子供のころにみた景気のいいチンドン屋は立派な広告塔!その語源と歴史について。

子供のころにみた景気のいいチンドン屋は立派な広告塔!その語源と歴史について。

子供のころ「ば~か、あ~ほ、チンドン屋~」なんて言葉で使われたチンドン屋、憶えていますか?その言い方自体は現代では許されないのかもしれませんが、私たちの幼いころ「チンドン屋」っていうと派手な衣装と鳴り物で、街中を景気よく練り歩く光景が思い出されますよね。そんなチンドン屋は立派な広告塔、その起源と歴史について振り返ります。


陽気なイメージでしたね「チンドン屋」

「ば~か、あ~ほ、チンドン屋~、お前の母ちゃんで~べ~そ~」

そんな子供時代の掛け合い言葉、誰しも覚えがあるかもしれないですね。
もちろん、いまとなっては色々と難しい言葉かと思いますが、当時は本気で蔑称しているのでなく、囃子言葉として使っていたはずです。

さて、そんな言葉に出てきた「チンドン屋」。
駅前の商店街や、あるいはパチンコ屋さんの前など、なんとなく景気のいいところで目にした方も多いのではないでしょうか。

時代劇とサーカスが一緒に来たような、そんな感じで観ていましたね。
街を廻りながら行う宣伝を「街廻り」、移動せず店頭で行う宣伝を「居つき」といいます。

派手な衣装と鳴り物が特徴的なチンドン屋

「チンドン屋」という呼称の語源

当たり鉦と太鼓を組み合わせて一人で歩きながら演奏出来るようにした一種のドラムセットをチンドンまたはチンドン太鼓と呼びます。

チンドンまたはチンドン太鼓

「チンドン」は、鉦の「チン」という音と胴太鼓の「ドン」という音を組み合わせた擬音から成立したと考えられていますが、十分な用例が確認されていないようです。

「チンドン屋」の呼称が普及しはじめたのは、大正末から昭和初期と考えられ、確認できる用例は、1930年(昭和5年)頃からあるそうです。当初は、単独で華美な衣装を身につけ、口上を行うことに対して「チンドン屋」の呼称が用いられており、必ずしも三味線、管楽器の演奏を伴わない形態であったようです。

チンドン太鼓と呼ばれる楽器を鳴らし、物珍しい格好で衆目を集め、その地域の商品や店舗の宣伝を行う「チンドン屋」

れっきとした広告宣伝業であり、クライアントから直接仕事を請け負う元請け業者が親方となります。

チンドン太鼓、楽士、大太鼓を中心に、旗持、ビラまきらが加わります。

3~5人編成が一般的なチンドン屋

チンドン太鼓と口上は、事業主である親方が担当することが多く、口上も兼任。

楽士は、クラリネット、サックスなどの管楽器で旋律を演奏する専門職で、特定の親方と雇用関係を結ばず、フリーで活動するケースもあります。

旗持は、幟を持ち、先頭を歩く役割で、「ビラまき」は、チラシ、ティッシュなどを配布し、「背負いビラ」と呼ばれる店名やサービス内容が書かれたポスターのようなものを各人が背中に背負い、あるいはチンドン太鼓の前に取りつけます。

チンドン屋の歴史

戦前の全盛期は1933年から38年頃とされ、1936年、鳩山一郎とテキ屋出身の市議会議員倉持忠助が選挙における票の取りまとめに利用しようとチンドン屋の組合(帝都音楽囃子広告業組合)を作ったところ、その会員数は3000人に及んだそうです。

旗持が独特の踊りをしながら歩くことも。
やや遅れて、衰退に向かったジンタの管楽器奏者を加えた形態が大正末頃から増え始め、トーキーの登場を機に失職した映画館楽士が流入、さらには管楽器入り編成が定着。

大正期のチンドン屋は口上が主体

戦後復興期の流行と高度経済成長期の衰退

戦後復興の中、大規模な広告展開が困難な状況下で、少人数・小規模で小回りが利くチンドン屋の営業形態が時代にマッチし、 陽気な音楽や派手も衣装も受けてチンドン屋は大いに盛り上がりました。
関東ではパチンコ店からの仕事が多く、1950年にはチンドン屋人口は2500人に及んだそうです。

一方で1960年半ば頃からは、テレビの普及などもあり、チンドン屋は「古くさい」ものとなってしまいました。

昭和30年代頃からはスピーカーを通した宣伝広告、そして自動車の交通量が増加し商店街や横丁をも通行するようになったことで、都市においてチンドン屋が活動できる空間は狭まっていったのです。

チンドン屋は立派な広告宣伝業

チンドン屋は路上で行われる音声広告であり、歩く野立て看板もしくはポスター・POP広告であり、広告請負業でもあります。

類似した広告請負の形態としてはジンタ(ヂンタ)、サンドウィッチマンなどがあげられます。

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