感!限定グッズ満載のPOP UP SHOPが開催

『北斗の拳』と『花の慶次 ―雲のかなたに―』の熱き世界観が融合した「漢の生き様 POP UP SHOP」が、2026年1月16日よりMARUZEN & ジュンク堂書店 札幌店にて開催。名場面を再現したアクリルジオラマやステッカーなど、ファン垂涎のグッズが勢揃い。購入特典には伝説の「でかいババア」も登場します。


徳永英明、40周年記念盤『COVERS』に玉置浩二、吉井和哉らが賛辞!豪華コメント到着

徳永英明、40周年記念盤『COVERS』に玉置浩二、吉井和哉らが賛辞!豪華コメント到着

1月21日に発売される徳永英明のデビュー40周年記念アルバム『COVERS』。そのリリースを前に、楽曲のオリジナルアーティストである根本要(スターダスト☆レビュー)、吉井和哉、玉置浩二、AIから祝福のコメントが到着した。名曲たちが徳永の歌声でどう生まれ変わるのか、アーティスト間のリスペクトが垣間見えるメッセージと共に紹介する。


不朽の名作『銀牙 -流れ星 銀-』の限定グッズが復刻!「カワセルくじ」でファン待望の再販スタート

不朽の名作『銀牙 -流れ星 銀-』の限定グッズが復刻!「カワセルくじ」でファン待望の再販スタート

高橋よしひろ氏による不朽の名作漫画『銀牙 -流れ星 銀-』のオンラインくじが、ファンの熱烈な要望に応え「カワセルくじ」にて復刻再販を開始しました。ビッグサイズのクッションや名シーンを再現したハンカチ、ユニークなパズル型キーホルダーなど、ここでしか手に入らない限定グッズが多数ラインナップされています。