人種差別解消の一助になっと言われる”フィリー・サウンド ”をもう一度、あの人に聞かせたい!!

人種差別解消の一助になっと言われる”フィリー・サウンド ”をもう一度、あの人に聞かせたい!!

米国の60~70年代は多様性の文化があちらこちらで花を開き始めていて、音楽においてもカントリー、ロック、ブルース、ジャズ、など多種多様なものが同時並行的に隆盛を極めている頃であった。また、黒人音楽においてもデトロイトのモータウン社を代表とする”ソウル・ミュージック”が全盛期を迎えていたが、ソウルの場合、とても地域性の特徴がでるところが、他の音楽との大きな違いでした。中でも、70年代一世を風靡したフィラデルフィア・サウンドは私にとって、一番馴染み深い音として、記憶の隅に残っています。


”ソウル・ミュージック”とは??

まず最初に、ソウル・ミュージックとは何か?、と言えば、非常に狭い意味で、黒人による、黒人のために、作っている黒人の大衆音楽の一つである。とまあ、すっごく短的な一言ですが・・・。

黒人による、黒人のために、作っている黒人の大衆音楽を総称して、”ブラック・ミュージック”とするならば、それは、時代によって色々その呼び名を変えてきている。

17世紀にアメリカに宣教徒がやってきて、また、アフリカから奴隷が連れて来られて、ゴスペルとブルースという音楽形態ができる下地ができた。

ゴスペルは教会音楽、ブルースは日々の生活を歌った日常音楽である。これらの音楽は、それぞれに発展してきたが、20世紀に入って、微妙に混ざり合うようになる。

そして、1940年代までに、ブルースとゴスペルを合わせ、しかも、強いビートを持った黒人の音楽が誕生している。その音楽は、当初はレース・ミュージックと言われていたが、1949年に「リズム&ブルース」という名前で呼ばれるようなった。このリズム&ブルースに注目した白人音楽家がそれを真似て、ロックン・ロールというものを生み出し、これが世界的にヒットするようになったのである。

レース・ミュージックはリズム&ブルース(R&B)、さらには、ソウル・ミュージック、ブラック・ミュージック、あるいは、ブラック・コンテンポラリー・ミュージックなどと呼ばれるようになり、60年代、70年代以降に一大勢力になっていくのである。60年代以降には、これとはまた別の音楽である、ジャズの要素が加わったソウル、ブラック・ミュージックも誕生するようになる。また、70年代には、ディスコの影響を受けたブラック・ミュージック、あるいは、ロックや、他の第三世界のいわゆるワールド・ミュージックなどの影響を受けたブラック・ミュージックも登場してくる。

そして、このリズム&ブルース(R&B)、ブラック・ミュージック、ソウル・ミュージックの世界で、様々な分派、あるいはジャンルが生まれている。それは地域的な要因や、音楽的要因だったりと様々な要因が考えられる。

ソウルの場合、とても地域性の特徴に富んでいるところが、他の音楽との大きな違いだ。デトロイトから出たモータウン・サウンド、シカゴから出たシカゴ・サウンド、メンフィスのメンフィス・サウンド、70年代一世を風靡したフィラデルフィア・サウンド、ニューオーリンズにも特徴的なサウンドがあります。ニューヨーク・サウンドもありますし、また、あまり特徴的ではありませんが、ロサンジェルスのサウンドもあります。

そして、音楽的要素で言えば、ファンク、スイートソウル、ヴォーカル・グループ、正統派ソロシンガー、アカペラ、ドゥワップ、セルフコンテインド・グループ(自分達で歌を書き、演奏し、歌う、すべてを自給自足でまかなうグループのこと)、ここ20年はヒップホップなどいくつものジャンルがでてきている。

こうしたものが複雑にからみあって、ブラック・ミュージックが形成されているが、ブラック・ミュージックの枠組みはかなり広いものになる。そして、そこには虹のごとく七色の、いやそれ以上の輝きを持っている。

