The Miracles

THE MIRACLES
ミラクルズは、スモーキー・ロビンソンが1955年にハイスクールの友人らと結成した「マタドールズ」というコーラス・グループが母体です。
その後、作曲家のベリー・ゴーディー・ジュニアの目に留まり、「バッド・ガール」という曲でミラクルズとしてデビューします。メンバーは、スモーキー・ロビンソン、ウォーレン・ピート・ムーア、ロニー・ホワイト、ボビー・ロジャース、そして紅一点クロデットの5人組です。
そして、ベリー・ゴーディー・ジュニアが設立したタムラ=モータウン・レコードの最初の契約アーティストとなりヒット曲を連発することになります。
ミラクルズはリードシンガーであり楽曲の制作もやっていたスモーキー・ロビンソンの人気が高かったためでしょう、アルバムで言うと1961年発売の「Hi... We're The Miracles」から1963年発売の「Doin' Mickey Monkey」までの4枚がミラクルズ名義で、1965年発売の「Going To A Go-Go」から1972年発売の「Smokey Robinson & The Miracles: 1957–1972」までの11枚はスモーキー・ロビンソン&ミラクルズとなります。
1972年にはスモーキー・ロビンソンが脱退してしまいますが、ミラクルズは後任のリード・シンガー「ビリー・グリフィン」を迎え入れ、「ドゥ・イット・ベイビー」や、「ラヴ・マシーン(全米1位)」といったヒット曲をを放っています。

モータウン
ご存知の方も多いとは思いますが、ベリー・ゴーディ・ジュニアが設立したモータウン・レコード(当初はタムラ・レコード)は、ソウルミュージックを中心にしたレコード会社です。60年代に全米トップ100にナント79曲も送り込んでいます。
所属していたアーティストは、スティーヴィー・ワンダー、スプリームス ダイアナ・ロス、テンプテーションズ。ジャクソン5 マイケル・ジャクソン、プリンス、マーヴィン・ゲイ、マーヴェレッツ、マーサ&ザ・ヴァンデラス、ライオネル・リッチー、リック・ジェームスなどなど、もう書ききれないほどです。
そして、ミラクルズのリード・シンガーであるスモーキー・ロビンソンは、このレーベルの設立から関わり副社長を長年務めていました。
それではミラクルズの全盛期を辿ってみましょう。
Hi... We're The Miracles
スモーキー・ロビンソンとベリー・ゴーディ・ジュニアが共作し、R&Bチャートの1位に輝いた「ショップ・アラウンド」を含む記念すべき1960年発売のデビューアルバムがこれです。

Hi... We're The Miracles
The Fabulous Miracles
1963年発売の3枚目のアルバム「The Fabulous Miracles」には、R&Bチャート1位を獲得し、後にビートルズがカヴァーした「ユーヴ・リアリー・ゴット・ア・ホールド・オン・ミー」が収録されています。

The Fabulous Miracles
それでは、ビートルズと聴き比べてみましょう。ビートルズ・バージョンはなんともモダンですね。ジョン・レノンの声も素晴らしいです。
Going To A Go-Go
1965年発売の本作からミラクルズはスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズとグループ名を変更しています。
同年のヒット曲「ゴーイング・トゥ・ア・ゴー・ゴー」は後にローリング・ストーンズがカヴァーしました。

ゴーイング・トゥ・ア・ゴーゴー
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それにしても、このダンス!カッコいいですね。
曲もダンスも今でも十分魅力的です。
それではローリング・ストーンズバージョンも見てみましょう。
いやいや、ローリング・ストーンズも素晴らしい!ミック・ジャガーのソウル・ミュージックに対する愛が感じられますよね。
ところで、この頃、ミラクルズのショーの最後に歌われていた曲「Mickey's Monkey」。
ちょっと覗いて観てください。これは、さぞかし盛り上がったことでしょう。
このビデオの最後にチラリと見えるのはシュープリームスのようですね。
Make It Happen
1967年発表の「涙のクラウン」が、ついに初の全米チャート1位となります。この曲はモータウンのクリスマス・パーティにスティービー・ワンダーが歌詞が思いつかないということでスモーキー・ロビンソンのところに持ってきたのだそうです。
何とも言えない味のあるポップナンバーですね。

涙のクラウン
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因みにCrownだと王冠ですが、曲名にあるクラウンは「Clown」ですから道化師ですね。

涙のクラウン
全盛期と言えばスモーキー・ロビンソン在籍時ということになるのでしょうが、1972年にスモーキー・ロビンソンが脱退後もヒット曲を飛ばし続けたミラクルズ。
あの滑らかなコーラスがいかに多くの人の心を掴んだかということですね。