鉄道史の重要な節目を捉える。C57の設計思想と終焉のドキュメント
『蒸気機関車EX(エクスプローラ)』Vol.63
インプレスグループのイカロス出版株式会社は、蒸気機関車ファン必携の季刊誌『蒸気機関車EX(エクスプローラ)』Vol.63を2025年12月23日に発売しました。今号では、わが国の蒸気機関車史において屈指の人気と重要性を誇る「C57」を徹底解剖するとともに、国鉄本線上から蒸気機関車の煙が消えてからちょうど50年という節目の年を記念した大型特集を展開しています。
■特集:究極のライト・パシフィック「C57概論」
C57形蒸気機関車は、先行するC55形の基本設計を踏襲しつつ、さらなる洗練を遂げて誕生しました。そのスマートな外観と安定した性能から、多くのファンに「シゴナナ」の愛称で親しまれてきた名機です。
本特集では、鉄道研究家の髙木宏之氏による詳細な解説により、C57の設計・開発思想を振り返ります。単なるスペックの紹介にとどまらず、なぜC57が長期間にわたって第一線で活躍し続け、そして国鉄最後(1975年)の蒸気機関車牽引旅客列車の先頭に立つことになったのか、その歴史的ポジションを浮き彫りにします。
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国鉄蒸機終焉50年:岩見沢・追分機関区、最後の日々の記録
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1975(昭和50)年12月は、日本の鉄道史において「火を落とす」瞬間が訪れた激動の1ヶ月でした。今号では、当時の生々しい記憶を多角的な視点から再構築しています。
岩見沢第一機関区の証言:1975年12月14日、室蘭本線の225レ(C57 135牽引)をもって、国鉄本線上から蒸機牽引の旅客列車が消滅しました。本誌では、その最後を見届けた元・機関士への独占インタビューを掲載。乗務の思い出や、消えゆく蒸機への想いをうかがっています。
追分機関区のドキュメント:旅客列車終焉からわずか10日後の12月24日、夕張線の貨物列車を受け持っていた追分機関区のD51もついに終焉を迎え、国鉄本線から蒸機が姿を消しました。最後の列車となった241号機牽引の6788レを巡る、12月24日のドキュメントをお届けします。
充実の誌面構成で読み解く「SLの魅力」
特集以外にも、蒸気機関車への多層的なアプローチが楽しめる充実の内容となっています。
ドキュメント72時間 特別編:国鉄蒸機牽引の最終列車を追いかけた、当時の鉄道少年の最後の秋を振り返ります。
履歴簿 C57 147:特定の機体に焦点を当て、その歩みを詳細に辿る連載。
C57 1全般検査レポート4:現在も動態保存されている「SLやまぐち号」の牽引機・C57 1のメンテナンスの裏側に迫ります。
新聞社が見た鉄道:当時のメディアが、主役交代の瞬間をどのように伝えたのかを検証。
本書は、往年の現役蒸機を知るファンから、鉄道の歴史を深く知りたい研究層、さらには鉄道模型ファンに至るまで、幅広い層におすすめの保存版と言える一冊です。蒸気機関車が「日本の血流」として力強く走っていた時代の記憶を、今再び紐解いてみてはいかがでしょうか。
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■書誌情報
誌名:蒸気機関車EX(エクスプローラ) Vol.63
発売日:2025年12月23日(火)
仕様:A4変形判 / 174ページ
定価:2,860円(本体2,600円+税10%)
ISBNコード:978-4-8022-1685-2