「フィラデルフィア・ソウル」隆盛の前夜

「フィラデルフィア・ソウル」を説明する前に、「フィラデルフィア・ソウル」隆盛の前夜とも言うべき時代があったことを言及しようと思う。それが1950年代から1960年代初期までの間、このフィラデルフィアという土地が、「音楽都市」として大きな注目を集めることになったことだ。

その大きな要因が、テレビ音楽番組『アメリカン・バンドスタンド』であった。これは、そのときのヒット曲をかけ、一般試聴者がそれにあわせて踊るところを見せる、というシンプルな番組だった。これが、1952年9月から始まり、1989年9月まで続くことになります。この収録スタジオがフィラデルフィアにあり、当初はローカル番組でしたが、1957年10月から全米にネットワークされることになり、これを機に番組の人気が一挙に爆発する。多くのアーティストが出演するために、多くの若者がフィラデルフィアに集まった。また、ロックンロールの登場とともに大変人気が高くなったが、当然地元フィラデルフィア出身のアーティストは、こぞってこの番組に出ようとしたので、街自体が音楽で盛り上がり始めるようになった。後に1970年代に登場する『ソウル・トレイン』のプロトタイプとなったのが、この『アメリカン・バンドスタンド』です。

この番組からは、多くのヒットが生まれたが、その多くは白人のヒットだった。また、フィラデルフィアにも多くのインディ・レーベルが生まれた。キャメオ/パークウェイ、ジェイミー・ガイデン、フィラ・オブ・ソウルなどなどだ。

そんなインディ・レーベルのキャメオ/パークウェイから、チャビー・チェッカーという黒人シンガーの「ツイスト」という曲がヒットする。これは、当時ヒットしていた「ツイスト」というダンスについて歌ったもので、その「ツイスト」用の曲として1960年8月から大ヒット、全米ナンバー1を記録した。

これは、70年代のいわゆる「フィラデルフィア・ソウル」のジャンルには入らないが、「フィラデルフィア・ソウル」の前夜の動きとして、頭の片隅にいれておいてもよいであろう。

American Bandstand -- Doing The South Street and more.... - YouTube

現在のモダンダンス原点は60年代初めに流行ったツイストだった!! - Middle Edge(ミドルエッジ)

では、70年代一世を風靡したフィラデルフィア・サウンドとは?

フィラデルフィア(フィリー)・ソウル(Philadelphia (or Philly) soul)は'70年代前半に一世を風靡したフィラデルフィア発のソウルミュージックの一形態である。作品の大半がシグマ・スタジオで制作されたことによりシグマ・サウンドとも言われる。弦楽器演奏を加え華麗で柔らかく甘めのサウンドからスウィート・フィリーとも呼ばれた。それまでのソウル、R&Bをより洗練された都会的雰囲気と聴きやすさを訴求した形に変貌させた。

ロックンロールが隆盛下のフィラデルフィアでは、黒人人口が多い割にはソウル・ミュージックは栄えず、アイドル歌手等による白人のポップ・ミュージックがヒットしていた。

レーベルに関しても、1950年代後半から1960年代前半にかけて、フィラデルフィアで唯一のレーベルであったキャメオ・パークウェイが取り扱っていたのはボビー・ライデルらによるアイドル歌手や、流行性のダンス・ミュージックであり、白人受けしたものであったが、このレーベルも1968年には倒産する。
このレーベルに替わり、フィリー・サウンドを作ったのが、フィラデルフィア・インターナショナル・レコード(PIR)である。このレーベルは、1971年にケニス・ギャンブルとリオン・ハフによるプロダクション・チーム「ギャンブル&ハフ」より設立され、コロムビア・レコードと配給の契約をした。

