French Pops
フレンチ・ポップスに明確な定義はないようなのですが、日本では一般的にフランス語で歌われるポップスということで受け取られています。特に1960年代後半から70年代前半にかけて多くの曲が日本でもヒットしました。
この頃のポップスはフレンチに限らず今聴くととても分かりやすくて、まさにポップ、とにかくポップなんですよね。それが今でも愛されている理由でしょう。
中でもフレンチ・ポップスとなると、オシャレというか、エスプリが効いているというか、さわやかな気持ちになる曲が多いように思います。
フレンチ・ポップスに関しては、数々のコンピレーションアルバムが各メーカーから発売されています。まとめて聴けてとても便利ですよね。代表的なアルバムを1枚ご紹介しておきます。
ボン・ボン・フレンチ・ベスト
これだけの収録曲を携えたコンピレーションは未だ見た事が在りません! くつろぎの時間に、のんびりドライブのお供に。 愛着の沸く必携の1枚になる事間違いありません★
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ウキウキするような曲ばかりです。しかもジャケットもなんだかオシャレ。イヤでも気分が上がりますよ。
それでは、お勧めのフレンチ・ポップスを順にご紹介いたします。
La plus belle pour aller danser
アイドルを探せ
日本だけでも100万枚以上を売上げた「アイドルを探せ」ですが、原題は「La plus belle pour aller danser」で、訳すと「踊りに行く一番の美人」となります。タイアップされた映画の内容に合わせた邦題ですが、こちらの方がイメージにピッタリですよね。
「アイドルを探せ」は、シルヴィ・ヴァルタンの1964年にリリースされた3枚目のアルバム「夢のアイドル」に収録されています。 このアルバムの原題は「À Nashville」で、タイトルが示すようにナッシュビルでチェット・アトキンスの指揮の下、エルヴィス・プレスリーのバック・ミュージシャンやコーラスを使って録音しています。
因みに、シルヴィ・ヴァルタンは当時19歳です。
L'amour est bleu
恋はみずいろ
ポール・モーリアや曲名を知らなくても、聴けば知らない人はいないというぐらいの名曲ですね。しかも、知らなくても一度聴いただけで心に残る名曲でもあります。
この曲は最初1967年にヴィッキーが発表し、あまり大きな話題とならなかったのですが、翌年ポール・モーリアがカバーして世界的な大ヒットとなっています。
現在でもイージーリスニングとして定番中の定番となっている曲だけあって、今日まで多くのアーティストがカバーしています。面白いところではジェフ・ベックのカバーなんていうものまであります。原曲に忠実にギターで弾いていて、これはこれで気持ちがいい仕上がりとなっていますよ。
Les Champs-Élysées
オー・シャンゼリゼ
いかにもフレンチ・ポップといった「オー・シャンゼリゼ」。フレンチ・ポップの代表のような曲ですが、この曲じつは1968年にイギリスでリリースされたサイケデリック・バンドだったジェイソン・クレストの4枚目のシングル曲「ウォータールー・ロード」が元歌なんです。
歌詞をフランス語に置き換え、内容もイギリスの地名からフランスの地名に変更するなど手を加えて、アメリカ人の歌手ジョー・ダッサンが最初に録音しています。
日本ではダニエル・ビダルが1971年に歌ったものがヒットして、多くの日本人がカバーしています。
Tout, Tout Pour Ma Cherie
シェリーに口づけ
「可愛いシェリーのために」という邦題で1969年に日本ではリリースされましたがヒットしなかったといういわくつきの曲です。「シェリーに口づけ」として再リリースされたのは1971年のことですが、当時で40万枚という大ヒットになりました。ヒットした要因は、時代のニーズに合ったということかもしれませんが、タイトルが断然良くなっていますよね。まさに70年代のポップスそのままといった趣があります。
因みに原題を直訳すると「全部、全部を私の愛しい人のために」となります。歌いだしの「 Tout, Tout Pour Ma Cherie Ma Cherie~」の「Tout, Tout 」がキスのチュッ、チュッという音を連想させるということから口づけとしたそうです。そして「愛しい人」という意味の「Cherie」を「シェリー」と女性の名前にしてしまったんですね。素晴らしいワザありの名タイトルです!
Comment Te Dire Adieu
さよならを教えて
フランソワーズ・アルディは、パリ9区ドマル通り界隈の出身だそうですから生粋のパリジェンヌですね。知的で美しく仕事もできるという理想の女性です。1962年に「男の子女の子」でデビューし、一躍トップアイドルとなりました。「さよならを教えて」は、セルジュ・ゲンスブールが作詞を担当しています。
因みに、荒井由実が作り石川ひとみや三木聖子が歌いヒットした「まちぶせ」は「さよならを教えて」の翻案と言われています。なるほど、感じが似てますね。どちらもいい曲です。
L'Aquoiboniste
無造作紳士
「無造作紳士」は、セルジュ・ゲンスブールの作品です。原題を「aquoiboniste」と言い、「何にもならない屋さん」という意味の造語で、これは友人で歌手、俳優であるジャック・デュトロンをモデルにしてつくられたそうです。因みにジャック・デュトロンの奥さんはフランソワーズ・アルディです。それにしても邦題の「無造作紳士」とはよく付けたものですね。
「無造作紳士」は日本では1999年にテレビ・ドラマ「美しい人」の主題歌にになったことで注目されヒットしました。
どの曲もステキだと思いませんか?フレンチ・ポップスは幅広いですし素晴らしい曲はまだまだ沢山あります。興味を持たれたなら是非他の曲も聴いてみてくださいね。