高鳴る【VVVFインバータ】!!孤高の存在 国鉄207系900番台  その界磁チョッパ制御の魅力

高鳴る【VVVFインバータ】!!孤高の存在 国鉄207系900番台  その界磁チョッパ制御の魅力

1986年に国鉄で10両1編成だけ試作された国鉄207系900番台。今でこそVVVFは当たり前になり、京急のドレミファインバータなどは一般的にも有名になりましたが、当時はうなる電車の存在はなく、非常に近未来を感じたものです。たった1編成しか制作されず、孤高の存在だが廃車になった今もなおファンの心の中に残る207系900番台についてお話します。


この音(音楽と呼びたい)の正体は、VVVFという、省エネのために開発された電車の部品です。

簡単に言うと、それまでの電車を走らせるためのモーターは、うまくぴったりとした回転数を得るのが難しく、小さめのモーター出力では電車のスピードが出ないので、実際に必要な出力より大きな出力を出させて、それをわざわざ負荷をかけて弱めて使っているという状態でした。もちろん大きな出力を出すためには、多くの電力を使うため、実際に電車を走らせるのに必要な電気よりも多くの電気を使わざるを得なかったわけです。

そのため、当時から技術革新が急速に進んでいた「半導体」を使って、その電車に最適な回転数を得られるように、交流電気の周波数を制御する技術を開発したのです。
詳しい計算方法の理論は私も分かりませんが、交流電力は、50HZか60HZなので、交流モーターも、常に1秒間に50回転もしくは60回転と決まっているので、走り出す時は力が多く必要なので出力が足りなく、定速走行時は逆にモーターの力が出すぎるため、モーターが出す力をわざわざ抑える必要があったわけです。その周波数を制御することにより、その場に応じた適切な出力を出し、無駄な電力を消費しないようにしようとするわけです。

有名なVVVF-京浜急行

今では当たり前になったこの「VVVF」を、一般の人にまで広く知らしめた電車があります。京浜急行の2100系電車です。1998年に運転を開始しました。
1986年に国鉄207系900番台が制作(試作)されてわずか12年で、技術革新は大いに進み、この京急2100系は、その技術に遊び心を入れたものを採用しました。
制御装置はドイツ・シーメンス社製の VVVFインバータ制御を採用。鉄道ファンの間では「ドレミファインバータ」や「歌う電車」などと呼ばれ、音楽グループ「くるり」も、「赤い電車」という歌を歌っています。

エピローグー207系900番台の他の系列とは違う魅力とは 

上の動画で、特徴的な音を出して発車する京浜急行2100系、JR東日本E501系、209系の試作車901系をご紹介しましたが、これらの系列にはない魅力が、207系900番台にはあります。

前述しましたように、207系900番台は、たった1編成しか製造(というか試作)されませんでした。なので、そもそも何十本と地下鉄千代田線とJR常磐線(各駅停車・緩行線と言います。)を往復している電車の中で、この207系900番台に出会える確率というのがめちゃくちゃ低いです。
なので、その「レアもの」感がまず第1の魅力です。
そして、後輩たちのVVVFは、何か「洗練」された、おとなしめ、ひかえめ、音階を奏でるなど余裕のある音であるのに対して、一番先にできた207系900番台の音は、何か荒削りの、まるで何かを主張したいような、幅の大きな音を出して、「うなりをあげて進む」ようなイメージがあります。
残念ながら現在は廃車になってしまい、見ることはできませんが、この207系900番台を生で見ることのできた世代であることに感謝したいと思います。

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