『ケータイが無くても!』下駄箱ラブレター・交換日記・カセットテープ・夜電話。昭和40~50年代の中学・高校生の通信・表現手段はバラエティに富んでいました!

『ケータイが無くても!』下駄箱ラブレター・交換日記・カセットテープ・夜電話。昭和40~50年代の中学・高校生の通信・表現手段はバラエティに富んでいました!

昭和40年~50年代の中学生・高校生は、ケータイが無くても、いろいろな方法で自分の気持ちを表現したり、友だちとのやりとりを楽しんだりしていました。あの懐かしい時間を振り返ってみたいと思います。


おはよう!あれっ、・・・。

ケータイもパソコンもなかった頃。
誰かに自分の気持ちを伝える手段は、直に話す・固定電話に電話する・手紙を書くというのが主でした。
中でも『ラブレター』は特別なものでした。

一大決心のもと書き上げても、問題はどうやって相手に渡すか。
直接手渡したり郵便で送ったりすればいいのですが、それができない人にとっては学校の下駄箱が、手紙を託す重要なスポットのひとつになりました。

朝からこんなものが入っていたら、ドキドキしますよね。

ラブレターをあげた・もらった・もらったことない・人のを見たことがある・・・。
思い出は人それぞれ。
この場ではラブレターの中身にまでは言及しませんが、ラブレターに関する書き込みを読んで「なるほど、そう言えば」と思ったことがあります。

確かにー!
あの頃のマンガやドラマの定番表現でした。

実際、初めは現実があってマンガやドラマになったのでしょうが、それを見てから、憧れてまねした人もたくさんいたのではないでしょうか。
純粋で感化されやすく、真剣にやってしまうのも、あの頃の中学生・高校生の特徴だったのかもしれません。

『靴箱からどわーっは、マンガのなかでの「お約束」』と前置きした上で、『靴箱のラブレターは何通であふれ出すのか』という実験をした人たちがいます。
面白いので良かったらこちらも読んでみてくださいね。

@nifty:デイリーポータルZ:靴箱のラブレターは何通であふれ出すのか

さて今度は、下駄箱から教室に行ってみましょう。
教室もまた『表現』の宝庫でした。

授業中。勉強以外の自己表現

授業中、勉強以外にやっていたこと。
教科書にいたずら書き・ペン回し・消しゴムのカスで練り消し作り・パラパラ漫画など。
誰にも覚えがあると思います。
せっかくなので、達人技を集めてみました。

教科書にいたずら書き

消しゴムのカスで作った消しカスアート「黒い薔薇」。
素晴らしい!

教科書にパラパラ漫画を描いてる子もいました。

あ、手紙きた

授業中、つんつんと背中をつつかれて、渡される小さな手紙。
女子はよくやってました。
中が見えないように折るのですが、いろんな折り方がありました。
あなたはどんな折り方をしていましたか?

手紙の内容は、放課後の遊びの誘いだったり、眠いとか先生が退屈といったつぶやきだったり、いろいろでした。
この画像のような丸文字が流行って、一生懸命練習したけれど、うまく書けなかったのを覚えています。
字が可愛くてうらやましいなあと思っていたけれど、年配の先生が「こんな文字では社会では通用しない!テストも点数はやらん!」と怒ったので、みんなしぶしぶ、テストは普通の文字で書いていました。

ハート型は人気がありました。

ちょっと凝って、シャツ型。
でも、めったにありませんでした。
そういえば、ちょっとしたプレゼント用の小袋も、こんなふうな形に作るやり方がありました。
リボンでネクタイを作ったり・・・。
見た目にすごくこだわっていたんですね、あの頃は。

休み時間 まわってきた交換日記

あの頃、『交換日記』が大流行り。
あちらでもこちらでもノートが回っていたような気がします。
手書き版ラインですよね。
文字や絵が人によって全く違って、とても新鮮で、とても仲間意識が強くなるアイテムでした。

書く内容は、好きなマンガやテレビのことだったり、真面目に悩みを書いたり励ましたり、みんな思いつくまま書き散らしていました。
恥ずかしい詩を書いていたり、似てもいないイラストを描いたり。
誰にも覚えがあると思いますが、大人になって読み返すと赤面するような内容です。
でも懐かしいですね。

