ミッシェル・ポルナレフ
日本でミッシェル・ポルナレフと言えば、やっぱり何と言っても「シェリーに口づけ」。確かに印象に残る曲ですが、それだけだと思っていませんか?それだけだという気もしないではないですが、母国フランスでは国民的歌手として今なお不動の人気を誇っているのです。
ミッシェル・ポルナレフ
今なお不動の人気を誇っているとはいえ、ミッシェル・ポルナレフと言えばやっぱり70年代。日本でも絶大な人気を博した輝かしい70年代のミッシェル・ポルナレフにスポットを当ててみます!
シェリーに口づけ
日本での人気を決定づけたのはやはり何と言っても「シェリーに口づけ」。実はこの曲、1969年に「追わないで」とカップリングで発売されていました。
Tous les bateaux... tous les oiseaux(邦題:追わないで)
日本版も同じジャケットで発売されていましたが、本国でも日本でも「シェリーに口づけ」はB面だったんです。
当時の邦題は「可愛いシェリーのために」でした。それが「シェリーに口づけ」とタイトルを変えて再発され大ヒットとなったのです。1971年のことです。
原題「Tout, tout pour ma chérie」のチュッ、チュッという言葉の響きがキスのようだということからこのタイトルが付けられたそうです。名タイトルですよね。このタイトルあってのヒットといえなくもありません。
現在はミュージシャン側の意向と称して原題に忠実なタイトルしか付けられなくなっていますから今では考えられません。
愛と青春のトルバドゥール
日本とフランスではミッシェル・ポルナレフのヒット曲がことなっています。「シェリーに口づけ」もそのひとつで、フランスでは日本ほど注目されていません。
大ヒットしたことで日本ではファーストアルバム「愛と青春のトルバドゥール」に「シェリーに口づけ」は追加収録されています。
愛の休日
日本で「シェリーに口づけ」と並ぶ代表曲に「愛の休日」があります。1972年の大ヒット曲で、原題は「Holidays」。意図的にタイトルに「愛」を付けているわけですが、ミッシェル・ポルナレフといえば「愛」なんですよね。
「愛の休日」が収録されているのは日本で4枚目となるアルバム「ポルナレフ・ナウ〜ポルナレフ4」です。
ポルナレフ・ナウ〜ポルナレフ4
「ポルナレフ・ナウ〜ポルナレフ4」はそれまでのアルバムに収められていた代表曲とシングルによる日本独自の編集盤です。しかし、よく出来ています。オリジナルといってもいいほどです。
で、収録曲を観て頂くとお分かりのように、タイトルに「愛」とつくものが「愛の休日」を含め3曲。
3枚目のアルバム「ポルナレフの世界〜ポルナレフ3」でも同じような傾向ですね。
ポルナレフの世界〜ポルナレフ3(Polnareff's)
4曲に「愛」が付いています。ファーストアルバムには「愛の願い」「愛の証しを」の2曲が収録されていました。いくらラブ&ピースのころとはいえ、ちょっとやりすぎではなかろうかと心配になってきますね。
しかし、そんな中でも「愛の休日」は別格の素晴らしさです。
続いて「愛の伝説」を出すわけですが、いくら「愛の休日」がヒットしたからと言ってこのタイトルはいかがなものでしょう?
因みに「愛」と付けられたシングル(全てA面)は「愛の願い」「愛のコレクション」「愛の休日」「愛の伝説」「愛のシンフォニー」と全部で5曲発売されています。
因みに「悲しみ」と付けられたシングルも多く「悲しみの舞踏会」「悲しみのロマンス」「悲しきマリー」に、「哀しみの終わるとき」「哀しみのエトランゼ」と5曲。
シングルだけでこんな感じですからねぇ。ミッシェル・ポルナレフの歌は「愛」と「悲しみ」で出来ていたことがよく分かります!