記録媒体として、主にレコードから磁気テープ、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリーカードなどの分類について振り返っていきましょう。
まず初めに、20世紀に活躍しいま再注目されつつあるレコードの起源
「懐かしさ」という意味では、LPレコードとカセットテープが2強かもしれません。
70年代に広く普及していたLPレコードの起源は、19世紀後半の1877年にトーマス・エジソンが発明したころが起源でした。

1877年、エジソンが発明
同じくトーマス・エジソンが発明したキネトグラフ

撮影機「キネトグラフ」と投影機「キネトスコープ」
カセットテープに代表される磁気テープは1920年代に実用化
1920年代後半に、磁気テープ記録が実用化。
AEGとIG・ファルベンにより、世界初の実用的な磁気テープレコーダー (K1) が開発されました。

AEG Magnetophon K1 (1935)
1932年には8ミリフィルムが発売されます
私たち世代には8mmビデオなんて言葉もなじみ深い8mm。
1965年頃にコダックや富士フイルムによって数々の改良がなされ1970年代にピークを迎えた8mmは、1932年に登場しました。

1932年、世界初の8mm撮影機
8ミリビデオカメラの名機を振り返る 「液晶ビューカム」「パスポートサイズ・ハンディカム」 - Middle Edge(ミドルエッジ)
1947年、LPレコードが発売
レコード登場時より活躍したSPレコードに対して、LPレコードが登場。
(SPレコードはLPレコードとの対比でSPと呼ばれた)
使いやすく長時間記録ができる特長から、戦前から使われていたSPレコードを置き換えていきました。

レコードの種類
【貸レコード店「友&愛」】エイベックスを創業した松浦勝人氏がアルバイトした店としても有名でした。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
1950年代初頭にコンピュータ用の磁気テープ記録装置が登場

コンピュータ用磁気テープ
磁気テープによるデジタルデータの記録が始まります。
当時の人々が思い描いた未来のコンピュータ社会は↓のようなイメージだったようですね。
【コンピュートピア】無人工場、先生のいない学校・・・1969年に少年サンデーで組まれた「コンピュートピア」な未来予想図が面白い! - Middle Edge(ミドルエッジ)
1956年、IBMからハードディスクが登場
磁気ディスクによるデジタルデータの記録。
コンピュータのデータ保存とシステムソフトウェアの格納用に用いられました。最初のハードディスクは自動販売機よりも大きなサイズです。

1956年にIBMから搬出される容量5MBのハードディスク
1958年、ソノシート発売
通常のレコードと異なり、極めて薄く、容易に曲げることができる程度に柔らかいため、雑誌の付録や、印刷された台紙などに透明な盤を貼り付けたメッセージカード等に利用されました。
大きさは17cm盤や8cm程度の小型盤で、このタイプは専用のプレイヤーで聴くものが多く色は主に赤や青でした。

ソノシート
おぼえてますか?雑誌のおまけに付いてたペラペラのレコード「ソノシート」を振り返る。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
1962年、フィリップス社がコンパクトカセットを開発
いわゆるカセットテープのことを指す、磁気テープによるアナログ音声信号の書き換え可能な記録媒体。
コンパクトカセットは規格が公開されたことで世界中に広まり、家庭向けの身近な音声記録媒体になりました。
カセットテープの種類 違いって何? - Middle Edge(ミドルエッジ)
80年代のCDは録音機能がありませんでしたので、カセットテープはMDやさらに先のメモリーカードやメモリースティックが普及するまで、非常に長い間活用された記録媒体でした。
自作、レタリングなどに創意工夫を凝らした方も多かったことでしょう。
懐かしさで涙が出そう・・・「FM STATION」のカセットレーベル集めてみたよ! - Middle Edge(ミドルエッジ)
1970年、IBMが8インチのフロッピーディスクを開発
5.25インチ、3.5インチは家庭用PCに用いられ、コンピュータの磁気ディスクメディアとして広く普及しました。
1976年には5.25インチ、1980年には3.5インチが開発

8インチ、5.25インチ、3.5インチと小型化が進んだフロッピーディスク
あまり見なくなった・消えたパソコン周辺機器・規格 - Middle Edge(ミドルエッジ)
1970年代後半、ビデオテープレコーダーの普及
磁気テープによるアナログ映像信号の書き換え可能な記録媒体。
1980年前後にはベータマックス方式とVHS方式が激しい規格争いを演じました。
【VHS対ベータ】数ある規格戦争でも最も有名な争い!ご家庭のビデオデッキはどっちでしたか? - Middle Edge(ミドルエッジ)
1982年、ソニーとフィリップスからコンパクトディスク (CD)が登場
光ディスクによる音声のデジタル記録。
DVD-Audioなどの後継規格に置き換えられることなく、非常に広く普及しました。
1990年代のシングルCDは8cmでした。いつしか12cmに統一されていたシングルCDのサイズ、どんな経緯で誕生し消滅していったのでしょう?? - Middle Edge(ミドルエッジ)
1980年代後半~1990年代、レーザーディスクの活躍
レーザーディスクは、直径30cmのディスクに両面で最大2時間の映像を記録できる光ディスク規格。
発売当時は「絵の出るレコード」というキャッチコピーが使われていました。
レーザーディスクという名称は日本国内ではパイオニアの登録商標だったのですが、1989年に商標を無償開放し、事実上一般名詞化していたレーザーディスクという名称を他メーカーも使用できるようになりました。
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1987年、DAT規格
日本国内でDATテープを発売したのはソニー、松下電器産業(現・パナソニック)、日本ビクター(現・ビクターアドバンストメディア(JVCケンウッド))、TDK(現・イメーション(TDK Life on Recordブランド))、富士フイルム(AXIAブランド)、日立マクセル、日本コロムビア(現・デノン コンシューマー マーケティング(ディーアンドエムホールディングス))、花王などです。

デジタル音声テープ「DAT」
MDが無い時代、デジタル録音と言えばDAT(デジタルオーディオテープ) - Middle Edge(ミドルエッジ)
1991年、ソニーがMD(ミニディスク)を発表
ミニディスク(MD)は、ソニーが1991年に発表、1992年に製品化したデジタルオーディオの光学ディスク記録方式およびその媒体。
アナログコンパクトカセットを代替するという目標が開発の背景にありました。
当時、カセットテープと異なりデジタルでしかも曲出しが出来るMDは非常に熱い視線を集めました。
【MD/ミニディスク】レンタルCDを借りて来てMDにダビングしまくったあの頃を懐かしむ。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
1995年、DVDが登場
第2世代のデジタル光ディスク。CDとの互換性を持ちながら容量ははるかに大きく、長時間映像の記録ができるようになりました。
第3世代のBlu-ray Discへと進化しつつ、DVDはいまなお活躍していますね。一方、DVDの登場でLDは衰退の速度を速めたともされています。
2000年、USBメモリの登場
手軽なデータ保存・交換用メディアとして普及。
メモリーカード、メモリースティックなどの普及によってMDの需要は低下していきました。