コープオリンピア
日本でマンションが最初に販売されたのは1960年代と言われています。1962年にマンションの基本法である「建物の区分所有等に関する法律」が制定され、1964年の東京オリンピックが景気刺激となってマンション開発が増えました。そして、この記事で紹介するのはオリンピックの翌年に完成した【コープオリンピア】です。

コープオリンピア 外観

神宮前交差点に下る坂道
表参道や明治神宮に行った事ある人なら見たことある。という人も多いのではないでしょうか。立地としては、原宿駅徒歩数分で最高の場所にあります。竣工から半世紀以上が経過しますが現在でも健在します。
マンション名「コープオリンピア」とは?
気がついた人もいるかもしれませんが、マンション名「コープオリンピア」のコープは、売主が東京コープ株式会社で、オリンピアは、マンションが竣工する前年の1964年に代々木体育館などを会場に開催された東京オリンピックからきています。

国立代々木競技場 第一体育館
国立代々木競技場 - Wikipedia
どんなマンション?
まず、特徴的なのがギザギザになっていてます。これは、窓の採光性を上げるための工夫で、すべての窓を日の光の当たる方向に向けて作ることで、どの部屋にもちゃんと光が当たるようにできています。

ギザギザのデザイン
当時はまだまだ珍しかった、ホテルのようなフロントサービスを導入や竣工時からエレベーターや空調設備を完備するなど、当時の技術・サービスとして最高水準のものを備えていました。
また、現在では使用されていないようですが、なんと周囲を一望できるプールも設置されているようです。

フロント

共用廊下

プール
専有部については50年以上もたっていると何度もリフォームをされているようで、様々な部屋があり店舗やオフィスとして利用している部屋もあるようです。
ドラマやアニメ・漫画などにも登場

東京タラレバ娘
少し前の話では、ジャニーズの合宿所だったり、女優・京マチ子さん等、有名人の方も多くお住まいだったという話もあり、この業界では有名なマンションだったようです。
当時の価格・現在の価格は?
当時の建設費
当時の販売価格
当時の分譲価格は3,000万円から1億円超で、日本初の1億円超えのマンション、通称「億ション」と言われています。しかし、考えてください。当時と今では1億円の価値が全然違います。1965年の大卒初任給が2万4000円前後と言われていた時代です。超高級マンションなのが分かりますね。
約214平方メートルの住居で約8000万円(昭和40年代当時)で一般の戸建住宅よりも10倍近い価格だった。
http://www.kanrikyo.or.jp/4season/articles/history/vol36/index.php歴史に見るシリーズ 歴史に見るアパート暮らしと管理|マンション暮らしのフォーシーズン
現在の価格は?
2017年現在、筆者が簡単にであるが調べたところ賃貸だと56.21m²で約25万円前後、当時億ションと言われた185.50m²の部屋は約60万円前後。そして中古物件としての価格は56.21m²が約8,000万円前後100m²超はもちろん億を超えていた。
商業テナント
表参道ということもあり、コープオリンピアでは通りに面した地下1階から2階の一部には全17区画の店舗用のスペースが用意されています。時代が変化するなか、店舗の入れ替わりも多くあったようで、現在は眼鏡店のzoffなどが入っています。

南国酒家
なんとコープオリンピアが完成した時から入居する店があります。それがこの中華料理「南国酒家」酢豚にパイナップルを初めて取り入れた店としても知られています。
まとめ
数年前に近くにあった同潤会・青山アパートメントが取り壊されて「表参道ヒルズ」に変わったように、このコープオリンピアも老朽化が進んで建て替え等も検討されているようですが、商業テナント所有者との協議が難航していたりするようです。
近年はヴィンテージ・マンションとして価値があると評価されていることもあるのでしょう。