フィラデルフィア・ソウルを代表する多才なミュージシャンたち

本格的にヒットが出始めた1972年頃から、ソングライター・アレンジャー・レコードプロデューサーに就任したトム・ベルはスタイリスティックスで次々とヒットを出し、さらに、スピナーズでもヒットを量産します。ギャンブル&ハフは、1971年にフィラデルフィア・インターナショナル・レコードがスタートしてから、1972年にオージェイズの「裏切り者のテーマ(Back Stabbers)」、ビリー・ポールの「ミー&ミセス・ジョーンズ」、ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツの「イフ・ユー・ドント・ノウ・ミー・バイ・ナウ(二人の絆)」などのミリオン・ヒットで、一挙に爆発。「フィラデルフィア・ソウル」がアメリカ音楽業界の中でも、もっとも注目される現象となりました。

また、日本に関して言えば、フィラデルフィア・ソウルで一番人気のスリー・ディグリーズなどは、日本でも大きな人気を獲得、日本語の楽曲などもレコーディングしました。これらのフィリー・ソウルの大ブームを受けて、日本の歌謡曲界でも、このフィリー・ソウルの影響を受けた作品も出ました。

こうして、フィラデルフィア・ソウルに注目が集まり、いわゆる白人のロック・アーティストなどもこの地を訪れ、そのサウンドを取り入れようとしました。エルトン・ジョン、デイヴィッド・ボウイなどがその例です。特にデイヴィッド・ボウイの1974年の『ヤング・アメリカン』、エルトン・ジョンの『トム・ベル・セッション』などは、話題になりました。

輝いた時代の終焉

大きな流れもいつかは終わりがくるものだ。1984年、CBSとフィラデルフィア・インターナショナル・レコードの配給契約が終了し、ひとつの時代にピリオドが打たれた。その後、フィラデルフィア・インターは、EMIが配給するようになり、2007年、再びソニーが全カタログの発売権を獲得し直している。そして各国で過去カタログの再発売などの作業が続いているようだ。

1970年代から80年代初期に多くのヒットを放った「フィラデルフィア・ソウル」「フィラデルフィア・サウンド」は、黒人のソウル・ミュージックをもっとも美しい姿で映し出した作品群の数々だった。そして、それぞれに歌のうまい情感あふれるシンガーたちが熱いソウルを歌たったことだ。モータウンのヒットの数々も、フィラデルフィア・ソウルのヒットの数々もその時代の黒人たちだけでなく、世界中の人々の人生のサウンドトラックとなり、賛歌となったのだった。

まさに、白人、黒人、黄色人を問わず、人類共通の魂(ソウル)を揺さぶることができたのだ。

関連する投稿


あの頃を思い出す「ラルフ ローレン」2024年秋キャンペーン

あの頃を思い出す「ラルフ ローレン」2024年秋キャンペーン

80〜90年代に流行した「ポロ・ラルフローレン」が再び人気を集めている。ラルフ ローレンは、あの頃を思い出す、ニューヨークをテーマにした映像を発表した。また、ニューヨーク・ヤンキースとのコラボレーションによるジャケットやミドルエッジ世代が着こなせるアイテムやコーディネートなども紹介していく。


いろいろあった!ピンク・レディーグッズあれこれ

いろいろあった!ピンク・レディーグッズあれこれ

女性アイドルデュオとして一世を風靡したピンク・レディー。その爆発的人気に伴い、巷では様々なピンク・レディーグッズが販売されていました。この記事では、ほんの一部ではありますが懐かしのピンク・レディーグッズを振り返ってみました。


昭和から続くテレフォンサービス「リカちゃん電話」とは?

昭和から続くテレフォンサービス「リカちゃん電話」とは?

昭和の子供たちに大人気だった電話サービス「リカちゃん電話」。専用の電話番号にかけると、リカちゃんが対応してくれ、録音メッセージが再生されるといった内容。電話する度にとても楽しい会話を楽しむことができました。同サービスについて簡潔に紹介します。


大ブレイクするまでの“甲斐バンド”のシングルがこれだ!!

大ブレイクするまでの“甲斐バンド”のシングルがこれだ!!