SF小説にどっぷりはまりやすい年頃。
レイ・ブラッドベリの「火星年代記」に感化された友人は、交換日記に自作の小説を連載。
けっこう面白かったけれど、途中で熱が冷めたようで、いつのまにかうやむやに消えていきました・・・。

このカラー万年筆を覚えている方、いますか?
1976年にセーラー万年筆から発売されて、とても流行ったものです。
と言っても、ここに掲載されているものは2011年に記念企画で出された復刻版です。
当時のものは、もう少し太くて丸っこいデザインでした。
けっこうみんな持っていて、気に入った色で、交換日記に書き込んでいました。
だから色を見れば、誰が書いたのかすぐわかったんですよ。

すべてが手書きだった頃、万年筆は大人の象徴で、就職祝いや大学入学祝いなどでいただくことが多かったように覚えています。
それを可愛く先取りした形で、当時の女子高生に流行ったのです。
復刻版の人気・関心は、今の若い女性に『薄かった』そうです。

クリアーキャンディ万年筆

流行りものをもうひとつ。
『ばびぶべぼ語』って覚えていますか?
文章の一文字ずつの間に、前の言葉の母音に従って「ばびぶべぼ」の中で同じ母音の文字を足して話す(書く)言葉です。例えば、
「きょうはいいてんきだ」という時は
「きびよぼうぶはばいびいびてべんぶきびだば。」(「ん」の時は「ぶ」をつけたりつけなかったり、小文字の時は割愛したり、人によって多少の違いがありました。)

交換日記でわざわざこの言葉を使って、隠しメッセージっぽく書くこともありました。
そういうことを喜々としてやっていたんですよね、あの頃は。
ちなみに今は『バビ語』と言うそうです。

ばびぶべぼ語

『中二病』全開!だから交換日記は青春カオス

なんか青春のカオスが、ギュッと詰まったようなノートですね。

交換日記に関する思い出を検索すると、一様に、皆さん懐かしみながらも「黒歴史」と赤面したり、「なんでこんなの書いていたんだろう」と不思議がったりしています。
私も同じですが。
そんな中で、昔、伊集院光さんのラジオで生まれた『中二病』という言葉の説明が、交換日記を書いていた頃の私たちにピッタリで、とても腑に落ちたので紹介したいと思います。

典型的な「症例」として以下6点が紹介されている。 1.洋楽を聴き始める。 2.旨くもないコーヒーを飲み始める。 3.売れたバンドを「売れる前から知っている」とムキになる。 4.やればできると思っている。 5.母親に対して激昂して「プライバシーを尊重してくれ」などと言い出す。 6.社会の勉強をある程度して、歴史に詳しくなると「アメリカって汚いよな」と急に言い出す。 中二病には主に以下の3つのタイプがあるとされる。 【DQN系】 反社会的な行動や不良を演じ、格好いいと思い込んでいる。根は真面目であったり、臆病であったりするので本当の不良にはなりきれない。喧嘩や犯罪行為に対する虚言が多い。 【サブカル系】 流行に流されずマイナー路線を好み他人とは違う特別な存在であろうとする。別にサブカルが好きなわけではなく他人と違う趣味の自分は格好いいと思い満足している。 【邪気眼系】 不思議・超自然的な力に憧れ、自分には物の怪に憑かれたことによる発現すると抑えられない隠された力があると思い込み、そのような「凄い力」がある自分を妄想し、悦に入る。また、そういった設定のキャラクター作りをしている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E4%BA%8C%E7%97%85

中二病 - Wikipedia

差し詰め、交換日記は『中二病』の晴れの舞台だった、というところなのかもしれませんね。

今日は早く帰ってテープ完成させようっと。

さて、この辺で場所を変えて、帰宅後を見てみましょう。

カセットテープとラジカセが全盛期の頃。
自分のお気に入りの曲だけを集めて、『MY BEST』のミックステープを作るのが何よりも楽しかったですね!
このミドルエッジ内で「カセットテープ」を検索してみてください。
思い入れの詰まった記事がたくさんでてきますよ!

