武双山!父にシゴかれ相撲版「巨人の星」と呼ばれた小学校時代。朝食は畳2畳分!?

武双山!父にシゴかれ相撲版「巨人の星」と呼ばれた小学校時代。朝食は畳2畳分!?

スピード出世から「平成の怪物」との異名を取った武双山。左肩の脱臼癖から期待された横綱昇進は叶わなかったが、変化を一切しないガチンコ相撲にファンは惹きつけられた。相撲版「巨人の星」と呼ばれた猛特訓の小学校時代も特集する。


引退した武双山の断髪式に父・正人も参加した

こうした相撲漬けの生活から相撲版「巨人の星」と呼ばれたが、5つ上の姉は「やっていることは、虐待と変わらない」と父の徹底指導を腹に据えかねて猛抗議したことがあり当の父も「できることなら投げ出してほしい」と内心で願っていたという。

しかし、当の本人は友達と遊んでいても、夕方4時半には帰宅し、特訓をこなした。それは家族旅行先でも変わらず、黙々とメニューを消化したそうだ。

武双山は後年、こう述懐している。
”学校から家に帰るのが嫌な時期もありました。
道場だったら休めるけど、家だから帰らないわけにはいかない。
でも、親父は試合で勝つとおもちゃを買ってくれたり、
稽古の時も褒めてくれたりするので、それが嬉しかった。
(中略)
僕はそれに、上手く乗せられちゃったのかも。”
(nishi19 breaking newsより引用)

こうして、小学校4年生で、身長143cmの体重37kgと他の子供と比べると小さく、あぐらもかけないほど柔軟性に欠けていたという少年は、後に身長184cm、体重177kgとなり、「平成の怪物」と呼ばれるまでに成長することになった。

武双山

変化をしない力士!真っ向勝負あるのみ!!

現役時代には一切変化しない力士として知られており、本人も変化に対しては「相撲道はただの勝ち負けを争うものではない」として厳格な立場を取っている。

アマチュア横綱を獲得した専修大学時代。
1年の時、鷹巣大会の団体準決勝、同志社大学との一戦で「どうしても勝ちたくて」生涯唯一の立ち合いの変化をしたという。しかし、「あと味が悪くて、うれしくなかった」とその夜は眠れなかったそう。

武双山

現役時代、出足を活かした押し相撲、引かずに常に前へ出る取組をみせた武双山。不調の際も、駆け引きをせず、真っ向勝負の相撲は真面目な人柄をも垣間見せた。また、その姿勢にファンは魅せられた。

武双山本人は変化について「勝負に対する執念かもしれない。反則じゃないから、やったって構わないんですよ。個人の相撲道の違いじゃないですか」「価値観ですから。私は、変化は汚い手段だと思ってますから。技術の1つだという人もいる。私は胸を張れる相撲を取りたかった。(変化すると)勝った後も評価が変わってくるんじゃないですか? 自分が胸を張れないでしょう」と述べている。

また、度重なる怪我に苦しんだ現役生活だったが、決してそれを負けの言い訳にしない点にも、武双山の美学を感じることができた。

大関・魁皇とは最大のライバルであり、親友

学年は武双山が一つ上であるが、同じ1972年生まれの元大関・魁皇とは最大のライバルであった。そしてまた大の親友同士でもあった。
その魁皇とは武双山が現役引退した2004年11月場所まで、幕内在位場所数(68場所)が一緒だった。

2004年11月場所3日目に武双山から引退を聞かされた時の魁皇は、ショックの余り「言葉を失った」と言い、武双山は2011年7月場所限りで現役引退した魁皇から電話で「武双山がいたから俺も頑張れたよ」と告げられたという。

魁皇は自身の思い出の一番に、2000年1月場所千秋楽で武双山に敗れ幕内初優勝を献上した取組を挙げ「その時の悔しさがあったから、大関に上がれた」とコメント。一方の武双山は「相手を気遣う気持ちが魁皇らしい。一緒に刺激し合った特別な存在だから、寂しくなるし残念だ」と、かつてライバルの引退を惜しんだ。

魁皇

2001年5月場所、「感動した!」で有名な貴乃花の優勝。怪我をさせたのは武双山だった

2001年5月場所、武双山は初日から13連勝の貴乃花と対戦。
貴乃花は左差し右上手を引きつけて投げの体勢を取るが、一枚廻しの状態の武双山は崩れず、最終的に武双山が土俵際で貴乃花を巻き落としで下した。
貴乃花は落ちた際に右膝半月板を損傷する重傷を負ってしまった。

歩行も困難な状態であり、休場すべき重症であった。取組後の夜に貴乃花は師匠の二子山(元大関・貴ノ花)から休場勧告を受ける。

しかし、貴乃花は千秋楽に強行出場し、結びの一番で武蔵丸と対戦した。
右膝にぐるぐると巻かれたテーピングから怪我の深刻さが伝わってくるほどで、本割では案の定、武蔵丸にあっけなく敗れてしまう。

だが、13勝同士で武蔵丸と戦った決定戦では大方の予想を覆し、豪快な上手投げで勝利した。この優勝劇は、当時の内閣総理大臣である小泉純一郎が「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!おめでとう!」と興奮気味に内閣総理大臣杯を手渡したシーンでも有名である。

しかし、この怪我を押しての出場の影響から、貴乃花は以降7場所に渡って休場を余儀なくされ、結果的にこれが最後の優勝となった。

武双山が貴乃花を巻き落としで破ったシーン

優勝を決めた瞬間の貴乃花。まさに勝負師・鬼の形相だった

一方で武双山は一部の相撲ファンから「貴乃花が怪我をしたことに武双山のユルフンが関係している」と批判され、場所直後の読売新聞の記事には「ケガの一因が、武双山の緩く締めたまわしにあった」と明記されていた。

実際には武双山に限らずユルフンの力士は当時の土俵上で珍しくなく、ユルフンが戦略として蔓延していることも同じ記事の上で問題になっていた。そして、武双山の場合は腰痛が原因できつく締められなかったという経緯もあった。

大相撲【曙vs若貴】この対戦がとにかくアツかった!! - Middle Edge(ミドルエッジ)

個人データ、生涯戦歴

四股名:武双山 正士 (引退後は藤島親方)
本名:尾曽 武人
所属:武蔵川部屋
最高位:東大関

1972年2月14日生まれ。 茨城県水戸市(出生地は勝田市、現在のひたちなか市)出身
身長:184cm、体重:177kg、BMI:52.28

得意技:突き、押し、突き落とし、巻き落とし、左四つ、寄り

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