70年代のミッシェル・ポルナレフは日本独自の売られ方をしていたんですよねぇ。

70年代のミッシェル・ポルナレフは日本独自の売られ方をしていたんですよねぇ。

母国では今でも国民的歌手として人気の高いミッシェル・ポルナレフ。日本でも70年代は絶大な人気を誇っていたのですが、日本とフランスでは受け入れられ方が違い、違う曲がヒットしていました。日本オリジナルのジャケットやタイトル曲で本国とは少し違うイメージ作りをして、それが成功したんですね。


ミッシェル・ポルナレフ

日本でミッシェル・ポルナレフと言えば、やっぱり何と言っても「シェリーに口づけ」。確かに印象に残る曲ですが、それだけだと思っていませんか?それだけだという気もしないではないですが、母国フランスでは国民的歌手として今なお不動の人気を誇っているのです。

出生名:Michel Polnareff
生誕:1944年7月3日(74歳)
出身地:フランス ロット=エ=ガロンヌ

ミッシェル・ポルナレフ

今なお不動の人気を誇っているとはいえ、ミッシェル・ポルナレフと言えばやっぱり70年代。日本でも絶大な人気を博した輝かしい70年代のミッシェル・ポルナレフにスポットを当ててみます!

シェリーに口づけ

日本での人気を決定づけたのはやはり何と言っても「シェリーに口づけ」。実はこの曲、1969年に「追わないで」とカップリングで発売されていました。

Tous les bateaux... tous les oiseaux(邦題:追わないで)

日本版も同じジャケットで発売されていましたが、本国でも日本でも「シェリーに口づけ」はB面だったんです。
当時の邦題は「可愛いシェリーのために」でした。それが「シェリーに口づけ」とタイトルを変えて再発され大ヒットとなったのです。1971年のことです。

原題「Tout, tout pour ma chérie」のチュッ、チュッという言葉の響きがキスのようだということからこのタイトルが付けられたそうです。名タイトルですよね。このタイトルあってのヒットといえなくもありません。
現在はミュージシャン側の意向と称して原題に忠実なタイトルしか付けられなくなっていますから今では考えられません。

1. 愛の願い
2. 人生は星の流れ
3. 愛の証しを
4. 恋人に捧ぐバラッド
5. 夜の鳥と一緒に
 6. シェリーに口づけ
7. 初めての愛
8. 青春に捧ぐバラッド
9. 僕の心にいつまでも
10. 君との愛がすべて
11. ノン・ノン人形

愛と青春のトルバドゥール

日本とフランスではミッシェル・ポルナレフのヒット曲がことなっています。「シェリーに口づけ」もそのひとつで、フランスでは日本ほど注目されていません。
大ヒットしたことで日本ではファーストアルバム「愛と青春のトルバドゥール」に「シェリーに口づけ」は追加収録されています。

愛の休日

日本で「シェリーに口づけ」と並ぶ代表曲に「愛の休日」があります。1972年の大ヒット曲で、原題は「Holidays」。意図的にタイトルに「愛」を付けているわけですが、ミッシェル・ポルナレフといえば「愛」なんですよね。
「愛の休日」が収録されているのは日本で4枚目となるアルバム「ポルナレフ・ナウ〜ポルナレフ4」です。

  1. 愛のコレクション
  2. 愛の休日
  3. 忘れじのグローリア
  4. ロミオとジュリエットのように
  5. 僕は男なんだよ
  6. 哀しみの終わるとき
  7. 渚の想い出
  8. ステキなランデブー
  9. 想い出のシンフォニー
10. 愛はあの人の胸に
  11. ギリシャにいるジョリジナへ
  12. 哀しみの終わるとき/演奏

ポルナレフ・ナウ〜ポルナレフ4

「ポルナレフ・ナウ〜ポルナレフ4」はそれまでのアルバムに収められていた代表曲とシングルによる日本独自の編集盤です。しかし、よく出来ています。オリジナルといってもいいほどです。
で、収録曲を観て頂くとお分かりのように、タイトルに「愛」とつくものが「愛の休日」を含め3曲。
3枚目のアルバム「ポルナレフの世界〜ポルナレフ3」でも同じような傾向ですね。