あああ、なつかしー!
数あるカセットテープの中でも、パステルカラーで、可愛くて大好きでした。
カセットの色のイメージで、録音する音楽の傾向を決めたり・・・。
大好きな曲を、これでもかってくらい録音してました。

ARROW  I LOVE MUSIC  C-46 (1980年中期)  

こんな番組、放送されていたんですね!
やっぱり皆、熱くやっていたのがわかって、なんだか嬉しくなりました。

当時は雑誌の付録に、カセットレーベルがよく付いていました。
好きな作家さんのイラストや映画の写真が付録だと、本屋さんの店頭でも構わずに、友だちと一緒に大喜びしてしまいました。

2冊買って「1つは保存用」なんて言う、オタク道を貫く太っ腹な子もいましたが、みんな大抵
そんなにお小遣いに余裕はなかったので、1冊を大事に買って、丁寧に切り取りました。
今ならパソコンでいくらでも作れるのになあ・・・。

めったにやりませんでしたが、たまに緊急でやったことがあります。
『音楽番組の予告で、これから好きな歌手が出ることがわかる!→新しいカセットテープがない!→買いに行く時間がない!→手持ちのカセットの中で消してもいいものを探す!→セロテープ出動!』
初めて試した時は、こんなので録音できるのか不安でしたが、無事できることがわかると、次から学校で「大丈夫、テープすればできるできる」なんて言ってました。

この鉛筆でぐるぐる巻きとる作業、やりましたよねー。
だいたいは聴きすぎてテープが伸びて切れる寸前とか、ラジカセ本体が壊れる予兆とか。
お気に入りのテープでこうなってしまった時の、プチパニック!
祈るような気持ちでぐるぐる巻いていました。

【カセットテープ&レタリングシート】愛のメッセージはカセットで!!活躍したレタリングシート - Middle Edge(ミドルエッジ)

懐かしさで涙が出そう・・・「FM STATION」のカセットレーベル集めてみたよ! - Middle Edge(ミドルエッジ)

夜の電話

あの頃も今も、中学生や高校生が、友だちや恋人と夜に電話で話したい気持ちは変わりません。
ただひとつ、決定的に違うのは、あの頃の私たちにはケータイが無く、家に固定電話がひとつしかなかったということです。

「どうせ明日また学校で会うんでしょう。」と言われても、やっぱり話したいものは話したい。
何度も電話をかけるうちに、番号だけでなく、ダイヤルが回って戻る「ジーコ、ジーコ、ジー―――コ、ジコ」という音まで覚えてしまいました。
プッシュホンのお宅だったら、「ピ、ピ、ポ、パ」という音階ですね。

相手の家に電話をかけると、誰がでるのかわからない、というのが結構緊張しました。
お母さんならまだしも、厳格そうなお父さんだったり、耳の遠いおじいちゃんだったりした時の、何とも言えない感じ・・・。
冷汗が出て、友人に代わると思わず、「あ~、もう、あせったよ~!」

他にも時々、お風呂に入っていたり用足しに出ていたり、家にかける電話は、友人の生活の一部を垣間見るような気がしました。

結局そんなこんなで、家族に電話に出られるのがイヤで、「じゃあ、9時に電話してね。」と友だちと夜の電話の時間を決めたりしていました。
だから8時半くらいに「先に風呂に入れ」と言われても、「まだいい、先に入っていいよ!」と家族に順番を押し付けたり、テレビを観ながら「あ、もうすぐだ」なんて時計をそわそわ見たり。
そんな時に限って、ギリギリの頃に別の電話がかかってきてイライラしたり。
あなたも覚えがありませんか?

マンガ・アニメ『あたしンち』という作品に、長電話をめぐる親子の攻防が描かれています。

親に聞かれるのがイヤで、コードを伸ばして電話を廊下に持っていく娘。
寒くて毛布にくるまりながら長電話を続ける娘に、「早く電話を切れ」とゼスチャーで示す母。
トイレに行きたくてモジモジしながらもしゃべり続ける娘に、とうとう母が「バカチン!」と怒鳴って止めさせる、というお話です。

他愛のないお話ですが、自分も同じことをして、同じことを怒られていたなあと苦笑してしまいました。

あたしンち第68話『戦う長電話』

さて、この場合は・・・。

どうしても、聞かれたくないけど電話したい時は・・・。
テレホンカードを持って。

最終手段『公衆電話』。

ケータイもパソコンもなかったけれど、いろいろなアイテムを使ったり、自分の手で作り出したりして、なんとか望みをかなえようとしていたあの頃。
涙ぐましい努力すらいい思い出です。

最後に、薬師丸ひろ子さんの『あなたを・もっと・知りたくて』フルバージョンをお楽しみください。

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