シンガーソングライター「陣内大蔵」

1965年5月25日生まれの「陣内大蔵」は、山口県宇部市出身のシンガーソングライター・音楽プロデューサーです。
牧師家庭に生まれ育ち、自身もプロテスタントのクリスチャンです。2007年より日本キリスト教団東美教会に就任し、チャリティコンサートなどを精力的に開催するなどの一面も持ち合わせています。
教会の子供として育ったことは、彼の人格形成に大きく影響を与えました。幼少のころから聖歌隊で歌唱力を養うとともに、中学生まで習っていたヴァイオリンや礼拝堂にあったピアノを弾くなど自然と楽器と触れ合う機会に恵まれたこともよい影響だったといえます。
関西学院大学神学部在学中の1988年にシングル「いと小さき君の為に」、アルバム「Moratorium」でメジャーデビューします。以降、80年代後半から90年代にかけて「深呼吸」「空よ」「心の扉」「新しい風」「僕は何かを失いそうだ」などのヒット曲を多数リリースしました。

吉田栄作『僕は何かを失いそうだ』
また、数々のCMソングやTVドラマ主題歌などを手がけ、吉田栄作、沢田研二、永井真理子、少年隊、チャゲなどに楽曲を提供するなど、メロディーメーカーとしても活躍しました。
CMやドラマに起用され、知名度を上げた90年代

ドラマやドキュメンタリー番組で多数起用されました

ドラマ"刑事貴族 2
1991年日本テレビ系連続ドラマ「刑事貴族2」のエンディングテーマに「空よ」が起用されました。
ちなみに刑事貴族とは、1990年4月から1992年12月まで続いた、新宿区にある架空の警察署「警視庁代官警察署」刑事課の刑事たちの活躍を描いた人気の刑事ドラマ。「刑事貴族」(37話)、「刑事貴族2」(40話)、「刑事貴族3」(26話)が放映されました。

ドラマ"教師夏休み物語
1992年には、日本テレビ系連続ドラマ「教師夏休み物語」の主題歌に「心の扉」が起用されました。
同ドラマは、1992年7月から9月まで日本テレビ系で放送された石橋凌主演のTVドラマ。新宿区の高校が舞台で、個性豊かな教師と問題を抱えた生徒との葛藤や対決が描かれたものでした。
1997年、TBS系「世界ウルルン滞在記」のエンディングテーマに「BAKU」 が起用されました。
1995年4月から2007年4月まで日曜の夜にTBS系列で放送されていた「世界ウルルン滞在記」。トークショーとクイズ番組を兼ねた世界紀行ドキュメンタリー番組としてお茶の間の人気を博しました。

世界ウルルン滞在記
CMで耳に残っている方もいらっしゃるのでは
当時、メントスのCMでは、外国人の学生らしきメンバーが登場。控室での談笑や乗馬をする場面など、陣内のポップな曲調にマッチした非常に爽やかなイメージが印象に残る作品になっています。また、「深呼吸」や「新しい風」など長年にわたり、彼の曲が4作も採用され、陣内大蔵と言えば「メントスのCMのあの人」という方も多いのではないでしょうか。

メントス CM
ディスコグラフィー…88年~01年までオリジナルアルバム11作品

陣内大蔵は1988年から2001年まで11枚のオリジナルアルバムをリリースしました。ここではリリース順にご紹介していきます。
1stアルバム『Moratorium』
1988年4月にリリースされた記念すべきデビューアルバム。当時、まだ若くかった陣内がライヴで見せるワイルドな面が、このアルバムでは陰に隠れ、逆に知的な面が強く出ていて、これがデビュー作かと思える程の完成度を持っていると評された作品です。ちなみにデビュー時のキャッチコピーは「許してほしい・・・夜になると、僕は偽善者になれないんだ。」でした。

Moratorium
2ndアルバム『PRAYING NIGHT』

PRAYING NIGHT
3rdアルバム『深呼吸』

深呼吸
4thアルバム『BLOW WIND BLOW』

BLOW WIND BLOW
5thアルバム『Big Deal』
元ジェネシスのボーカル、ピーター・ガブリエルのスタジオでのミックスによる5thアルバムになります。内省的な歌詞やスケールの大きい曲作りはピーター・ガブリエルに通じるところもみられる作品です。

Big Deal
6thアルバム『TWIN』

TWIN
デビュー当初に見られた照れのようなものがなくなり、ライヴによって得た快感原則に従い、下世話な感覚を表出してるそのボーカルスタイルは、表情豊かなものに。色気の発散の仕種が様になってきたと評された作品になります。
7thアルバム『RISING』

RISING
8thアルバム『KEEP IN TOUCH』

KEEP IN TOUCH
9thアルバム『View』
陣内大蔵の趣味のひとつに水彩画を描くことがあります。こちらのアルバム「View」のアルバムジャケットをイラストレーターとして手掛けています。1993年のインタビューでは「無人島へひとつだけ何かを持っていけるとしたら?」という問いに対して「水彩画の道具」と答えているほどです。

View
10thアルバム『J』

J
11thアルバム『Bridge』

Bridge
まとめ
いかがだったでしょうか。オリジナルアルバムをコンスタントにリリースしていた80年代後半から00年代前半までが、陣内大蔵の音楽の才能が発揮された、ギュっと凝縮された濃密な時代なのかもしれません。彼の当時タイアップしていたヒット曲をあらためて聴いてみると、当時の思い出がよみがえるかもしれませんね。
陣内大蔵 オフィシャルサイトII