カバーからRCサクセションの代表曲の一つになった『サン・トワ・マミー』
『サン・トワ・マミー』は、1988年に発表したRCサクセションのカバーアルバム『COVERS』に収録。
この曲には、ゲストとして山下洋輔、更に桑竹居助の偽名にてサザンオールスターズの桑田佳祐が参加している。
本家・アダモや越路吹雪が歌い既に有名曲であったが、忌野清志郎の独特な歌唱によってオリジナル曲の様な印象を多くの人に与えている。
アルバム『COVERS』は洋楽ヒット曲にオリジナルの日本語詞をつけた楽曲を収録。
原発について歌った「ラヴ・ミー・テンダー」と「サマータイム・ブルース」などが問題になり、当時の所属会社東芝EMIからは発売できずに1988年6月22日付けの新聞広告で「素晴らしすぎて発売出来ません」と掲載した。
本作を望むファンの声が高まり、またマスコミに取り上げられたことで世論の後押しもあり、シングル、アルバム共にRCサクセションの古巣キティレコード(現・ユニバーサルミュージック)から8月15日(終戦記念日)に発売が実現した。
発売中止騒動や過激な内容の話題性から、シングル・アルバム通じてRC初のオリコンチャート1位を獲得。
RCサクセション唯一のオリコン1位獲得作品である。
『サン・トワ・マミー』はシングルカットはされていないが、1988年公開の映画『バカヤロー! 私、怒ってます』主題歌や、フジテレビ『やっぱり猫が好き』エンディングテーマ、日産自動車企業CM(ルマン参戦キャンペーン)などに起用され、RCサクセションを代表曲の一つとなった。
アダモによる名曲『サン・トワ・マミー』
「サン・トワ・マミー」(原題:Sans toi ma mie)はベルギーの歌手サルヴァトール・アダモの楽曲。
作詞、作曲ともに「雪が降る」などのヒットで知られているアダモ自身が手がけた。
『サン・トワ・マミー』とは、フランス語で「恋人よ、君なしでは…」という意味。
1964年には越路吹雪が歌い大ヒット
日本語の訳詞は、岩谷時子。
越路吹雪が歌唱するにあたって、主人公を女性に置き換えた大人の女性の恋の歌になっており、アダモ自身の失恋を描いた原詞を大幅に意訳したものになっている。
サン・トワ・マミー - 越路吹雪 - 歌詞 : 歌ネット
忌野清志郎のロックな歌詞アレンジ
RCサクセション版の『サン・トワ・マミー』では、忌野清志郎に合わせ主人公を男性に変更。
岩谷版の歌詞では『街に出れば 男が誘い ただ意味なく つきまとうけど この私が ゆきつく処は あなたの胸の 他にないのよ』だが、清志郎版の歌詞では『旅に出れば 女が誘い ただ意味なく ぶち込むけれど この僕の いきつくとこは おまえの胸の 他にないのさ』という具合にかなりハードな歌詞のアレンジになっている。
サン・トワ・マ・ミー - RCサクセション - 歌詞 : 歌ネット
【笑っていいとも!】でも披露した忌野清志郎の『サン・トワ・マミー』
1994年12月2日放送の『笑っていいとも!』テレフォンショッキングのコーナーに竹中直人から紹介された忌野清志郎が登場。
ギター1本で『サン・トワ・マミー』を披露し、会場を沸かせた。
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