国際社会貢献活動に寄せて
2008年6月、「TAKE ACTION! 2008 実行委員会」を立ち上げ、地球環境に「なにかできること、ひとつ。」をテーマにキャンペーンを行った。その中の企画の一つとして、海外スター選手を招いてのサッカー親善マッチ「+1 FOOTBOOL MATCH」を開催。海外では選手や元選手が世界のスター選手をオーガナイズしてチャリティーマッチや親善試合を行っているが、日本人では初の試みとなるもので、横浜国際総合競技場に約6万3000人の観衆を集めた。この試合は啓発を目的としておりチャリティーマッチではなかったが、来場者に出場選手の直筆サイン入りユニフォームが当たるラッフル(くじ)を購入するという方式で寄付を募り、寄付金はミャンマー・サイクロン食糧支援と、中国・西部大地震復興支援に全額寄付された。また、中田の主旨に賛同したルイ・ヴィトン主催によるチャリティー・ガラにおいて、「中田チームと試合できる」権利が800万円で落札されるなど約2900万円の収益をあげ、アフリカのマラリア対策のための蚊帳を購入する資金として寄付され、翌年の5月には中田本人がアフリカに行って配布に参加し、配布状況を見届けている。 また、「TAKE ACTION! 2008 実行委員会」は、収益の中から岩手・宮城内陸地震へ義援金を寄付した。
一般財団法人「TAKE ACTION FOUNDATION」を立ち上げ、代表理事に就任。4月には、TAKE ACTION FOUNDATIONの初事業として、中田の郷里である甲府市の信玄公祭りに合わせ、山梨県サッカー協会主催のヴァンフォーレ甲府との親善試合と、TAKE ACTION F.Cのメンバーがコーチとなるサッカー教室が行われた。収益の一部から、アフリカへのサッカーボール2万個の寄付と教育プログラムが実施され、また、甲府市が行うサッカーの機会拡大のための地域活性プロジェクトへ250万円を寄付した。
人物中田英寿
並外れた語学力
イタリア語、英語が堪能で、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ロシア語でも簡単な会話ができるという。高校生のころからセリエAへの移籍を考えてイタリア語の勉強を始め、イタリアへ渡って2か月後には通訳なしで会話できるようになっていた。さらにボルトンへの移籍会見では、50分間通訳を通さず英語で応対。イタリアにいるころから英語の家庭教師についており、英語のインタビューには英語で応じていた。映画「GOAL!」の主演男優とはスペイン語で話している映像も放映され、また本田圭佑と行われた対談ではロシア語を披露し本田を驚かせた。
国際的サッカー選手として
フランスワールドカップ組み合わせ抽選会記念試合で、初めて「世界選抜」の一員として出場した時、チームの主将だったロナウドが後半で途中交代する際にキャプテンマークを渡されて巻いている。これ以後、世界選抜の記念試合や、ジーコ、ジネディーヌ・ジダン、ロナウド、ルイス・フィーゴら有名選手の主催するチャリティーマッチに多数出場している。ドイツワールドカップのブラジル戦では、入場通路でロナウド、ロナウジーニョ、カカらと談笑する姿が放映され、試合終了直後には、ピッチに倒れている中田にパルマ時代の同僚であるアドリアーノが近寄って腰をかがめ、「ヒデ、人生には、涙を流すときもあれば、笑うときもあるさ。」と慰めるシーンが見られた。