Surf Music
サーフミュージックの人気は衰えませんね。サーフィンをする人たちだけではなく、今も昔も広く多くの人たちに人気です。しかし、そのサーフミュージックも最近では随分変わってきたようですよ。新旧取り混ぜてご紹介します!
一昔前、60年代のサーフミュージックの代表と言えば、ザ・ベンチャーズですね。日本中にエレキ・ブームを巻き起こしたことでも知られています。代表曲といえば、やはり「パイプライン」でしょうね。
ノリノリですね。いつ聴いても心が躍り出します。ところでサーファーたちにとってパイプラインといえばザ・ベンチャーズよりも「バンザイ・パイプライン」でしょうね。
バンザイ・パイプラインをご存知ですか?
サーフィンの聖地と呼ばれているところは世界各地にいくつかありますが、格別の存在といえる場所がハワイにあります。ハワイでもワイキキのあるオアフ島、しかもワイキキとは反対側のノースショア(北の海岸)にあるのが誰もが認めるサーフィンの聖地バンザイ・パイプラインなんです。
バンザイ・パイプラインと言う名前は、サーフィン映画の金字塔「Endless Summer」を作ったブルース・ブラウンが、当時パイプライン建設工事が行われていたバンザイビーチのことを仲間とバンザイ・パイプラインと呼び合ったのが最初とされています。面白いですね!
そして、60年代を代表するサーフミュージックの代表といえば、なんといってもザ・ビーチ・ボーイズですね。
The Beach Boys

ザ・ビーチ・ボーイズ
ザ・ビーチ・ボーイズは1961年の結成以来現在でも活動を行っているだけあって、サーフミュージックだけのバンドというわけではありません。幅広い音楽性を持っていますが、初期に関してはサーフィンとホットロッド、青い海とビキニの女の子をテーマにしたポップな楽曲を多数ヒットさせています。
サーフィンに関する楽曲も「サーフィン・サファリ」や「サーファー・ガール」など数多く残していますが、中でもこの時期の代表曲と言えば「サーフィン U.S.A」でしょう。
60年代のサーフミュージックは、先の「パイプライン」や「サーフィン U.S.A」のようにエレキギターを中心にしたノリのいい音楽のことを多くさしていますが、2000年代になると随分印象が変わってきます。明確な定義はないようですが、もっとゆったりとし、アコースティックギターを基調とした穏やかな音楽へと移ってきています。
とは言え、ザ・ビーチ・ボーイズも「サーファー・ガール」となるとゆったりとしていて今聴いても心地いいですね。
余談ですが、それにしても、このイメージ・ビデオは気持ちがいいですね!
Jack Johnson

ジャック・ジョンソン
そして現在、サーフミュージックの第一人者と言えばこの人を置いて他にはいないでしょう。ジャック・ジョンソン、ハワイはオアフ島生まれのサーファーでもあります。
ジャック・ジョンソンが奏でる音楽の特徴は、アコースティック・ギターを中心としたオーガニックでリラックスした透明感のあるサウンドです。
2001年に発表したファースト・アルバム「ブラッシュファイアー・フェアリーテイルズ」は当初インディーズからのリリースでしたが、口コミで人気となり後にメジャーのレコード会社より再リリースされると、全米だけでもミリオンセラーとなる大ヒットを記録しました。
最近でもコンスタントにアルバムを発表しており、そのほとんどが全米・全英のアルバム・チャートで1位を獲得しています。
そんなジャック・ジョンソンの現時点での最大のヒット作は、2005年に発表されたサード・アルバム「イン・ビトウィーン・ドリームス」です。
一聴すると誰でもが感じると思いますが、このアルバムには愛があります。愛で出来たアルバムと言っても良いかと思います。心地よいです。リラックスできます。部屋の中にいてもそよそよと南風がほほに当たるのを感じるほどです!

イン・ビトウィーン・ドリームス
如何です?60年代のサーフミュージックにあるワクワクする感じとは随分違っていますよね。2000年代に入ってからのサーフミュージックには癒しがあります。そして自然志向といいますか、ロハスをテーマとした楽曲が多くみられます。
時代が求めているのでしょうね。そして、2000年代のサーフ・ミュージックはジャック・ジョンソンを中心として奏でられていると言っても過言ではないでしょう。
G. Love & Special Sauce

G・ラヴ&スペシャル・ソース
G・ラヴ&スペシャル・ソースの音楽性は実に多彩です。ジャズやブルースなどをベースとしつつ、ヒップホップなどの現代の要素を取り込んだハイブリットな作風です。
陰気なところはなく、オーガニックな曲調でゆったりとしたグルーヴを楽しむことができます。ジャック・ジョンソンとは旧知の仲で、G・ラヴ&スペシャル・ソースもまたサーフミュージックを代表する存在といえます。
G・ラヴ&スペシャル・ソースは、1999年に発表したアルバム「フィラデルフォニック」にまだデビューする前のジャック・ジョンソンの楽曲「ロデオ・クラウンズ」を収録するなど、早くからジャック・ジョンソンの才能を見抜いていたことでも知られています。
そして、2003年にジャック・ジョンソンが立ち上げたレーベル「ブラッシュファイアー・レコーズ」に参加しています。
Tristan Prettyman

トリスタン・プリティマン
「女性版ジャック・ジョンソン」と呼ばれ人気を得ているのが、トリスタン・プリティマンです。サーフミュージック界のプリンセスと言った感じでしょうか。
ちょっとかすれた声とアコースティックギターで癒されること間違いありません。トリスタン・プリティマンの歌を聴いているとすぐにでも海に行きたくなってしまいます。
アコースティックギターが得意で、サーフィンをこよなく愛しているという音楽スタイルはジャック・ジョンソンそのものですね。
Donavon Frankenreiter

ドノヴァン・フランケンレイター
ドノヴァン・フランケンレイターもまたミュージシャンであり、サーファーでもあります。2004年にジャック・ジョンソンのブラッシュファイアー・レコーズからデビューアルバムを発表しています。このアルバムのプロデュースはジャック・ジョンソンが行っています。
2010年になると通算4作目となるアルバム「Glow」を自身で立ち上げたレーベル「Liquid Tambourine Records」より発表していますが、サーファー・ミュージシャンは、自分のレーベルを持ちたくなるのでしょうかね?
60年代のサーフミュージックがサーフィンをしているような楽しい楽曲が多かったのに対して、2000年代のサーフミュージックは、海風に吹かれながら木陰で休んでいるような楽曲に変化してきてます。
こうした曲を聴いていると、実際にサーフィンをしていなくても夏が待ち遠しくなりますね!