甲斐バンドは1975年2ndシングル「裏切りの街角」がヒットした後、1978年に11thシングル「HERO(ヒーローになる時、それは今)」で大ブレイクしるまでの約3年間、不遇な時期を過ごしています。が、その間に出た9枚のシングルも素晴らしいものばかりなんですよ!


郷ひろみ、アイドルからの旅立ち

郷ひろみ、アイドルからの旅立ち

1972年に颯爽とデビューし、瞬く間に全国の女の子たちのハートを鷲掴みにしてスーパーアイドルとなった郷ひろみ がアイドルから脱皮し自分の道を歩き始めるまでを追ってみました。 それにしても今でもカッコイイ郷ひろみ ですが、アイドル時代はなんともカワイイですよ。


最新の投稿


あの「デュード」がスクリーンに帰ってくる!『ビッグ・リボウスキ』全国リバイバル上映が決定

あの「デュード」がスクリーンに帰ってくる!『ビッグ・リボウスキ』全国リバイバル上映が決定

Filmarksのリバイバル上映プロジェクト「Filmarks 90's」第16弾として、コメディ映画の金字塔『ビッグ・リボウスキ』が2026年5月29日より2週間限定で全国公開されます。誤解から始まる騒動に巻き込まれながらも、マイペースを貫く男「デュード」の脱力系スタイルを劇場で体感する貴重なチャンスです。


祝6周年!「G-MODEアーカイブス」特別生放送が4月16日に開催、待望の新作も世界初公開へ

祝6周年!「G-MODEアーカイブス」特別生放送が4月16日に開催、待望の新作も世界初公開へ

ガラケーの名作を復刻する「G-MODEアーカイブス」が6周年!4月16日に開催される特別生放送では、ゲストにレトロゲームアイドル・村下小粒さんを迎え、ファン待望の「新作タイトル」を世界初公開します。デジタル遺産の保存に情熱を注ぐプロジェクトの節目を祝う、一夜限りの豪華放送の見どころに迫ります。


『To-y』連載40周年!上條淳士展示会「To-y ~帰郷~」が聖地・軽井沢で開催決定

『To-y』連載40周年!上條淳士展示会「To-y ~帰郷~」が聖地・軽井沢で開催決定

漫画家・上條淳士氏の代表作であり、音楽漫画の金字塔『To-y』。連載開始40周年を記念し、2026年4月27日より「SHARE LOUNGE 軽井沢T-SITE」にて展示会「To-y ~帰郷~」が開催されます。主人公・藤井冬威の故郷である軽井沢での初展示。貴重な原稿の公開や浅田弘幸氏を迎えたトークイベントなど、ファン必見の内容を詳しく紹介します。


昭和100周年の「昭和の日」に!懐かしのパッケージで楽しむ大人の辛口ベビースターが限定登場

昭和100周年の「昭和の日」に!懐かしのパッケージで楽しむ大人の辛口ベビースターが限定登場

2026年の「昭和の日」に合わせ、おやつカンパニーが『ベビースターラーメン(辛口スパイシーチキン味)』を発売。1959年の誕生当時をイメージした昭和レトロな復刻パッケージが、かつての子供たちを「あの頃」へ誘います。おつまみにも最適な、大人向けの刺激的な味わいと懐かしさが融合した一冊です。


祝50周年!合身ロボの先駆け『UFO戦士ダイアポロン』記念コレクションが金きゃらじゃぱんに登場

祝50周年!合身ロボの先駆け『UFO戦士ダイアポロン』記念コレクションが金きゃらじゃぱんに登場

日本初の合身ロボットアニメ『UFO戦士ダイアポロン』の放送50周年を記念し、金きゃらじゃぱんから豪華コレクションが4月に限定発売。純金カードやメモリアルメダルなど、ファン垂涎のアイテムが勢揃い。半世紀の時を超えて蘇る「アポロン・ヘッダー」たちの勇姿を、一生モノの輝きと共に手に入れるチャンスです。