80年代を駆け抜けたエレクトリック・ポップの雄、ヒューマン・リーグ

80年代を駆け抜けたエレクトリック・ポップの雄、ヒューマン・リーグ

80年代に青春を過ごした方には忘れられないヒューマン・リーグの「愛の残り火」。イントロを聴いただけで体が勝手に踊りだしてしまう上質なエレクトリック・ポップです!80年代の音楽が好きでまだ聴いたことがない方には超お勧めします。そんなヒューマン・リーグの歴史をひも解いてみましょう。


The Human League

The Human League

ヒューマン・リーグといえば、イギリスを代表するエレクトリック・ポップ・グループで男性1人に美女2人という印象が強いですが、結成当時は男ばかりのバンドだったのです。

1977年にマーティン・ウェアとイアン・クレイグ・マーシュにより結成されたデッドドーターズ(1977年と言えばバンク・ブームの真っただ中ですから、このようなバンド名になったのでしょうね)が前身で、その後ヴォーカリストとしてフィリップ・オーキー(vo,kb)と、エイドリアン・ライト(kb)が加入し、1979年にヒューマンリーグとしてデビューしました。

1979年リリース

【収録曲】
1. Almost Medieval
2. Circus Of Death
3. The Path Of Least Resistance
4. Blind Youth
5. The World Before Last
6. Empire State Human
7. Morale... You've Lost That Loving Feeling
8. Austerity/Girl One(Medley)
9. Zero Is A Limit
10. Introducing
11. The Dignity Of Labour (Part 1)
12. The Dignity Of Labour (Part 2)
13. The Dignity Of Labour (Part 3)
14. The Dignity Of Labour (Part 4)
15. Flexi Disc
16. Being Bolied(Fast Version)
17. Circus Of Death(Fast Version)

リプロダクション

しかし結成早々の80年にマーティン・ウェアとイアン・クレイグ・マーシュがいきなり脱退してしまいます。音楽性の違いとは言え創設メンバーが2人も脱退してしまったことでヒューマンリーグは立て直しをせまられます。
結果、ジョアンヌ・キャトラルとスーザン・アン・サリーという2人の女性ヴォーカルを含む6人組グループとして再出発します。

The Human League

当時流行っていたニューロマンティックという言葉がぴったりの6人組ヒューマン・リーグですね。

一方、脱退したマーティン・ウェアとイアン・クレイグ・マーシュはヘヴン17を結成し活躍しました。

Heaven 17

Heaven 17

マーティン・ウェアとイアン・クレイグ・マーシュが結成したヘヴン17も素晴らしいバンドです。
主に80年代に活躍し、1983年には「Temptation」という曲がヒットしました。

ヘヴン17というちょっと変わったバンド名は、「時計じかけのオレンジ」という小説の一節から取られています。

Dare!

通算3枚目、新生ヒューマン・リーグとして最初のアルバムは全英1位、全米3位というキャリアを通して最大のヒット・アルバムとなりました。
シングル・カットされた「愛の残り火(Don't You Want Me)」も全英、全米共に1位となる大ヒットを記録しています。

1981年リリース

【収録曲】
1. ザ・シングス・ザット・ドリームス・アー・メイド・オブ
2. オープン・ユア・ハート
3. ザ・サウンド・オブ・ザ・クラウド
4. ダークネス
5. ドゥ・オア・ダイ
6. ゲット・カーター
7. アイ・アム・ザ・ロー
8. セカンズ
9. ラブ・アクション (I BELIEVE IN LOVE)
10. 愛の残り火

デアー

ヒューマン・リーグといえば、今も昔もやはり「愛の残り火」ですね。。「エレクトリック・アバ」と形容されるだけのことはある上質のポップソングです。

アルバム・ジャケットもフランスあたりの雑誌か何かのようでオシャレですね。

「愛の残り火」に続いてリリースされた「Mirror Man」、「(Keep Feeling) Fascination」も共に全英2位のヒットとなり、まさにこの時期は飛ぶ鳥を落とす勢いでした。

Hysteria

前作「デアー」の世界的な大ヒットを受けて相当のプレッシャーがあったと思いますが、ヒュー・パジャム&クリス・トーマスという辣腕プロデューサーを迎え約3年振りとなる4thアルバム「 ヒステリア 」は発売されました。全英11位のヒット曲「The Lebanon」が収録されています。

1984年リリース

【収録曲】
1. アイム・カミング・バック
2. ラヴ・ユー・トゥー・マッチ
3. ロック・ミー・アゲイン
4. ハロー・ルイーズ
5. レバノン
6. 光なき世界
7. 明日に願いを
8. 悲しみをのりこえて
9. 愛の別れ道
10. 片想い

ヒステリア

「The Lebanon」。今聴いても十分かっこいいですね。エレクトリック・ポップというよりも、思いのほかロックしてます。

アルバムは、前作ほどではないとはいえ、全英3位、全米62位と大健闘しました。

Crash

ジミー・ジャム&テリー・ルイスをプロデューサーに起用し、エレファンクという新機軸を打ち出した5thアルバム「クラッシュ 」。
シングル・カットされた「Human」は見事全米No.1を獲得、全英でも8位と大ヒットしました。

1986年リリース

【収録曲】
1. マネー
2. スワング
3. ヒューマン
4. ジャム
5. アー・ユー・エヴァー・カミング・バッグ?
6. アイ・ニード・ユア・ラヴィング
7. パーティー
8. ラヴ・オン・ザ・ラン
9. ザ・リアル・シング
10. ラヴ・イズ・オール・ザット・マターズ

クラッシュ

どうしてもボーカルの3人が目立ってしまうヒューマン・リーグですが、ジャケットの裏面にはしっかりとフィリップ・エイドリアン・ライト、イアン・バーデン、ジョー・カリスと3人のメンバーが写っています。
3人組と思われることの多いヒューマン・リーグは、しっかりと6人組でバンド形態なんです。

クラッシュ _ジャケット裏面

80年代最後を飾るアルバム「クラッシュ」を成功させたヒューマン・リーグは、1990年「ロマンティック?」、1995年「オクトパス 」、2001年「シークレッツ」と充実したアルバムを発表していきます。
ただし、メンバーは本当に3人になってしまいました。。。

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