1. 愛の旅人達
2. 僕はアイスクリームの中から生まれた
3. 限りなき愛を君に
4. コンピューターの夢
5. 不信という砂漠の中で
6. 愛の物語
7. しかし、まだ旅は続く
8. 愛のコレクション
9. 神父さまの結婚式
10. 愛の来訪者
11. 真夜中の出来事

ポルナレフの世界〜ポルナレフ3(Polnareff's)

4曲に「愛」が付いています。ファーストアルバムには「愛の願い」「愛の証しを」の2曲が収録されていました。いくらラブ&ピースのころとはいえ、ちょっとやりすぎではなかろうかと心配になってきますね。
しかし、そんな中でも「愛の休日」は別格の素晴らしさです。

続いて「愛の伝説」を出すわけですが、いくら「愛の休日」がヒットしたからと言ってこのタイトルはいかがなものでしょう?
因みに「愛」と付けられたシングル(全てA面)は「愛の願い」「愛のコレクション」「愛の休日」「愛の伝説」「愛のシンフォニー」と全部で5曲発売されています。
因みに「悲しみ」と付けられたシングルも多く「悲しみの舞踏会」「悲しみのロマンス」「悲しきマリー」に、「哀しみの終わるとき」「哀しみのエトランゼ」と5曲。

シングルだけでこんな感じですからねぇ。ミッシェル・ポルナレフの歌は「愛」と「悲しみ」で出来ていたことがよく分かります!

ノンノン人形

ミッシェル・ポルナレフといえば、70年代の人という印象が強いかと思いますが、デビューは意外に早く1966年です。

ノンノン人形

デビュー曲の「ノンノン人形」は日本でも1966年に発売されています。サングラスもありませんし印象が随分違いますよね。
ただ、あの澄み切った声はまさにミッシェル・ポルナレフです。

この「ノンノン人形(La poupée qui fait non)」、問題はバックミュージシャンです。当時の売れっ子スタジオミュージシャンで、後にレッド・ツェッペリンを結成することになるジミー・ペイジ(ギター)とジョン・ポール・ジョーンズ(ベース)が務めています!

フランスで大ヒットした「ノンノン人形」ですが、日本ではまったく売れませんでした。

僕はロックンローラー

フランスでも日本でも人気絶頂だった1973年、ミッシェル・ポルナレフは念願のアメリカ進出を目指してロサンゼルスへ移住します。
結局、アメリカでの生活は上手くいかず、以降日本での人気ににも陰りが出始めるのですが、その少し前に発売されたアルバムが「ポルナレフ革命」です。

1.愛の伝説
2.囚われのプリンス
3.素敵な欲望 
4.ガラスの涙
5.ポルナレフ革命 (演奏)
6. ファンクラブの皆様へ
7. ロージーからの手紙
8. 僕はロックンローラー
9. 悲しみのロマンス
10. サーカスへの誘い
11. ファンクラブの皆様へ(演奏)

ポルナレフ革命

このアルバム、ジャケットも曲順も当時は日本オリジナルです。アルバムからは「愛の伝説」「悲しみのロマンス」「僕はロックンローラー」の3曲がシングルになり全て大ヒットしました。「愛」ではじまり「悲しみ」で終わる。まぁ、今だったら付けられないタイトルですが、ミッシェル・ポルナレフを的確に表したタイトル、そして完璧な曲順でしょう。

軽快ですね。心地よいフレンチポップです。この「僕はロックンローラー」のシングルジャケットは「ポルナレフ革命」と同じ写真が使われていました。「ポルナレフ革命」の現在のCDジャケットはフランスと同じものになっていますが味気ないです。日本オリジナルがやっぱりいい!

ミッシェル・ポルナレフは本国では国民的歌手かもしれませんが、70年代の彼は間違いなく日本の歌手でもあったんです。

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